著者
大槻知史 齋藤 直樹 中井 満 下平 博 嵯峨山 茂樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.245-255, 2002-02-15

本稿では,隠れマルコフモデル(HMM)を用いて,人間が鍵盤入力した演奏情報(標準MIDIファイル)の発音時刻の間隔から,意図された音価列を復元推定する手法を提案し,実験によりその効果を実証する.人間が音楽演奏する際の物理的音長は,音価に対応する正規の長さから意識的・無意識的に揺らぐため,楽譜入力や自動採譜などでは,楽譜として意図された各音符の音価を正しく推定するのは容易ではない.そこで,連続音声認識の定式化にならって,音楽的な演奏を学習・認識する原理をHMMの手法を用いてモデル化する.さらに,同様の原理により小節線・拍子推定,テンポ変化推定も可能となることを示す.
著者
大槻知史 齋藤 直樹 中井 満 下平 博 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.245-255, 2002-02-15
被引用文献数
12

本稿では,隠れマルコフモデル(HMM)を用いて,人間が鍵盤入力した演奏情報(標準MIDIファイル)の発音時刻の間隔から,意図された音価列を復元推定する手法を提案し,実験によりその効果を実証する.人間が音楽演奏する際の物理的音長は,音価に対応する正規の長さから意識的・無意識的に揺らぐため,楽譜入力や自動採譜などでは,楽譜として意図された各音符の音価を正しく推定するのは容易ではない.そこで,連続音声認識の定式化にならって,音楽的な演奏を学習・認識する原理をHMMの手法を用いてモデル化する.さらに,同様の原理により小節線・拍子推定,テンポ変化推定も可能となることを示す.This paper proposes the use of Hidden Markov Model (HMM) for rhythmrecognition from musical performance recorded in the standard MIDIfile format. Intentionally or unintentionally, physical durations ofmusical notes in human performances often fluctuate from nominallengths of the intended notes. Estimating intended note sequences is,therefore, not trivial for computers. In this paper, we formulate theprocess of understanding and recognizing musical rhythm patterns usingHMM similarly to continuous speech recognition (CSR). It is shownthat the same principle enables bar line allocation, beat recognition,and tempo estimation.
著者
川上 隆 中井 満 下平 博 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.627, pp.25-32, 2000-02-18
参考文献数
14
被引用文献数
2

本稿では、隠れマルコフモデル(HMM)を用いて与えられた旋律に自動で和声付けを行なう手法を提案し、実験的検討結果を報告する。旋律は背後に隠れた和声進行から生成される、とする旋律生成の隠れマルコフモデルを提唱し、その逆問題として、与えられた旋律から背後の和声進行を最尤推定する。2種類の和声進行のモデル、いくつかの旋律生成のモデル、さらにN-bestアルゴリズムによる和声付け複数候補抽出や、与えられた旋律の調性推定及び転調検出についても論じる。童謡や歌曲及びバッハのコラールから学習した和声進行確率モデルを用いた、実際に和声付け実験を行なった結果についても述べる。
著者
齋藤 直樹 中井 満 下平 博 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.106, pp.27-32, 1999-12-11
参考文献数
17
被引用文献数
12

本稿では、隠れマルコフモデルを用いて人間によって、鍵盤演奏された音符音長系列情報(スタンダードMIDIファイル)から意図された音符列を推定する手法を提案し、実験によりその有効性を実証する。人間が音楽演奏するときの各音符の物理的長さは、音符の正規の音長から意識的・無意識的に揺らぐため、楽譜投入・自動採譜などでは、意図された各音符の音価を正しく推定するのは容易ではない。本研究では、連続音声認識の定式化に倣って、演奏入力を音楽的に理解する原理を隠れマルコフモデル(M)によりモデル化し、意図された音符列を推定する。更に、同じ原理によりテンポ変化推定・小節線推定・拍子推定を提案する。評価実験により、一般に用いられている閾値処理より良好な結果が得られることを示す。This paper proposes the use of Hidden Markov Model (HMM) for restoration of a music note sequence from the music performance by human (reprenseted by a standard MIDI file). Successful experimental results are also presented. As the physical duration of a musical note in a human music performance fluctuates, intentionally or unintentionally, from the nominal length of the note, it is not easy to estimate the intended sequence of notes in autonmatic music transciption or music entry to computers. In the present paper, utilizing the formulation of continuous speech recognition, we use Hidden Markov Model (HMM) for modeling the process of the human understanding music performances and estimate the intended sequence of musical notes. We also apply the same principle to tempo estimation, bar line allocation, and beat estimation. Through experimental evaluation, we show the proposed method outperfoms existing methods.