著者
中尾 悠利子 石野 亜耶 國部 克彦 田中 優希 西谷 公孝 岡田 華奈 奥田 真也 Weng Yiting 増子 和起 越智 信仁 牟禮 恵美子 大西 靖 北田 皓嗣
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

既存のAI(人工知能)を活用したESG(環境・社会・ガバナンス)評価研究では,ESG投資を既存の財務投資のパラダイムの下で発展させることは可能であっても,ESG投資の本来の目的である社会や環境への貢献を目指した投資の側面を発展させることには大いに限界がある。そこで,本研究では,ESG投資の本来の目的に立ち返り,どのようにすれば,AIによって,このようなESG投資のために情報開示における多様性をさらに発展させて,社会の改善につなげることができるのかを学術的問いとし,探求する。
著者
田中 優希 矢口 淳一
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.97-105, 2018 (Released:2018-07-10)
参考文献数
21

青森県八戸市の東側に位置する蕪島海水浴場は, 近年糞便性大腸菌群濃度が高く一時遊泳禁止措置がとられることもあった。糞便汚染の原因を解明するため本研究では2014年5月から2年7ヶ月間指標細菌濃度をモニターすると共に, 汚染源に特異的な4つの遺伝子マーカーを使用してリアルタイムPCRによる遺伝子マーカー濃度の測定を行い, 汚染源の追跡を実施した。糞便性大腸菌群数は, 2014年5月2日に1.04×103個 100 mL-1と水浴場基準を超える値を示し, 2015年5月にも9.00×102個 100 mL-1に達していた。蕪島海水浴場の指標細菌数は春に増加し, 7月以降減少して海水浴シーズンには水浴可能のレベルとなっていた。糞便汚染の原因を解明するため使用したヒト, ブタ, ウシ, ウミネコの糞便汚染を特定する4つの遺伝子マーカーHF183, Pig-2-Bac, Rum-2-Bac, 及びCat998は, 下水とそれぞれの糞便を用いた試験結果よりそれぞれ90~100%の感度と80%以上の特異度を示し, これらのマーカーの有用性が検証できた。蕪島海水浴場における4つの遺伝子マーカーの検出状況をリアルタイムPCRで調査したところ, 遺伝子マーカーHF183, Cat998の濃度は大きく年間変動し, HF183は5月に最も濃度が高く, Cat998も5月から7月にかけて濃度が増加しその後減少した。ブタとウシの糞便汚染を示すマーカーPig-2-BacとRum-2-Bacは検出されなかった。遺伝子マーカーによる4つの汚染源の検討結果から, 蕪島海水浴場の糞便汚染の原因は, ヒトとウミネコの糞便によると推定される。
著者
田村 正樹 中 優希 久保 有紀 渕上 健
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】複視とは,脳血管障害などが原因で物体が二重に見える症状である。物体の見えにくさから日常生活動作(以下,ADL)に支障をきたすが,具体的なリハビリテーション介入に関する知見は少ない。今回,複視を呈した症例に対して,自動車運転の獲得を目標にレーザーポインターやミラーを用いた眼球運動課題を考案し介入したことで退院後に目標達成に至ったため,報告する。【方法】症例は59歳,男性。診断名はクモ膜下出血と右視床梗塞。発症2週後の眼科受診で右外転神経麻痺と診断された。発症4週目に当院入院となり,入院当初から運動麻痺や感覚障害は認められず,ADLは歩行で自立していた。その他の所見として,Berg Balance Scaleは56/56点,Mini Mental State Examinationは30/30点,Trail Making TestはPart-A36秒,Part-B81秒であった。職業は内装業であり,復職と自動車運転の獲得を希望されていた。発症9週目で内装業に必要な動作が獲得できたため,眼球運動課題を開始した。このときの眼球運動所見は,peripersonal spaceの物体を正中から右側に20cm以上,左側に30cm以上追視した際に複視が出現し,10分程度で眼精疲労が確認された。さらに,personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行うと,複視により3分程度で気分不良が確認された。複視は右側のextrapersonal spaceへの追視の際に著明であった。眼球運動課題はレーザーポインターを用いたポインティング課題,ミラーを用いた識別課題を方向や距離,速度,実施時間を考慮して行った。レーザーポインターを用いたポインティング課題では前方と側方の安全確認と信号の認識を想定し,頭頸部回旋運動を取り入れてレーザーの照射部位を追視するように教示して実施した。ミラーを用いた識別課題ではバックミラーとサイドミラーに映った自動車の認識を想定し,各3方向のミラーに映った対象の詳細や距離について正答を尋ねた。【結果】発症11週後には,peripersonal spaceにある物体の追視では正中から左右ともに35cmまで複視が出現せず可能となった。peripersonal spaceでの眼球運動は40分程度,personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行う眼球運動では30分程度問題なく行えるようになった。発症12週目に自宅退院となり,最終的には自動車運転の獲得に至った。【結論】本症例は右外転神経麻痺による両眼球の共同運動障害により複視が生じていた。personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行うレーザーポインターやミラーを用いた眼球運動課題を組み合わせることにより,複視の改善に至ったと考える。
著者
田村 正樹 中 優希 久保 有紀 渕上 健
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1149, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】複視とは,脳血管障害などが原因で物体が二重に見える症状である。物体の見えにくさから日常生活動作(以下,ADL)に支障をきたすが,具体的なリハビリテーション介入に関する知見は少ない。今回,複視を呈した症例に対して,自動車運転の獲得を目標にレーザーポインターやミラーを用いた眼球運動課題を考案し介入したことで退院後に目標達成に至ったため,報告する。【方法】症例は59歳,男性。診断名はクモ膜下出血と右視床梗塞。発症2週後の眼科受診で右外転神経麻痺と診断された。発症4週目に当院入院となり,入院当初から運動麻痺や感覚障害は認められず,ADLは歩行で自立していた。その他の所見として,Berg Balance Scaleは56/56点,Mini Mental State Examinationは30/30点,Trail Making TestはPart-A36秒,Part-B81秒であった。職業は内装業であり,復職と自動車運転の獲得を希望されていた。発症9週目で内装業に必要な動作が獲得できたため,眼球運動課題を開始した。このときの眼球運動所見は,peripersonal spaceの物体を正中から右側に20cm以上,左側に30cm以上追視した際に複視が出現し,10分程度で眼精疲労が確認された。さらに,personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行うと,複視により3分程度で気分不良が確認された。複視は右側のextrapersonal spaceへの追視の際に著明であった。眼球運動課題はレーザーポインターを用いたポインティング課題,ミラーを用いた識別課題を方向や距離,速度,実施時間を考慮して行った。レーザーポインターを用いたポインティング課題では前方と側方の安全確認と信号の認識を想定し,頭頸部回旋運動を取り入れてレーザーの照射部位を追視するように教示して実施した。ミラーを用いた識別課題ではバックミラーとサイドミラーに映った自動車の認識を想定し,各3方向のミラーに映った対象の詳細や距離について正答を尋ねた。【結果】発症11週後には,peripersonal spaceにある物体の追視では正中から左右ともに35cmまで複視が出現せず可能となった。peripersonal spaceでの眼球運動は40分程度,personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行う眼球運動では30分程度問題なく行えるようになった。発症12週目に自宅退院となり,最終的には自動車運転の獲得に至った。【結論】本症例は右外転神経麻痺による両眼球の共同運動障害により複視が生じていた。personal spaceからextrapersonal spaceへの切り替えを多方向に行うレーザーポインターやミラーを用いた眼球運動課題を組み合わせることにより,複視の改善に至ったと考える。