著者
梅田 直円 岡ノ谷 一夫 中村 和雄 古屋 泉
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.9-16, 1993-03-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
10

ムクドリによる農作物の被害は年々増加する傾向にあり,効果的な防除法の開発が望まれている.ムクドリがどんな刺激を嫌うかを条件反応の抑制効果によって定量化することを目指して,ムクドリをオペラント条件づけの手続きで訓練できるかどうか試みてみた.実験に使った3羽のムクドリすべてにキーつつき反応を学習させることができ,そのうち2羽は間欠スケジュールで安定した反応をするようになるまで訓練することができた.キーつつき反応に及ぼす種々の視•聴覚刺激の効果を測定することで,効果的な追い払い法の開発に寄与できるであろう.
著者
寺内 まどか 中村 和雄 松岡 茂 宮下 直
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
(ISSN:00409480)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.7-16, 1985-08-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
9

(1)1983年および1984年4月から11月にかけて,茨城県谷田部町農業研究センターの圃場およびその周辺の畑地と林で見られたキジバトの個体数を数えた.その結果,畑では,ムギ,トウモロコシ,ラッカセイなどの刈り跡やダイズ畑で多く見られる傾向があった.それに対して,林の個体数は安定していた.(2)キジノミトの〓のう内容物を分析した結果,ほとんどの餌が植物質で占められ,それも農作物の割合が高かった.(3)キジバトの餌を林床と畑からサンプリングした結果,植物質の餌は畑に集中していて,林床ではわずかしかみられなかった.(4)これらのことから,キジバトは,繁殖場所である林では密度が安定しているが,畑では採餌のために比較的広い範囲から個体が集まり,特にムギやダイズなどの刈り跡に集中して餌を得ていると思われる.
著者
長尾 真 中村 和雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.17, no.8, pp.720-728, 1976-08-15

The implementation of LISP 1.6(LIST processing language 1.6) for a minicomputer (TOSBAC_40C) is described. The implementation of a full-power LISP processor require large program area and large free cell space, because the LISP processor must be able to run a large program efficiently. As our minicomputer has a small main memory, it is required to attach a high speed bulk core memory(512kB) as a virtual memory by the software paging mechanism based on the LRU algorithm. Upon these address spaces, we can use maximum 64k LISP cells. As a processor has the ability to swap out any list expression into the secondary memory in the form of S-expression(Symbolic expression), the user can run a fairly large program that requires more cells than 64k cells for the running. Many other ideas are employed in this processor, such as the data type of the pointer is determined by the address computation (hence the conventional data type flags in the cell are eliminated completely), the shallow binding mechanism is employed as the variable binding, the compaction and linearization of the cells are taken place at the garbage collection, and the processor works under the disk operating system. As this processor has so many features, it is easy to use, and a large LISP program is run-nable efficiently.
著者
中村 和雄
出版者
沖縄大学
雑誌
地域研究 (ISSN:18812082)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.3-8, 2005-06-30

毎年、沖縄大学構内のホルトノキに集まって鳴くクマゼミの鳴き声の騒音レベルを知るため、大学構内の3箇所のホルトノキに集まるクマゼミのそれぞれに標識再捕法を適用した。 その結果、Bailey法によって推定された雄個体数は、7月上旬から増加し始めて、中旬にピークに達した後、減少して、8月上旬には終息した。鳴き声のレベルの季節変動は、クマゼミが集まる3箇所のうち2箇所でほぼ雄個体数の変動に近似したが、1箇所では雄がほとんど終息したはずの8月上〜中旬でも相当高いレベルが見られた。この違いは、個体数の推定は12-15時に行ったのに、鳴き声のレベルの測定は7-10時に行ったことに起因すると考えられる。すなわち、クマゼミの雄は朝と昼で集まる場所を変更している可能性が考えられる。 音源から距離を変えてレベルの変化を測定した結果、7m離れると音源の約半分のレベルに減少し、27mでは0になった。 以上のことから、沖縄大学構内に集まるクマゼミの鳴き声は、7月中の午前中は騒音レベルが高いが、20m以遠ではほとんど問題にならないことが予想される。今後、学生や周辺の住民がクマゼミの鳴き声をどの程度、騒音として感じているかを知る必要がある。