- 著者
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下平 拓哉
- 出版者
- 日本危機管理学会
- 雑誌
- 危機管理研究 (ISSN:0919245X)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, pp.15-21, 2021 (Released:2021-10-01)
- 参考文献数
- 10
2020年10月の中国共産党第19期中央委員会第5回全体大会では,非常に興味深いコミュニケが発表された。これまで中国が目指してきた中国共産党創立百年と建国百年に,「三つの目の百年」として「建軍百年奮闘目標」が加わったのである。習近平体制下,建国以来最大規模の軍改革が進められてきたが,軍事力強化の一層の推進が示された意義は大きい。本稿では,中国共産党第19回全国代表大会等における報告や最新の中国国防白書,米国防総省報告書等,中国国内外の関連資料を分析し,社会主義現代化強国という新時代の新たな国作りのため,権力基盤を固めつつある習近平が掲げている習近平思想の特徴とその軍事戦略の注目点について明らかにした。