著者
大沢 真理
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.24-35, 2015-04-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

働いて稼ぐこと,子どもを生み育てることにかかわる社会政策の影響を,比較ジェンダー分析する.1985年以来の相対的貧困率や非正規労働者比率の推移,近年の賃金動向を手がかりとして,日本において就業条件が劣化してきたことを概観する(Ⅲ).また,2000年代末のOECD諸国の貧困率および貧困削減率を検討する.日本では,税・社会保障制度による貧困削減率が,成人が全員就業する世帯や子ども(がいる世帯)にとって,マイナスである(Ⅳ–1).所得再分配がかえって貧困を深めるという事態はOECD諸国で異例であり,労働力人口の急減が憂慮される社会として,極めて不合理である.税・社会保障の負担面を見ると,日本の制度は累進度が最も低い部類であり,ひとり親世帯の負担が不釣り合いに重い.ただし民主党政権下の子ども手当は,所得が低い層ほど負担を大きく軽減していた(Ⅳ–2).Ⅴではアベノミクスの「成果」を検証したうえで,若干の展望を述べる.

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大沢真理「日本の社会政策は就業や育児を罰している」『家族社会学研究』27巻1号

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◻️日本の社会政策は就業や育児を罰している “日本では,税・社会保障制度による貧困削減率が,成人が全員就業する世帯や子ども(がいる世帯)にとって,マイナスである” “日本の制度は累進度が最も低い部類であり,ひとり親世帯の負担が不釣り合いに重い” https://t.co/CtmkZLXQwd
@takanorituko 所得再分配調査によれば、全体では改善していますが、 https://t.co/Bx3dRn01S8 ご指摘の点は大沢真理先生の研究が有名ですね。ひとり親世帯では再分配後に悪化していたという指摘をされています。 https://t.co/aop1a0TxuG
J-STAGE Articles - 日本の社会政策は就業や育児を罰している https://t.co/VjYfHNEwhJ
https://t.co/59qiiPUH1A https://t.co/mvQbZwP4Uv https://t.co/loTvICpyEi https://t.co/vB0fhhqrGl https://t.co/6N2oF6etOw めも
子どもの貧困、女性の貧困、日本の子育てのしづらさ感じてる人は読んでみてください。。。 大沢真里,2015, 「日本の社会政策は就業や育児を罰している」 https://t.co/wsAQCgLNNj
これな。 大沢真理「日本の社会政策は就業や育児を罰している」『家族社会学研究』27巻1号 (pdf) https://t.co/g90Zhi35dC https://t.co/zJusfUkwzy
今こそ、大沢真理さんの2015年の論文を貼ろう。育児に罰を与えると不公平だから、子どもをもたないことも増税で罰しようね、が加わりそうです。RT J-STAGE Articles - 日本の社会政策は就業や育児を罰している https://t.co/G0rQ3WhyVl
2 2 https://t.co/reI41S5EY2
今の日本社会は、ケア(しながら働くこと)を罰している、とは大沢真理さんの挑戦的な指摘。 https://t.co/WTN4Qlm1It

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