著者
中原 淳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.23-35, 1999-06-20
被引用文献数
12

近年の学習環境論において学習者自身が学習過程の再吟味を行うことの重要性が主張されている.本論文の目的は,学習過程を重要視する学習環境のデザインと,それが学習者にもたらす変容を明らかにすることである.研究方法としては,「エスノグラフィー(ethnography)」を採用する.より具体的には,ある学習環境における空間配置・学習材・ストラテジ- (strategy)の3つの学習活動を構成する「リソース(resource)」について考察を加える.それをふまえた上で,他者に対する学習過程の内省的認知活動である「語り(Narrative)」とそれらリソースとの関係を論じる.上記の認知活動は,研究対象の実践において特異に観察された.「語り」は,3つのリソースが「協調(coordination)」して構成される内省的な認知活動である.学習者にとっての「語り」の教育的効果は,学習そのものをどう定義するかという認識のレベル-「メタ学習観」の転換・変容に存在する.以上の議論をふまえ,学習活動支援の方法としての「語り」を概観し,「語り」を誘発する学習環境のデザインについて本稿からの示唆を述べる.

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中原先生@nakaharajun の研究ルーツが語られている。卒論は、フィールドこそ小学校の図工の授業だったが、「見ているもの」はこの頃からずっと変わらないそう。この論文は何度も読みました。 #CULTIBASELab 語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー https://t.co/LR8i9gr3w6
【メモ】 語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー https://t.co/MEimvWBVRI
@junkei1212 基本、中原淳先生の論文系よー!再生刺激法についてちょこっと http://t.co/qxN3L3J7 こっちが小学校図工のやつね!これおもろい! http://t.co/epF2tXnU
CiNii 論文 -  語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー http://t.co/AHFdUgBb #CiNii
現在、この論文を読んでます。キーワードはメタ認知なのかもと一人考え中/語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー http://t.co/LmnR6A2U
語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー(中原 淳) http://t.co/D3X72xun  学習過程を重要視する学習環境のデザインと,それが学習者にもたらす変容を明らかにする
なるほど。ひとりで作業に没頭できる「すみっこ」とみんなが集まる「はらっぱ」の共存。RT @YukiAnzai: co-baの空間デザインをみて、この論文の<すみっこ>と<はらっぱ>を思い出した。 http://t.co/cmt6Cgif
(プレゼンの合間にコソーリ読む)RT @YukiAnzai: co-baの空間デザインをみて、この論文の<すみっこ>と<はらっぱ>を思い出した。|CiNii論文 語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー http://t.co/cmt6Cgif
co-baの空間デザインをみて、この論文の<すみっこ>と<はらっぱ>を思い出した。|CiNii論文 - 語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー http://t.co/F5KY7myI
2)精神遅滞児を対象としたコンピュータゲーム的環境による学習の試み http://t.co/0kd9KUkU 3)語りを誘発する学習環境のエスノグラフィー http://t.co/ijxGy1xE #ysemi

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