著者
白石 涼 佐藤 圭祐 千知岩 伸匡 吉田 貞夫 尾川 貴洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.572-578, 2021

<p>【目的】大腿骨近位部骨折患者を対象に,腹部Computed Tomography(CT)の大腰筋面積で推定した骨格筋量と機能的予後の関連を調査した。【方法】回復期病棟に入院した113 名を骨格筋量減少群と対照群に分け,患者背景,機能的予後を比較した。Functional Independence Measure(以下,FIM)利得を目的変数とした重回帰分析を行い,骨格筋量との関連性を検討した。【結果】平均年齢は83.5 ± 8.3 歳,男性35 名,女性78 名であった。骨格筋量減少群は56 名だった。骨格筋量減少群は対照群に比べ,高齢で,痩せており,入院時認知FIM,退院時FIM 合計,FIM 利得が有意に低かった。多変量解析で,骨格筋量減少とFIM 利得に有意な関連を認めた。【結論】大腿骨近位部骨折患者における大腰筋面積で推定した骨格筋量減少は,機能的予後不良と関連することが示唆された。</p>
著者
白石 涼 佐藤 圭祐 千知岩 伸匡 吉田 貞夫 尾川 貴洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
2021

<p>【目的】大腿骨近位部骨折患者を対象に,腹部Computed Tomography(CT)の大腰筋面積で推定した骨格筋量と機能的予後の関連を調査した。【方法】回復期病棟に入院した113 名を骨格筋量減少群と対照群に分け,患者背景,機能的予後を比較した。Functional Independence Measure(以下,FIM)利得を目的変数とした重回帰分析を行い,骨格筋量との関連性を検討した。【結果】平均年齢は83.5 ± 8.3 歳,男性35 名,女性78 名であった。骨格筋量減少群は56 名だった。骨格筋量減少群は対照群に比べ,高齢で,痩せており,入院時認知FIM,退院時FIM 合計,FIM 利得が有意に低かった。多変量解析で,骨格筋量減少とFIM 利得に有意な関連を認めた。【結論】大腿骨近位部骨折患者における大腰筋面積で推定した骨格筋量減少は,機能的予後不良と関連することが示唆された。</p>
著者
吉田 貞夫 軸屋 智昭 平松 祐司 島田 知則 榊原 謙 厚美 直孝 三井 利夫 堀 原一
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.433-436, 1993-09-15 (Released:2009-04-28)
参考文献数
16

高位腹部大動脈閉塞症は陰萎, 間歇性跛行などの慢性虚血症状を呈する場合が多いとされる疾患である. 今回著者らは, 急速に増悪した両下肢および骨盤内臓器の虚血症状を主訴とした高位腹部大動脈閉塞症例を経験したので報告する. 患者は57歳, 女性. 軽度の間歇性跛行を自覚していたが, 突然両下肢および骨盤内臓器の重症虚血症状が出現し, 血管造影で高位腹部大動脈閉塞症と診断された. 腎動脈上遮断, 血栓摘除, 腎動脈下遮断でY型人工血管置換術を行った. 術中 Laser Doppler 血流計測でS状結腸の重篤な虚血を証明しえた. また, 術前から認められていた右腎動脈狭窄の急速な進行を認め, 術後に経皮経管動脈形成術を必要とした. 高位腹部大動脈閉塞症の急性増悪は主側副血行路の閉塞が原因と考えられた. また, 腎動脈病変を伴う場合, たとえそれが軽症でも同時血行再建等の適応があるものと考えられた.