著者
田邊 玲子 トラウデン ディーター クラヴィッター アルネ
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

この間「身体」が頻繁に議論されてきたが、非身体的なものの側面、とりわけ身体的なものと非身体的なものが交錯する領域が見逃されてきた。本研究は、ドイツ文学における身体と非身体との関連を研究した。キリスト教神学における身体と魂との関連、古代から現代の西欧哲学における模倣と身体存在についての言説、18世紀のヴィンケルマン、ヴィーラント、ゲーテ、そしてシルエットと影絵芝居の流行の美的内包について検討し、さらに、声、とくに1920年代の現代オペラにおける非主体化について考察した。本研究の成果は、身体的なものの不在といった、現代文化の特徴的な状況の解析に寄与するだろう。
著者
小黒 康正 浅井 健二郎 小黒 康正 杉谷 恭一 小川 さくえ 増本 浩子 桑原 聡 恒吉 法海 東口 豊 恒吉 法海 福元 圭太 杉谷 恭一 小川 さくえ 坂本 貴志 増本 浩子 濱中 春 山本 賀代 岡本 和子 北島 玲子 桑原 聡 クラヴィッター アルネ オトマー エーファ
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ドイツ現代文学は、言語に対する先鋭化した批判意識から始まる。とりわけホーフマンスタール、ムージル、カフカの文学は、既存の言語が原理的機能不全に陥っていることを確信しながら、言語の否定性を原理的契機として立ち上がっていく。本研究は、ドイツ近・現代文学の各時期の代表的もしくは特徴的な作品を手掛かりとして、それぞれの作品において<否定性>という契機の所在を突き止め、そのあり方と働きを明らかにした。