1 0 0 0 チフス

著者
江崎 孝行 趙 立成
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1898-1901, 1999-11-10

チフス菌(Salmonella typhi)は通性嫌気性のグラム陰性桿菌で,Enterobacteriaceae腸内細菌科に属する危険度レベル3の病原体である. 菌体の周囲は多数の鞭毛がついており(図1),表面はさらにVi抗原と呼ばれるきょう膜で覆われている.腸チフスを疑った場合は,選択培地SS培地(Salmonella-Shigella)を使用して便を直接この培地に塗布して分離培養するするが,他のサルモネラと異なりこの菌はSS培地上で硫化水素の産生が弱いため,赤痢菌と同じような透明の集落をつくる(図2).硫化水素は徐々に産生され,数日経過すると徐々に中心が黒く周辺が透明の集落になってくる.
著者
堀 秀行 田邊 樹郎 福留 みのり 川崎 勉 出田 秀尚
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1369-1373, 2006-08-15

目的:中心窩下の脈絡膜新生血管に対して行った光線力学療法と,これにトリアムシノロンアセトニド40mgのテノン囊下注射を併用した3か月後の効果の比較。対象と方法:過去8か月間に,中心窩下の脈絡膜新生血管に対して光線力学療法を行った68例68眼を対象とした。51眼には光線力学療法のみを行い,17眼にはトリアムシノロン注射を併用した。結果:両群の間でlogMAR視力と中心窩網膜厚の変化量に有意差はなかった。病変部最大直径の減少量は,光線力学療法単独群よりもトリアムシノロン併用群のほうが有意に大きかった(p<0.01)。結論:中心窩下の脈絡膜新生血管に対する光線力学療法の3か月後の評価では,これ単独よりも,トリアムシノロンのテノン囊下注射を併用したほうが病変の大きさを減少させる効果が大きい。