著者
中嶋 泰則 濱田 千裕 池田 彰弘 釋 一郎
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.366-375, 2006 (Released:2006-09-05)
参考文献数
10
被引用文献数
1 3

2月中旬のコムギ立毛中に水稲を不耕起播種する「水稲麦間不耕起直播栽培」の省力安定化技術の確立を目的に, コムギ播種前の秋季代かきと播種同時施肥について検討した. 不耕起V溝播種機を供試し, 開口部2 cm, 深さ5 cmのV溝に水稲播種と同時に施用する肥料を検討したところ, 水稲の生育や窒素の溶出パターンから, 基肥としては肥効調節型肥料のLPSS100(シグモイド型被覆尿素100日タイプ)が適合すると考えられた. また, LPS120(シグモイド型被覆尿素120日タイプ)が穂肥としての肥効を示すことも示唆された. これらの肥料は, コムギ生育中での窒素の溶出量が少なく, コムギの収量・品質に悪影響を与えなかった. コムギ播種前に秋季代かきを実施することで, 水稲播種時における圃場の均平と硬度が確保され, 播種作業によるコムギへの傷害が少ないうえ, 水稲の播種精度が向上し出芽・苗立ちが安定した. このような結果に基づき, 1999年にコムギ播種前の秋季代かきおよびLPSS100の水稲播種同時施肥を水稲麦間不耕起直播栽培体系に組み込み, 94 aの大区画圃場において検討したところ, 1 ha当たりの全刈り収量はコムギ4.94 t, 水稲5.32 tで合計10.26 t, 圃場内労働時間23.5時間が達成でき, 本栽培体系における省力安定性が示された.
著者
坂 紀邦 寺島 竹彦 工藤 悟 加藤 恭宏 大竹 敏也 杉浦 和彦 遠藤 征馬 城田 雅毅 林 元樹 中嶋 泰則 伊藤 幸司 井上 正勝 加藤 博美
出版者
愛知県農業総合試験場
雑誌
愛知県農業総合試験場研究報告 = Research bulletin of the Aichi-ken Agricultural Research Center (ISSN:03887995)
巻号頁・発行日
no.41, pp.165-175, 2009-12

「中部糯110号」は、2008年に愛知県農業総合試験場山間農業研究所(農林水産省水稲育種指定試験事業)において育成した水稲糯品種である。その来歴、特性は次のとおりである。1.1990年、愛知県農業総合試験場山間農業研究所において「愛知糯91号」を母本とし、「イ糯64」を父本として人工交配した後代から育成した。交配の翌年、圃場でF1を養成し、1995年F5世代で個体選抜し、その後、系統育種法により選抜・固定した。2.本種は、早生の糯種で、草型は偏穂重型の強稈種である。収量は「ココノエモチ」よりも優れる。千粒重はやや重く、玄米の外観品質は良好で、餅の食味は粘りが強く、味、外観に優れ良い。3.縞葉枯病に抵抗性で穂いもち抵抗性も優れる。
著者
渡辺 研太郎 中嶋 泰 内藤 靖彦
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
no.75, pp.p75-92, 1982-03
被引用文献数
1

1981年1月15日から31日にかけて, 昭和基地付近の3点(底質は砂地と岩場)において, 第21次南極地域観測越冬隊および第22次夏隊に参加した3名が, SCUBA(自給気潜水器)を用いた生物調査を行った。潜水回数は15回, 延べ33回・人。各回の潜水時間は約45分, 最大55分で, 最大潜水深度は18mであった。使用したドライスーツをはじめとする潜水機材は, 南極の夏季の潜水作業には十分な性能を備えていることが判明した。調査の結果, これまでトラップでは採集できなかったナンキョクツキヒガイなどのろ過食性生物を含め, 約200点の底生生物を採集した。このほか35mmカラーフィルムで約250こま, 8mmカラーフィルムで約400フィートの水中写真に生物の生態を記録し, 所期の目的を達成した。
著者
木原 雄治 岡村 怜王奈 中嶋 泰 井筒 隆 中本 正幸 吉原 務
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.10, pp.725-734, 2006-10-01
被引用文献数
1

DRAM技術とSRAMで実績のあるTFT技術を用いた新しいメモリセル技術を用いて,16Mビットの低消費電力SRAM (SuperSRAM)を開発した.微細化が進むことでソフトエラー,V_<CC>下限動作等の問題が顕在化し,大容量化を進めていく上での難易度が高くなりつつあるSRAMに対し,小面積化が可能なDRAMメモリセル技術を用いてコストの上昇を伴うことなく諸問題を解決するとともに回路技術を駆使して非同期動作のSRAMとの完全互換を実現した.主に設計的観点から当デバイスの特徴を述べる.