著者
三原 千惠
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.1371-1378, 2011 (Released:2011-12-19)
参考文献数
23
被引用文献数
1

脳卒中後の神経症状として嚥下障害は頻度が高く、栄養障害をきたす原因のひとつとして重要である。また誤嚥による肺炎は予後を悪くする危険性が高い。したがって、早期より適切な嚥下機能評価と栄養管理を開始することが必要である。脳卒中の症状は意識障害と片麻痺などの神経症状が中心であり、時間とともに変化する。安全かつ効果的に経口摂取を行うためには、摂食・嚥下障害の把握が必要であるが、嚥下障害のほかに食物の認識や食事の行動にかかわる高次脳機能障害、片麻痺、同名半盲などの症状を理解して適切に対処しなければならない。ここではまず脳卒中の病態と栄養管理について説明し、脳卒中後の嚥下リハビリテーションの特徴について述べる。また、経口摂取への円滑な移行のための「食べるためのPEG」の概念についても説明する。