著者
奥 健太 中島 伸介 宮崎 純 植村 俊亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.162-176, 2007-06-15
参考文献数
24
被引用文献数
12

本論文では,ユーザの状況に応じて適切な情報を提供する状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案する.膨大な情報からユーザの嗜好に合致する情報を提供する手法として,情報推薦システムに関する研究が行われているが,ユーザのそのときの状況(時間帯や天気,同伴者,予算など)に応じて変化するユーザの嗜好に対し,柔軟に対応することは容易ではない.そこで我々は,状況に応じて変化するユーザの嗜好を適切にモデル化する手法を提案した.本論文では,このモデル化手法を適用した状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案し,検証実験に基づいて,提案手法の評価を行った.この中で,提案手法であるコンテクスト依存型情報フィルタリングとコンテクスト依存型協調フィルタリングの有効性や特長の違いを明らかにするとともに,対象コンテンツの特徴パラメータの最適化に関して考察した.This paper proposes a prototype of a context-aware recommendation system which provides users with contents appropriate to their contexts. There have been many studies of recommendation systems which provide users with contents suited to their preferences. However, it is not easy to adapt these recommendations to changing contexts (e.g., time of day, weather, companions and budget). Thus, we propose a method which takes into account users' preferences as well as their current context. This paper also introduces a prototype of a context-aware recommendation system using the method, and evaluates our proposed methods. In our experiments, we explore the strengths and weaknesses both Context-Aware Information Filtering and Context-Aware Collaborative Filtering. Lastly, we discuss optimization of the feature parameters of contents.
著者
中島 伸介 張 建偉 稲垣 陽一 中本 レン
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-15, 2013-01-23

本研究では,小さいコミュニティから徐々に広がり,最終的に多くの人々に知れわたるような流行語を拡張型流行語と定義し,ブログ記事を時系列解析することで拡張型流行語の早期発見する手法に関する検討を行った.具体的には,すでにメジャーな流行語となったトピックに対し,ブログ上でどのように拡散していったのかを分析することで,早期発見に必要な分析手法について検討した. kizasi.jp で扱っている 3,776,154 ブログサイトで過去 2 年間に投稿された 81,922,977 件のブログ記事データの分析の結果,流行語候補がメジャーな流行語に発達する過程において,総発言数に占める,対象トピックと関連の深いコミュニティからの発言割合が減少しつつ,関連の薄いコミュニティからの発言割合が増加する状況を確認した.また,対象トピックと関連の深いコミュニティの特定手法を検討するとともに,総発言数に占めるこのコミュニティからの発言数の割合の減少状況について分析を行った.さらに,ライバル関係にある複数の流行語候補のランキングに基づく,提案手法の妥当性の検証を行った結果,良好な結果を得た.In this paper, we focus on "gradual buzzwords" that begin from a restricted community, spread little by little to other communities, and finally become widely known to most people, and discuss a method for their early detection by analyzing time-series data of blog entries. We observe the process in which certain topics grow to become major buzzwords and determine the key indicators that are necessary for their early detection. From the analysis results based on 81,922,977 blog entries from 3,776,154 blog websites posted in the past two years, we find that as topics grow to become major buzzwords, the percentages of blog entries from the blogger communities closely related to the target buzzword decrease gradually, and the percentages of blog entries from the weakly related blogger communities increase gradually. We also discuss how to identify the blogger communities which are closely related to these buzzwords, and conduct a slope analysis of percentage variation of blog entries from these closely related blogger communities. Moreover, we verify the effectiveness of the proposed method through experimentation that compares the rankings of several buzzword candidates with popularity competition.
著者
朝永聖也 中島伸介 稲垣陽一 中本レン 小倉僚 張建偉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-11-19

有望な流行語候補を早期に発見する手法の一つとして,流行語先読みブロガーの発見を目指している.この流行語先読みブロガーの発見を行うために,過去の流行語に対してどの程度早くから言及していたのかを分析することによる,ブロガー先読み度判定手法を提案する.具体的には,その流行語が語り始められた時点を推測し,その時点から流行のピークを迎えるまでの期間において,対象となる流行語に関してどの程度早期に言及していたのかを評価する.本稿では,提案する先読み度判定手法について説明すると共に,本手法で必要となる流行語候補のカテゴリ分類について評価を行ったので,報告する.The purpose of this study is to discover good predictors in blogosphere, as one of methods to detect promising buzzwords. In order to find good predictors, we propose a method for evaluating bloggers' buzzword prediction ability by analyzing how early bloggers mentioned past buzzwords. Concretely, we predict the time when a buzzword began to be mentioned, and evaluate how early the buzzword was mentioned in the period from the beginning time to the peak. In this paper, we describe the analysis method of bloggers' buzzword prediction ability, and report the evaluation on buzzword classification.
著者
桑原 雄 稲垣 陽一 草野 奉章 中島 伸介 張 建偉
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.18, pp.1-3, 2009-11-13
被引用文献数
11

近年,ブログや SNS 等,ユーザの生活体験が直接反映されたコンテンツが数多く配信されるようになってきている.我々は,これらのコンテンツを解析することで,ユーザの生活体験に基づいたシソーラスを半自動的に作成するシステムの研究開発を行っている.本稿では,このシステムを用いて作成したシソーラスを用いて,マイクロブログ上でユーザが発信した情報を分析し,特徴的なトピックやそれに対する感情を抽出することで,興味,志向が類似したユーザを発見する方法,及び類似ユーザを推薦する手法を提案する.Recently, the internet has experienced an explosion of personal media from social media sites such as blogs, Facebook, Twitter and so on. Much of this persona media describes a person's life experiences and events, ranging from the mundane to the intriguing. As it is such, we are developing a life experience thesaurus system which can automatically recognize the life experiences based upon textual analysis. In this paper, we describe the use of this thesaurus in our micro-blogging user recommendation system. This system analyzes user postings, extracting the topics and sentiments, and lastly recommends similar users.
著者
中島 伸介 舘村 純一 原 良憲 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.23-28, 2005-07-06

近年, 取得可能な情報量の増大に伴い, 信頼できる情報を効率的に取得することが困難になっている.我々はWeb上での有識者を発見し, この有識者が発信するコンテンツに基づいた情報フィルタリングを行うことで, 信頼できる情報の取得が可能ではないかと考え, 重要なbloggerの発見手法の確立を目指した研究を行ってきた.しかしながら, blogスレッドの検出や, 重要なbloggerの発見に関して, これまではTrackbackリンクを考慮できておらず, blogエントリ同士の関係を適切に抽出することが十分にできているとはいえない.したがって, Trackbackの利用状況の調査と, この結果に基づくTrackbackの利用方法に関する検討を行った.
著者
田中 ちひろ 山本 雄平 姜 文渊 田中 成典 中村 健二 中島 伸介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.580-589, 2020-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
18
被引用文献数
3

スポーツ庁では,我が国の国際競技力の向上に関する重点政策において,日本代表選手の活躍を科学な側面から支援することを目指している.そこで,筆者らは,GNSSセンサによるフィールドスポーツの可視化システムを開発してきた.特に,アメリカンフットボールに着目し,QB,WR,DBのマッチアップを対象にした軌跡画像を用いて,深層学習によるパス成否の判定を目指してきた.ただし,プレーが完結したトラッキング情報のみを用いているため,プレー中の成功率の予測や,その予測値に基づくタイムリーな動作の選択と修正をサイドラインから指示できるようなプレー中の気づき情報の獲得には至っていなかった.そこで,本研究では,軌跡の経時変化を加味したトラッキング情報を用いることで,プレー中の成功率を予測することを試みる.実験では,クイックパス,ショートパスやロングパスなどの軌跡を対象に分析を行い,その有用性を実証した.
著者
奥 健太 中島 伸介 宮崎 純 植村 俊亮
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.SIG11(TOD34), pp.162-176, 2007-06-15

本論文では,ユーザの状況に応じて適切な情報を提供する状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案する.膨大な情報からユーザの嗜好に合致する情報を提供する手法として,情報推薦システムに関する研究が行われているが,ユーザのそのときの状況(時間帯や天気,同伴者,予算など)に応じて変化するユーザの嗜好に対し,柔軟に対応することは容易ではない.そこで我々は,状況に応じて変化するユーザの嗜好を適切にモデル化する手法を提案した.本論文では,このモデル化手法を適用した状況依存型情報推薦システムのプロトタイプを提案し,検証実験に基づいて,提案手法の評価を行った.この中で,提案手法であるコンテクスト依存型情報フィルタリングとコンテクスト依存型協調フィルタリングの有効性や特長の違いを明らかにするとともに,対象コンテンツの特徴パラメータの最適化に関して考察した.
著者
中島 伸介 張 建偉
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,精度および詳細度の高いブロガー分析手法の開発を行った.さらに,情報発信者および情報受信者としてのブロガー分析に基づく,信頼性の高い情報の判定技術,トレンド情報の抽出技術,情報発信者のプロファイリング技術とこれに基づく情報推薦技術の開発に取り組んだ.成果としては,研究協力を頂いている企業において,本研究の成果の一部を実サービスにて活用していただくなど,技術の実用化という意味でも成果を上げている.特に,流行トレンドの早期発見方式に関する研究では,難関国際会議での論文採択や推薦論文としての学会論文誌への採択を受けると共に,国内研究会発表にて3度受賞するなど,学会においても高く評価された.
著者
稲垣 陽一 中島 伸介 張 建偉 中本 レン 桑原 雄
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.123-134, 2010-09-28

本研究ではブロガの体験熟知度に基づいたブログランキングシステムの開発を行った.ユーザが入力した検索キーワードに対して,関連するトピックを複数抽出し,各トピックに関するブロガの体験熟知度を算出する.これに基づいてブログエントリのランキングを行う.熟知度スコアが高いブロガ (熟知ブロガ) が書いたエントリは,熟知度スコアが低いブロガが書いたエントリよりもランキングが上位となる.ブロガの熟知度スコアは,ブロガが過去に投稿したエントリ内で,各トピックに関して共起に基づいて抽出した特徴語をどれほど使ったかを分析することで算出される.なお,開発したシステムは,視点の異なる複数のランキングを提示するとともに,エントリ投稿者 (ブロガ) の特性に関する補助情報を提示している.これにより,ユーザは閲覧するブログエントリの信頼性を自分なりに判断することが可能となる.我々は開発した実証実験システムをWeb上で公開するとともに,これを用いた評価実験を行った.提案システムにより提示される熟知ブロガおよびブログエントリの妥当性が十分に高いことを確認できた.
著者
西尾 今日子 中島 伸介 山田 篤 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.131, pp.309-314, 2007-06-25

知的財産として認定・登録されるには,既存のものとの差異があることが条件である.しかしその差の大小や着眼ポイントは知財の分野やそれがもつ特徴によって異なるため,既存知財データの整理は欠かせないタスクとなっている.知的財産である商標にもこれが当てはまる.そこで,本稿では商標の特徴を「画像データ」「外観データ」「言語データ」の3点から抽出し,それらの評価基準同士の相関関係と知財化容易度について述べる.
著者
中島 伸介 舘村 純一 原 良憲 田中 克己 植村 俊亮
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.156-166, 2007-04-15 (Released:2007-08-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2 1

個人の情報発信やコミュニケーションツールであるblogの利用者が増加している.blog情報は社会的イベントに対する世論そのものであるとも考えられ,これを有効に利用することで即時性および重要性の高い情報の取得が可能であると考えている.そこで我々はWeb上の有識者としての重要なbloggerを発見し,この重要なblogger が発信するコンテンツを利用することで,信頼できる情報の取得が可能ではないかと考えた.本研究では,まずblog データモデルを定義し,重要なblogger の定義とそのタイプ分類を行った.その中でも特に重要と考えたAgitator の判別方法を提案すると共に,実データに基づいてその妥当性に関する考察を行った.提案手法の妥当性の検証方法としては,Agitator判別の再現性に関する検証と,Agitatorであると認定されたblogサイトの正当性の検証を行った.その結果から,提案手法によって重要なbloggerであるAgitator の発見が十分可能であることを示した.
著者
池田 新平 中島 伸介 角谷 和俊 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.64, pp.1-6, 2002-05-10
被引用文献数
1

Web情報空間は様々な情報が氾濫しており,有益な情報を発見することは容易ではない.又,通常のリンクナビゲーションでは,閲覧中のWebページに対して,構造的・内容的に関連するような"周辺",のWeb情報を知ることはできない.実世界と同じように地図や交通標識などの手段を用いることで,閲覧中のWebページの周辺空間の情報を得ることが出来れば,Web情報空間においても,効率的な情報探索が出来ると考えられる.そこで本研究では,"利用者の閲覧履歴から利用者の意図を抽出する"という考えに基づき,利用者の閲覧履歴を反映させた"周辺"のWeb情報空間を生成し,その周辺空間への案内を交通標識メタファーを用いて,Web標識という形で表示するシステムを提案する.
著者
中島 伸介 舘村純一 原 良憲 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.67, pp.31-38, 2005-07-13

近年,取得可能な情報量の増大に伴い,信頼できる情報を効率的に取得することが困難になっている.我々はWeb上での有識者を発見し,この有識者が発信するコンテンツに基づいた情報フィルタリングを行うことで,信頼できる情報の取得が可能ではないかと考え,重要なbloggerの発見手法の確立を目指した研究を行ってきた.しかしながら,blogスレッドの検出や,重要なbloggerの発見に関して,これまではTrackbackリンクを考慮できておらず,blogエントリ同士の関係を適切に抽出することが十分にできているとはいえない.したがって,Trackbackの利用状況の調査と,この結果に基づくTrackbackの利用方法に関する検討を行った.With rapid spread of amount of information, it become difficult for us to discover trusty information efficiently. Consequently, we try to extract blog threads and to discover important bloggers, because we consider that it is possible to provide trusty information by using information filtering based on important bloggers as learned people. Now, we have not used trackback data of blog entries, so that we could not extract blog threads and could not discover important bloggers. Thus, we investigate influence of trackback links on blog thread formation and use of trackback link for discovering important bloggers.
著者
中島 伸介 舘村 純一 原 良憲 田中 克己 植村 俊亮
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.156-166, 2007-04-15
被引用文献数
2 2

個人の情報発信やコミュニケーションツールであるblogの利用者が増加している.blog情報は社会的イベントに対する世論そのものであるとも考えられ,これを有効に利用することで即時性および重要性の高い情報の取得が可能であると考えている.そこで我々はWeb上の有識者としての重要なbloggerを発見し,この重要なbloggerが発信するコンテンツを利用することで,信頼できる情報の取得が可能ではないかと考えた.本研究では,まずblogデータモデルを定義し,重要なbloggerの定義とそのタイプ分類を行った.その中でも特に重要と考えたAgitatorの判別方法を提案すると共に,実データに基づいてその妥当性に関する考察を行った.提案手法の妥当性の検証方法としては, Agitator判別の再現性に関する検証と,Agitatorであると認定されたblogサイトの正当性の検証を行った.その結果から,提案手法によって重要なbloggerであるAgitatorの発見が十分可能であることを示した.