著者
杉田 馨 中洲 俊信 山内 康晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.466, pp.41-44, 2010-03-05

博物館や美術館などミュージアムの展示支援を目的とした実空間拡張型展示ガイドシステムを提案する.展示室に設置された展示物を起点とし,鑑賞者の興味に応じて対話的に解説を提示することや,展示室の空間的な制約に縛られずその場でさまざまな関連情報を提示することで,鑑賞者に新たな発見を促すことが本システムの狙いである.本システムはタッチパネル付ディスプレイと筐体背面にビデオカメラを備え,ビデオカメラで撮影した展示室の実景をディスプレイに表示するとともに,鑑賞者の操作に応じて実景内に含まれる展示物に関連するミュージアムの収蔵品や解説情報を実景映像に重畳して表示する.展示システムの設置位置から展示室のほぼ全ての方向の展示物をガイド対象とできるように,鉛直軸を中心に手動で筐体の向きを変更できる.本システムは東芝科学館の歴史的な家電製品を展示している展示室に試験的に設置した.
著者
中洲 俊信 チャンドラシリ N.P. 苗村 健 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.632, pp.7-12, 2005-01-20

筆者らは, 誰でも「対象人物の雰囲気をうまく表現した似顔絵」を作成できるようなシステム作りを目指して, 対話型GAを用いた似顔絵作成システムの実装に取り組んでいる.一般に, 対象人物の印象に影響を与える大きな要因の一つに「髪型」が挙げられる.しかしながら, 似顔絵作成システムに関する従来研究では, 個人差が大きく扱いが困難であるという理由から, すでに用意しておいた髪画像を用いたり対象人物の写真を加工したりすることで簡易的に髪を表現するものが多かった.本論文では, 対話型GAを用いた似顔絵作成システムへの導入に向けて, 数個のパラメータで構成される髪モデルを考案した.まず, 髪を複数のカテゴリーに分割し, 髪型集を参考に, 各カテゴリーについて高い頻度で出現する髪要素を選び出した.それらをもとに髪モデルの設計を行い, 表現力についての検討を行った.
著者
大内 一成 小林 大祐 中洲 俊信 青木 義満
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.12, pp.941-951, 2017-12-01

近年,スポーツ界ではICTを活用したトレーニング,戦術分析の導入が進んでおり,画像認識技術を用いた試みも行われているが,ラグビーでは試合に出場する選手の数が1チーム15人と多く,接触/密集プレーが頻繁に発生するため,画像による分析は技術的にハードルが高く,これまで積極的に取り組まれていない.筆者らは,特徴量設計方式によるボール検出/追跡と,ディープラーニング方式による選手検出/追跡を行うハイブリッド型映像解析により,一つのカメラ映像からボール/選手の移動軌跡を精度良く二次元フィールド上にマッピングする技術を開発した.また,ディープラーニングによる自動的なプレー分類を行い,これまで人手で行われていた主要プレーのタグ付け作業の自動化を検討した.本技術は,ラグビーに限らず様々なスポーツへの活用が可能である.
著者
中洲 俊信 チャンドラシリ N.P. 苗村 健 原島 博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.779-788, 2007
被引用文献数
5 3

A caricature can express an artist's impression of the target face.We propose an interactive facial caricature drawing system "NIGAO".Our aim is to create a system that can be used by anyone to synthesize a caricature with one's impression of the target face.NIGAO has two modes:"selection and adjustment of facial parts mode",in which the user can directly manipulate the location or geometry of facial parts,and "interactive genetic algorithm (IGA) mode",in which he or she can use [facial characteristics from] a group of caricatures to influence her desired caricature by selecting some of them as the dominant genes.Users can switch between modes when needed.We let 15 users imagine the faces of two famous people and synthesize their caricatures using NIGAO.Results of this experiment show that a caricature synthesized using the latter mode after using the former mode reflects the artist's impression of the target face better than caricatures synthesized using only the former mode.These results also demonstrate the effectiveness of NIGAO's interface for synthesizing caricatures.