著者
米田 彬史 板倉 光 荒井 考磨 海部 健三 吉永 龍起 三宅 陽一 白井 厚太朗 木村 伸吾
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.18-00038, (Released:2019-03-15)
参考文献数
69
被引用文献数
4 10

日本におけるニホンウナギの自然分布域を明らかにするために,文献調査からシラスウナギの来遊記録をまとめ,耳石安定同位体比分析に基づく判別手法から全国の河川・湖沼から収集した個体を天然加入個体と放流個体に判別した。その結果,九州一帯,瀬戸内海沿岸,青森県以南の太平洋沿岸,京都府以南の日本海沿岸は自然分布域の主要部,福井県から青森県までの日本海沿岸は自然分布域の縁辺部と推定された。しかし,主要部であっても天然加入個体の割合が3割程度以下の場合もあり,資源が放流個体に依存している状況がうかがえた。
著者
三宅 陽一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.B-J64_1-16, 2020-03-01 (Released:2020-03-01)
参考文献数
54

A game AI general theory has been researched and developed in game industry in the world, and a new game AI general theory of AI in digital game is supposed with three AIs. For a large scale of game, a game AI system consists of three types of AI such as meta-AI, character AI, and navigation AI. A meta-AI is to control a game dynamically from a bird-view by watching a player’s behavior. A character AI is a brain of a game character such as a buddy, a monster, or a villager to make a decision in real-time. A navigation AI is to recognize an environment of a game to find a path or a best location to move dynamically. Especially, character AI is a main topic to study in game development, and it includes many fields such as multi-layered structure, character animation, agent architecture, decision-making modules, and so on. A new method of decision-making of combination of behavior trees and state machines is supposed. It is called AI Graph. The game AI general theory was applied to an AI system of an action-RPG game “FINAL FANTASY XV”. The results are showed in the paper. All characters’ decision-making system in FINAL FANTASY XV are based on AI Graphs. An AI Graph Editor is a tool to make an AI Graph only by using a mouse and simple text inputs. A dynamics of the new method is showed by explaining AI Graph Editor precisely.
著者
三宅 陽一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.e3-e36, 2022-06-15

メタバースは人類が新しく獲得する時空間であり,今後,社会や人々の意識を大きく変えていくと期待されています.現代におけるメタバースはオンラインゲームやSNS,仮想通貨などを背景に成立しており,その歴史的成立の変遷をこの20年間のデジタル空間の発展とともに説明します.また,発展を続けるメタバースの未来について,人工知能エージェント,スマートシティ,NFTとの関連において,幾重にも重なる可能性を述べていきます.
著者
大澤 博隆 宮本 道人 長谷 敏司 西條 玲奈 福地 健太郎 三宅 陽一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2Q5OS13b02, 2020 (Released:2020-06-19)

人工知能の様々な可能性とリスクが、現在現実の応用のための迅速なAI開発の緊急課題として議論されている。メディアや研究者でさえ、未来のビジョンを示すものとしてSFを引き合いに出すことがある。しかし、エンターテイメントに対する技術的不正確さのため、SFにおけるこれらのAIを将来の真剣な議論に持ち込むことは必ずしも適切ではない。一方で、SFのテーマの中には、人々に新たなビジョンを思い起こさせるような積極的な役割を果たすものもある。AI分野におけるSFの混合した影響を解明するために、著者らはSF評論家や作家とともにSFにおけるAIの記述方法を分析した。まず、SFにおける115のAIストーリーを、知能の多様性、社会的側面、および人間の知能の拡張という三つの方針の基準に基づいて選択した。AI特性を表す11つの要素をクラスタ分析と主成分分析を用いて分析した。その結果、SFには4つの特徴的なAIクラスタが存在することが示唆された。それらは人間、機械、ヘルパー、インフラストラクチャであり、2次元空間にマッピングされている。それらは知能と人間性である。
著者
三宅 陽一郎 水野 勇太 里井 大輝
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.1-12, 2020 (Released:2021-07-01)

デジタルゲームにおけるキャラクターの頭脳である「キャラクターAI」、パス検索など環境を認識する「ナビゲーションAI」と並んで、ゲームAIの柱の一つとなりつつある「メタAI」について、その概念の歴史的形成を探求する.メタAIはゲーム全体を動的にコントロールする人工知能である.「メタAI」という言葉が使われたのは2005年以降のことであるが、メタAI的なアイデアは80年代のゲーム開発の中からあり、現代ではその発展した形で生き続けている.また,2008年以降、メタAIとほぼ同じ意味でAI Directorがあり、現在はこの両者が混在している状態である.本論文では、これまでまとめられることのなかった両者の概念の形成と実装具体例を追いつつ、メタAIとAI Directorがカバーする領域と役割の差異を明確にし、現時点での定義を行う.メタAI、AI Directorの研究・開発の歴史的経緯と定義を提供することで、今後のメタAI、AI Directorの研究・開発の礎となることを目的とする.