著者
後藤 政幸 佐藤 千恵 間中 友美 中島 肇 Masayuki GOTO Chie SATO Yumi MANAKA Hadjime NAKAJIMA
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.127-133, 2015-03-31

りんごに5種ピレスロイド系農薬(ビフェントリン、ペルメトリン、シペルメトリン、フェンバレレート、デルタメトリン)を低濃度(残留基準濃度;0.5ppm)塗布後、室温・明所下で7日間保存した。保存1日後、4日後、7日後に可食部について残留農薬濃度を分析した。結果、Ⅰ型ピレスロイド(ビフェントリン、ペルメトリン)は保存1、4、7日後にそれぞれ0.26、0.12、0.06ppm、Ⅱ型ピレスロイド(シペルメトリン、フェンバレレート、デルタメトリン)は0.44、0.37、0.35ppmに減少した。1日間および7日間保存のりんごについて、果皮および果肉に分けて残留農薬の分析を行った結果、果肉は7日間保存の試料にだけⅡ型農薬(シペルメトリン、フェンバレレート、デルタメトリン)が微量検出され、果肉中農薬量/果皮中農薬量の割合は3.0~4.9%であった。 次いで、りんご果皮に付着している農薬の除去法について検討した。りんごに同様の低濃度農薬を塗布して、水洗およびふきとり操作を行った。可食部について農薬分析を行った結果、水洗操作では5種ピレスロイド系農薬の残留率は93~99%、ふきとり操作では22%~42%であり、水洗による農薬除去は期待できなかったが、ふきとりは農薬除去に有効であった。
著者
阿部 愛波 大河原 悦子 柳澤 幸江 中島 肇
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.28, 2016

<br><br>【目的】千葉県の郷土食である「性学もち」は粳米から作られる。特徴として粘り気が少なく喉に詰まりにくい、汁物の中でも溶けにくいということが挙げられるが、製造過程においてどのような科学的変化が起きているのかは明らかになっていない。そこで本研究では性学もちを様々な条件で作成し、通常のレシピにある工程の意義や、性学もちの望ましい水分量等を明らかにすることを目的とした。<br><br>【方法】現在に伝わる性学もちの製造方法は、一晩浸水し10分程度蒸し、芯が残った状態で一度水洗いをし、再度芯がなくなるまで蒸し上げ、搗くというものである。本実験では伝承されている性学もちの製造方法と、対象群として一度蒸した後の水洗いの工程を30分浸水に変更したものとで、水分量と保形成について検討した。<br><br>【結果】通常の製造法で作成した性学もちは、水分量が50.24%~58.89%であったのに対し、水洗いを浸水に変更した群では、55.03%~64.41%であった。保形成は通常の製造方法群が高く、食感も好ましかった。対照群である水洗いを浸水へ変更した群では保形成は低く、食感はべたつきを感じる結果となった。これは浸水させたことにより吸水が高まり、その結果水分量に違いが出たからと考えられるが、アミロース、アミロペクチンの含量についても今後検討する必要がある。水分量やアミロース・アミロペクチン量を明らかにすることで、伝承されている製造方法にある二度蒸しや、水洗いの理由を明らかにすることができると考える。
著者
大河原 悦子 高梨 萌 阿部 愛波 中島 肇 柳澤 幸江 龍崎 英子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.68, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】】千葉県の東総地区(現在旭市)に江戸時代から伝わる粳米を用いた独特の製法で作られる性学もちがある。本研究は、粳米で作る性学もちが餅に比べ付着性が低く飲み込みやすいと言われている点に着目し、その性質及び物性を分析し飲み込みやすさを科学的に検討した。高齢者向け食品開発として、また、千葉県郷土食の伝承と米消費拡大という側面からの活用も目的とした。【方法】咀嚼機能の観点から女子大生による性学もちと市販切餅の官能評価検査及び .XTplusTEXTUREANALYAER(StableMicroSystens)を用いて性学もちと市販の切餅の硬さ・付着性・凝集性を測定し性学もちの郷土食歴史的背景の観点から地域住民による認知度アンケートを実施した。【結果】官能評価検査では、市販の切餅に比べ飲み込みやすいという項目で有意な差がでたが、おいしさについては差がみられなかった。テクスチャーアナライザー分析した結果、硬さと付着性には、性学もちと切餅には有意な差はみられなかった。一方、見かけの凝集性は性学もちには切餅には統計的な有意な差がみられた(p<0.05)。この結果から、性学もちは市販の切餅と比較して飲み込みやすいことが示唆された。一方、郷土史研究の視点から、千葉県市川市民10~70歳代(n=181)の認知度アンケート調査を行った所、性学もちを知っていると答えた人は全体の5.5%と低くかった。江戸時代の道学者大原幽学が考案した性学もちは農民の困窮生活の中で餅文化への強い信仰心から誕生した。大原幽学の特異かつ不幸な歴史的背景から性学もちに関する資料は少なく、認知度の低さにつながるのではないかと推察される。
著者
渡邊 正行 宮本 真理 橋場 炎 中島 肇
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.25-34, 2015

組織には,その後の組織のありかたを方向付ける開祖と呼ばれる人物が存在することがある。雪印乳業(株)(現,雪印メグミルク(株))の乳酸菌研究の開祖は,北海道大学農学部応用菌学教室二代目の佐々木酉二教授であると言って良いだろう。佐々木名誉教授は,雪印乳業(株)の前身である北海道製酪組合連合会に勤務していた1935年に北海道月形集乳場の生クリームから「ブルガリア乳酸桿菌(L. bulgaricus)」を分離し,この菌株を使った乳酸菌飲料を開発した。この製品は北海道製酪組合連合会を通じて製造販売されたのである。佐々木名誉教授は,北海道大学で学術研究に従事した後も,様々な形で北海道製絡組合連合会や雪印乳業(株)の乳酸菌研究に多大な影響を与えた文字通りの開祖である。佐々木名誉教授が分離した菌株は,後述するように,乳酸菌の命名法の変遷に伴いL. helveticus Lj-1株という菌種菌株名で現在でも使用されている。北海道限定ではあるが,雪印メグミルク(株)で製造販売されている乳酸菌飲料「カツゲン(現在は,ソフトカツゲンという名称で販売)」は,このL. helveticus Lj-1株を使用した製品の一つである。
著者
中島肇 著
出版者
研文書院
巻号頁・発行日
1942