著者
中村 真樹 井上 雄一
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.11-20, 2014-02-01 (Released:2015-02-27)
参考文献数
45

ナルコレプシーは, 視床下部に存在するオレキシン神経の脱落・変性がその病態の中心にあることが確認されて以来, これを視野に入れた多くの脳機能・形態画像研究がなされている。情動脱力発作を伴うナルコレプシーのPET/SPECTによる機能画像研究では, 安静覚醒時においては視床下部をはじめ広範囲での脳血流低下・代謝低下が示唆されており, 一方, 情動脱力発作時には帯状回や扁桃体での局所的な血流増加が確認されている。また, fMRIを用いた研究では, 情動脱力発作時の視床下部の活動低下と扁桃体の過活動が報告されている。一方で, 構造画像研究であるVBMでは一貫した結果を得るにはいたっておらず, この理由として, MRIの撮像条件や, 解析プログラムの精度が影響している可能性が指摘されている。しかし, DTI拡散テンソル画像を用いた構造画像研究では, 情動脱力発作に扁桃体が重要な役割を果たしている可能性が示唆されている。
著者
河原 芳和 中村 真樹子 阪上 泉
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.827-832, 1999-12-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1

「無添加」ハムの品質の安定性向上を目的として,亜硝酸塩を添加しない塩漬液に2~3週間塩漬したハムを製造し,塩漬液と製品の理化学的および微生物的検査を行ったところ,次のような知見が得られた.(1) 亜硝酸塩無添加の塩漬液は塩漬前半は低温菌,後半は乳酸菌を中心に亜硝酸塩添加塩漬液に比べ菌数が高く,その影響を受けやすい.(2) 塩漬液の最終pHと製品の歩留まりの間に相関があり,塩漬液pHは製品の品質を予測する重要な指標となる.(3) Leuconostocを塩漬液に加えるとpHと製品の歩留まりが低下するが,Lactobacillus添加の影響は小さい.(4) 亜硝酸塩無添加塩漬液にはB.thermosphacta,グラム陽性球菌,グラム陰性桿菌,乳酸球菌,乳酸桿菌,など多様な菌種が存在するが,乳酸菌を添加すると加えた菌属と酵母を除き抑制される.
著者
中村 真樹
出版者
長崎純心大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、自閉スペクトラム症(研究開始時は広汎性発達障害、以下ASD)の児童と成人を対象とし、自己理解に関する調査研究及び心理劇の実践を通して、情動機能と自己の発達について検討した。その結果、ASDの情動機能と自己の発達について、(1)臨床実践及び質問紙調査等の多様なアプローチの有効性(2)定型発達との比較検討によるASDにおける自己理解の特性(3)生涯発達的観点による支援の重要性(4)心理劇による支援の有効性が示された。