著者
三宅 陽一
出版者
日本家畜臨床学会
雑誌
東北家畜臨床研究会誌 (ISSN:09167579)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.84-97, 1992-11-25 (Released:2009-04-22)
参考文献数
45

先天的な染色体異常である染色体数あるいは構造上の異常の多くは、人や実験動物に限らず、家畜の性的異常や繁殖障害、または先天異常や奇形の直接的な原因となって現われやすいことが報告されている。また、最近の分子遺伝学的解析方法によって家畜の遺伝性疾患の原因が遺伝子レベルで明らかにされつつある。これまで牛では1/29を始めとする染色体転座、性染色体キメラ、モザイク、常染色体または性染色体のトリソミー、XY性腺発育不全症などがフリーマーチン、生殖器の異常や低受胎、または奇形のもので知られている。馬では性染色体のモザイクやモノソミー、トリソミー、XY性転換症候群などが間性や生殖器奇形、不受胎の雌で報告されている。豚では性染色体転座や、性染色体異常または性染色体のモザイク、モノソミー、トリソミーが間性、産子数の減少した雄豚などで認められているほか、常染色体の逆位の例が、ある特定の家系内で発生していることが認められている。このように家畜では多種類の染色体異常が性的異常や繁殖障害のものに数多く認められているので、染色体検査やDNA診断は臨床診断の一助となりえるものと思われる。
著者
三宅 陽一郎 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I2GS5e01, 2021 (Released:2021-06-14)

本比較検証実験の目的は,デジタルゲームAIにおいて著者が提案するMCS-AI動的連携モデル(Meta-Character-Spatial AI Dynamic Cooperative Model)がゲームデザインに対してアイデアの多様性をもたらすことを検証することである.MCS-AI動的連携モデルを知った被験者のゲームデザインのアイデアを,知らせなかった被験者と比較することで,MCS-AI動的連携モデルのゲームデザインのアイデアへの影響を比較検証する.被験者は解説文を読んだあと,自由記述式アンケートに回答を記述する.26人の被験者に対するアンケート文を自然言語解析を行い,MCN-AI連携モデル(従来のモデル)のみを知らせた場合と,MCS-AI動的連携モデルも知らせた場合とで,ゲームデザインアイデアにどのような変化が行われるか,を比較した.解答文の形態素解析によってキーワード抽出し共起ネットワークを生成することで,MCS-AI動的連携モデルを調べたグループの回答が、よりAIと連携したアイデアを提案することを明らかにした.
著者
三宅 陽一郎
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.38, no.151, pp.28-33, 2018 (Released:2019-10-01)
参考文献数
13

デジタルゲームのサイズと複雑度はますます大きくなり、ゲーム開発者も自分の作るゲームの全容を把握できない状況になりつつある。しかし、人工知能は、データを収集し、解析し、重要な情報を抽出し、可視化することでそのような状況を打開できる力を持つ。本記事では、FINAL FANTASY XVの実例を通じて、AIがどのようにゲームデータを可視化し開発者をサポートするかを説明する。
著者
山本 直樹 田中 哲文 大上 賢祐 籏 厚 三宅 陽一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.165-169, 2017-06-12 (Released:2017-06-08)
参考文献数
11

症例は74歳,男性.診断は下行大動脈瘤であった.下行大動脈置換術直後より脳脊髄液ドレナージを開始し,術当日の覚醒後に対麻痺症状のないことを確認した.しかし,術後1日目に対麻痺が出現した.脳脊髄液ドレナージの排液はなく,閉塞も考えられたため新たに脳脊髄液ドレナージチューブを挿入した.脳脊髄液の流出が確認されたが,脳脊髄液初圧10 cmH2Oと上昇はなかった.すぐにD-マンニトールと副腎皮質ホルモンの点滴を併用し,血圧維持管理を開始した.また,フェンタニルによる疼痛管理を中止しナロキソン持続静注を開始した.対麻痺発症から4時間後より徐々に症状は改善し,発症から24時間目で歩行器歩行が可能となった.下行大動脈置換後に遅発性対麻痺が出現したが,ナロキソン持続静注と血圧維持が著効した症例を経験したので,文献的考察を踏まえ報告する.
著者
三宅 陽一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

ステートマシンとビヘイビアツリーにいる新しい意思決定システムを開発し、それを実際のゲームタイトルに導入した。これをAI Graph と呼び、ノードの定義を工夫することで、2つの意思決定アルゴリズムをハイブリッドでかつ連結して使用することを可能とした。また開発時の工夫として、一度使ったグラフを何度も再利用できるようにし、エージェントの意思決定を深く作り込むことを可能とした。
著者
安倍 吉俊 三宅 陽一郎
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.33, 2018-05-01
著者
三宅 陽一
出版者
The Society for Reproduction and Development
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.j111-j118, 1996 (Released:2010-10-20)

これまでに家畜には多くの染色体異常例があり,それが繁殖障害と密接に関連していることを報告した.今回,それらの結果をもとに,染色体異常例は以下の4つの型に区分されるものと考えた.すなわち,A群は染色体の形態に異常があり相対的不妊症を示すもの(転座,逆位);B群は染色体の形態は正常であるが絶対的不妊症を示すもの(XY female,間性);C群は染色体数の増減があり絶対的不妊症を示すもの(トリソミー,モノソミー);D群は性染色体のキメラが認められ絶対的な不妊症を示すもの(フリーマーチン)である.今後,このような染色体異常例は家畜の遺伝子(群)の機能を解析するうえで,格好のモデルになるものと思われる.