25 0 0 0 OA 災害と心不全

著者
坂田 泰彦 下川 宏明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.550-555, 2014 (Released:2015-05-15)
参考文献数
18
被引用文献数
1
著者
坂田 泰彦 後岡 広太郎 下川 宏明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.109, no.2, pp.186-190, 2020-02-10 (Released:2021-02-10)
参考文献数
16

近年,社会の高齢化に伴い,心不全が世界中で増加し,心不全パンデミックと呼ぶべき事態が進行している.世界に先駆け,超高齢社会に突入した日本もその例外ではなく,高齢者を中心に心不全患者数が急激に増加しており,その管理の臨床的重要性は日増しに高まっている.また,高齢化に加え,生活習慣の西欧化が進む日本では,心不全の構造自体も質的にも大きく様変わりしつつあり,注意が必要である.本稿では,日本における心不全の疫学について,海外データと比較しつつ概説する.
著者
長谷部 雄飛 福田 浩二 中野 誠 近藤 正輝 佐竹 洋之 平野 道基 下川 宏明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SUPPL.3, pp.S3_36-S3_42, 2014 (Released:2015-10-26)
参考文献数
7

症例1は, 15歳女性. 小学生の時にWPW症候群を指摘. 運動中に出現した心拍数300/分台の偽性心室頻拍で当科紹介. C型顕性WPW症候群, デルタ波はⅡ誘導で陰性であり, 心外膜側Kent束と予測された. 順伝導ERPは220msec, 心室早期刺激にて容易に房室回帰性頻拍が誘発された. 冠状静脈洞 (CS) 内の順伝導最早期部位における心室側への通電で離断に成功した.  症例2は, 22歳男性. 小学生の時にWPW症候群を指摘. 強い精神的ストレス下で, 心拍数280/分台の偽性心室頻拍を発症. ピルジカイニド内服後もデルタ波残存し, Ⅰ, Ⅱで陽性, V1, aVFで (±) であり, 後中隔Kent束と予測された. Kent束の順伝導ERPは240msec未満. CS入口部前面に順伝導最早期を認め, 入口部から内部に入った逆伝導最早期部位への通電と, さらに奥での追加通電にて離断に成功した. CS内通電を要した後中隔Kent束で, 心房細動合併時に速い心室応答を示したハイリスク偽性心室頻拍の若年2症例経験したので文献的考察を加えて報告する.
著者
伊藤 健太 下川 宏明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.11, pp.2846-2852, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
7

我が国では,人口の高齢化や生活習慣の欧米化に伴い,虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症といった動脈硬化性疾患患者が増加してきている.我々は,基礎研究の結果を基に,低出力の衝撃波を用いた血管新生療法(「低出力体外衝撃波治療」)を開発し,(1)重症狭心症,(2)急性心筋梗塞,(3)下肢閉塞性動脈硬化症を対象に臨床試験を行っている.重症狭心症に対しては,第1次臨床試験(オープン試験)と第2次臨床試験(二重盲検プラセボ対照試験)を行い,本治療法の有効性と安全性を確認し,論文報告している.本治療法は,麻酔や侵襲的な処置を伴わずに,体外から治療を行うことができる非侵襲的な治療法であり,繰り返し行うことも可能である.今後幅広い疾患への応用が期待される.
著者
進藤 智彦 安田 聡 下川 宏明
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.131-137, 2021-12-10 (Released:2021-12-10)
参考文献数
46

世界的な高齢化の進展とともに,さまざまな合併症を有する心血管病患者は増加の一途を辿っている。近年,生体において音波の繰り返し刺激が血管内皮細胞を伸展させ,内皮型一酸化窒素合成酵素や血管増殖因子の発現を誘導させることがわかってきた。これを応用し,われわれは音波を用いた低侵襲性血管新生療法を開発し,基礎・臨床の両面で研究を進めてきた。本稿では,音波を用いた血管新生治療の開発について概説する。
著者
佐竹 洋之 福田 浩二 近藤 正輝 中野 誠 瀬川 将人 伊藤 健太 下川 宏明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.SUPPL.1, pp.S1_147-S1_152, 2015 (Released:2016-12-14)
参考文献数
5

症例は30歳代男性, 市民ハーフマラソン大会に出場し, スタートから15km付近を走行中に心肺停止状態となった. 同マラソン大会に救命救急のプロジェクトとして参加していた医師・看護師により, 速やかにCPRが施行され, AED (VFドキュメント) にて心拍再開を得た. その後, 当院へ救急搬送・低体温療法にて神経学的後遺症を残さず回復した. 心エコーおよび画像検査からは器質的心疾患の存在は否定的であり, 後日施行した冠動脈造影では器質的狭窄は認めず, 冠攣縮誘発試験でSpasm陽性, 電気生理検査ではVFは誘発されず, サンリズム負荷試験も陰性であった. VFの発生に冠攣縮の関与も疑われたが, 過去, またCPA時に胸痛がないため, 特発性心室細動と診断し, ICD植込みを施行, Ca拮抗薬の内服も開始し退院となった. 若年者のスポーツ中の突然死は, 肥大型心筋症などの器質的心疾患に多いとされているが, 今回, 器質的心疾患を認めない若年者に発生した特発性心室細動を経験したので報告する.