著者
岡崎 由佳子 片山 徹之
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.151-156, 2005-06-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
46
被引用文献数
4 8

フィチン酸は, ミオイノシトールに六つのリン酸基が結合した化合物であり, そのリン酸基が無機質の吸収抑制に関与すると考えられ, 一般的に抗栄養因子と位置付けられている。一方, ビタミン様物質であるミオイノシトールは, 抗脂肪肝作用を有することが知られている。著者らは, フィチン酸のイノシトール骨格に着目し, フィチン酸がミオイノシトールと同様に抗脂肪肝作用を有することや, フィチン酸によるこの効果が現実に摂取しているレベル付近で発揮されることを明らかにした。また, ミオイノシトールとフィチン酸が共通して抗がん作用を有することも報告されている。さらに, 最近の研究からフィチン酸が哺乳動物細胞内における常成分で, 哺乳動物の脳に結合タンパク質が存在し, 細胞内小胞輸送に関与している可能性が考えられている。著者らは, これらの結果からフィチン酸が栄養的にみてビタミン様物質の前駆体あるいはビタミン様物質そのものとして機能しうるのではないかと考えている。

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フィチン酸の栄養的再評価

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ハイどうぞ? 日本人の食事に含まれるフィチン酸含量は概算で0.035%程度 無機質吸収阻害に要するフィチン酸摂取量はこれまでの研究から推定すると、少なくとも現実レベル(0.035%)の10倍以上を要することが推定される 大豆で亜鉛欠乏とか無理杉ww 日本栄養・食糧学会誌  https://t.co/B7jgcAAc9M
”炭水化物源としてショ糖を約2週間摂取させたラットの肝臓脂質の蓄積(おもにトリグリセリド)を,食 餌に0.1%添加したミオイノシトールが抑制することを明らかにした” ショ糖摂取の脂肪肝を抑制すると。ミオイノシトールには果糖の害を抑える作用があると言っていいですかね。 https://t.co/p0oXEFDG1T
フィチン酸は、カルシウム、亜鉛の吸収を妨げる抗栄養因子としての作用が多く知られています。 ただ、最近では抗脂肪肝作用や抗がん作用があることもわかってきているようです
大豆に含まれるフィチン酸ってものは、亜鉛などミネラルの吸収を阻害する。って話で ✅フィチン酸は100%阻害でない ✅フィチン酸は抗肝脂肪 という事実を、いろいろ調べてたら出てきたのでシェア。 https://t.co/exmXVifvVj
引用元 https://t.co/V5A3MQVvzW

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