著者
小出 俊夫 下西 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.448, pp.19-24, 2010-02-25
被引用文献数
1

OpenFlowネットワークではコントローラーと各スイッチ間で制御情報を送受信するためのセキュアチャネルは、実データを送受信する実ネットワークとは別に、一般的なルーティングプロトコルを用いる独立した制御専用ネットワーク上に構築される。この制御専用ネットワークを除去しセキュアチャネルを実ネットワーク上に構築することで、セキュアチャネルの経路選択の柔軟性が向上し、耐障害性、スケーラビリティー、及び管理コストなどの改善が期待できる。本報告では、セキュアチャネルを実ネットワーク上に構築する方法の検討と実機による簡易評価の結果について述べる。
著者
岩田 淳 下西 英之 小林 正好
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.9, pp.626-637, 2017-09-01

本論文では,ネットワーク業界に20年に1度と言われる革新をもたらしたSDN,NFVにおける研究開発・実証・商用化と本領域の将来の発展の方向性について述べる.現在のインターネットは自律分散制御方式を採用し,個々のネットワーク装置に機能が埋め込まれているため,機能追加・変更が困難な上,装置の機能肥大化を招いている.またデータセンタ等の仮想化が進む環境では,頻繁に生じるサーバやストレージの構成変更に迅速に追随するネットワーク構築・運用が求められるが,自律分散制御に起因する遅延や振る舞いの予測困難性により,迅速,確実なネットワーク変更ができないという課題がある.本課題に対し,筆者らは論理集中型のプログラマブルな制御方式によるネットワークの設計・構築・運用(SDN)と最小限の標準的枠組み(OpenFlow)とによる解決策を提唱し,更にネットワーク装置の仮想化(NFV)と組み合わせ,ネットワークサービスでの高機能化と柔軟性の実証・実用化に成功した.更に,IoTなど実世界のデータをセンシング・解析・最適化する際の広域分散データ解析プラットホームへの本技術の適用へ向け,将来を展望する.
著者
本間 裕大 会田 雅樹 下西 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.240, pp.31-36, 2010-10-14
被引用文献数
2

本研究では,制御時間スケールによる階層化という観点から,OSPF型ルーティング(最短経路)と,MLBルーティング(マルチパス)を同時実装する,新たなるルーティング制御技術を提案する.主な特長は,2種類の異なる制御技術を導入することによって,大局的には最短経路に従う安定した転送を実現しつつ,局所的な輻輳を回避し得る,柔軟なルーティング制御技術を構築した点にある.また,シミュレーションによって,単一の制御技術を導入した場合に比べ,平均遅延時間等が改善されることを明らかとした.
著者
岩田 淳 下西 英之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.274, pp.21-26, 2009-11-05

本講演では、新世代ネットワークの基盤技術として注目を集めているOpenFlow Switching技術の技術概要と本技術領域におけるNECの研究開発の取り組みについて紹介する。現在、北米NSFのGENI Programでは、新世代向けのネットワーク仮想化、プログラマビリティ、モビリティ制御実現へ向けたインフラとしてOpenFlow技術を活用した複数大学間でのトライアルが開始されつつある。またNECのStanford大学との1年のトライアルを通し、本技術の可能性について徐々に期待度が高まっている。本講演では、NECのOpenFlow Switching技術の研究開発の取り組みとして、新世代ネットワークアーキテクチャ、スイッチ技術、コントローラ技術の研究開発、ならびに試作開発状況、ならびに北米トライアル状況について紹介する。また、本技術をベースとしたネットワークの将来技術への展望について述べる。