著者
川崎 寛也 赤木 陽子 笠松 千夏 青木 義満
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.334-341, 2009-10-20
被引用文献数
2

本実験では,サーモグラフィ動画像の自動色分解処理技術を用い,中華炒め調理における具材及び鍋の温度変化を詳細に把握するための新規システムを構築し,プロ調理と家庭調理の比較によりあおり操作の調理科学的意義を考察した。さらにあおり操作の回数も自動取得した。回鍋肉(豚肉とキャベツの味噌炒め)調理を例とし,サーモ動画像と可視動画像を同時に取得した後,サーモグラフィの動画像から鍋領域と具領域を分離して鍋と具材の表面平均温度を経時的に把握した。終点具材温度に家庭調理とプロ調理では大きな差が見られなかった。プロ調理では,あおり操作が定期的連続的に行なわれているのに対し,家庭調理では不定期であった。各あおり操作の前後におけるプロ調理の具材温度上昇は家庭調理よりも大きい傾向があった。鍋温度はプロ調理では家庭調理よりも顕著に大きく上昇した。本システムにより,動きを伴うプロの炒め調理においても,具材や鍋の平均温度変化を計測する事ができた。
著者
皆川 泰代 山本 淳一 青木 義満 檀 一平太 太田 真理子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2019-06-26

本研究は自閉スペクトラム症(ASD)を主とする発達障害のリスクを持つ乳児と定型発達児を対象として,新生児期,月齢3ヶ月時期から3,4歳までの脳機能,知覚・認知機能,運動機能を縦断的に計測するコホート研究である。特に言語コミュニケーションに障害を持つASDリスク児と定型児の発達過程を比較することで,言語やコミュニケーション能力の獲得における脳,認知,運動の機能発達の関係性,発達障害を予測する生理学的,行動学的因子の2点を解明する。これまでの研究で非定型発達の脳機能結合特性等を明らかにする等,成果をあげたが,本研究は,貴重な本リスク児コホートを継続追加し,より詳細な検討を行うための研究である。
著者
青木 義満 橋本 周司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.573-582, 1999-04-25
被引用文献数
27

マン・マシンインタフェースにおける擬人化エージェントや, 映像エンターテイメント分野, 医療分野等さまざまな分野において, 人物の顔形状モデルを用いて顔画像を合成する研究がなされている. その中でも顔の物理的なモデリングの手法は, 自然な表情合成が可能なだけでなく, 筋肉の挙動に対する表情変化をシミュレートできるという利点があり, 既にいくつかのモデルが提案されている. 本論文では, 頭部の3次元CTデータから顔表面及び骨格形状データを取得し, 解剖学的な知見を基に皮膚・表情筋のモデリングを行うことで作成した, 正確な形状とリアルな表情生成機構をもった物理モデルを提案する. また, このモデルを用いた表情生成実験を通して, 表情筋の収縮とそれにより生じる顔面変形との対応関係を調べた. また, 解剖学的に精巧であるというモデルの特性を生かし, 医学的な応用を検討する.
著者
秋本 直郁 林 昌希 秋月 秀一 青木 義満
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.84, no.12, pp.1033-1040, 2018-12-05 (Released:2018-12-05)
参考文献数
20

In this paper, we address the problem of performing natural paste synthesis by color adjustment and image completion, in order to solve the completion problem that can specify an object appearing in a completion area. We propose a synthesis network that can extract the context features of the input image and reconstruct an image with the feature, making the inserted object appear in the completion region. In addition, we propose a ingenious method to make input images and learning method using Generative Adversarial Network (GAN) that do not require collection of high cost learning data. We show that color adjustment and image completion based on context features are executed at the same time, and natural pasting synthesis can be performed by using these proposal methods.
著者
長崎 好輝 林 昌希 金子 直史 青木 義満
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.263-268, 2022-03-05 (Released:2022-03-05)
参考文献数
10

In this paper, we propose a new method for audio-visual event localization 1) to find the corresponding segment between audio and visual event. While previous methods use Long Short-Term Memory (LSTM) networks to extract temporal features, recurrent neural networks like LSTM are not able to precisely learn long-term features. Thus, we propose a Temporal Cross-Modal Attention (TCMA) module, which extract temporal features more precisely from the two modalities. Inspired by the success of attention modules in capturing long-term features, we introduce TCMA, which incorporates self-attention. Finally, we were able to localize audio-visual event precisely and achieved a higher accuracy than the previous works.
著者
笠井 誠斗 秋本 直郁 林 昌希 青木 義満
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.1102-1109, 2019-12-05 (Released:2019-12-05)
参考文献数
15

In this paper, a novel setting is tackled in which a neural network generates object images with transferred attributes, by conditioning on natural language commands. Conventional methods for object image transformation have used visual attributes, which are components that describe the object's color, posture, etc. This paper builds on this approach and finds an algorithm to precisely extract information from natural language commands, which transfers the attributes of an image and completes this image translation model. The effectiveness of our information extraction model is experimented, with additional tests to see if the change in visual attributes is correctly seen in the image.
著者
大木 美加 秋月 秀一 ブロー バティスト 青木 義満 鈴木 健嗣
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.206-215, 2020-09-30 (Released:2020-09-30)
参考文献数
33

By leveraging the large-scale interactive floor projection system installed in a special-needs school gymnasium (FUTUREGYM), we aim to support youths with special needs in the acquisition of proper working procedures when cleaning the floor. The trajectory of a mop can be visualized by floor projection after or during the cleaning session. In order to manipulate tools for cleaning, the ability of spatial perception and coordinated movement is necessary, which is sometimes difficult for people with Neurodevelopmental disorders (ND). Here, we verified three different kinds of floor projection methods to give feedback of the trajectory of the mop, which is generated according to the position of both the person and the mop.
著者
川崎 寛也 赤木 陽子 笠松 千夏 青木 義満
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.334-341, 2009 (Released:2015-01-23)
参考文献数
13

本実験では,サーモグラフィ動画像の自動色分解処理技術を用い,中華炒め調理における具材及び鍋の温度変化を詳細に把握するための新規システムを構築し,プロ調理と家庭調理の比較によりあおり操作の調理科学的意義を考察した。さらにあおり操作の回数も自動取得した。回鍋肉(豚肉とキャベツの味噌炒め)調理を例とし,サーモ動画像と可視動画像を同時に取得した後,サーモグラフィの動画像から鍋領域と具領域を分離して鍋と具材の表面平均温度を経時的に把握した。終点具材温度に家庭調理とプロ調理では大きな差が見られなかった。プロ調理では,あおり操作が定期的連続的に行なわれているのに対し,家庭調理では不定期であった。各あおり操作の前後におけるプロ調理の具材温度上昇は家庭調理よりも大きい傾向があった。鍋温度はプロ調理では家庭調理よりも顕著に大きく上昇した。本システムにより,動きを伴うプロの炒め調理においても,具材や鍋の平均温度変化を計測する事ができた。
著者
大内 一成 小林 大祐 中洲 俊信 青木 義満
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.12, pp.941-951, 2017-12-01

近年,スポーツ界ではICTを活用したトレーニング,戦術分析の導入が進んでおり,画像認識技術を用いた試みも行われているが,ラグビーでは試合に出場する選手の数が1チーム15人と多く,接触/密集プレーが頻繁に発生するため,画像による分析は技術的にハードルが高く,これまで積極的に取り組まれていない.筆者らは,特徴量設計方式によるボール検出/追跡と,ディープラーニング方式による選手検出/追跡を行うハイブリッド型映像解析により,一つのカメラ映像からボール/選手の移動軌跡を精度良く二次元フィールド上にマッピングする技術を開発した.また,ディープラーニングによる自動的なプレー分類を行い,これまで人手で行われていた主要プレーのタグ付け作業の自動化を検討した.本技術は,ラグビーに限らず様々なスポーツへの活用が可能である.
著者
川崎 寛也 赤木 陽子 笠松 千夏 青木 義満
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1029, 2009

<BR>【目的】中華炒め調理は、鉄製の中華鍋を用いた高温短時間加熱にあおり操作が加わり、一般人には制御が難しい技術である。我々は、中華炒め調理中の鍋温度、具温度の経時変化を赤外線サーモ動画像により取得するシステムを構築した。本研究では、中華炒め調理中の温度変化に及ぼすあおり、攪拌操作の影響を知るために、熱画像と可視画像から得られた特徴量の有効性を検討した。<BR>【方法】調理専門者(中国四川料理店料理長)に回鍋肉(豚肉200g、キャベツ300g、ピーマン40g、長ネギ30g、市販合わせ調味料)を調理してもらい、赤外線サーモグラフィ(TVS-500、Avio社製)により熱動画像と可視動画像を撮影した。画像の炒め領域から以下3通りの解析を行った。(1)鍋底領域と縁領域を指定して温度変化を取得し、(2)鍋、お玉の動き、具の重心の動きをグラフ化、(3)鍋に占める具面積の時間的推移を求めた。さらにあおりのみでお玉を使用しないモデル調理を行い、温度変化を比較した。<BR>【結果】(1) あおり前後では鍋底、縁、具すべて温度変化が大きく、領域別温度変化のタイミングは鍋縁領域、具、底領域の順に高温となった。(2)鍋とお玉の動きは交互に現れた。具はあおり時に大きく移動し、続くお玉による攪拌により、常に動いている状態であった。(3)鍋における具の占有率は、あおりにより下がり、お玉による炒めで上昇した。あおりのみでお玉を使用しない調理では、調理途中の具温度のばらつきが大きく、仕上がり温度も低かった。中華炒め調理におけるあおり操作は高温の鍋縁に具を移動させ、焦げる前に反転させる役割、お玉はあおりによりかたまった具を広げ、高温の鍋底に接触させて温度を上昇させる役割であることが本システムを活用することで明らかになった。
著者
加藤 直樹 箱崎 浩平 田靡 雅基 古山 純子 里 雄二 青木 義満
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.1117-1124, 2017-12-05 (Released:2017-12-05)
参考文献数
25

This paper proposes a novel approach for video-based person re-identification that exploits deep convolutional neural networks to learn the similarity of persons observed from video camera. By Convolutional Neural Networks (CNN), each video sequence of a person is mapped to a Euclidean space where distances between feature embeddings directly correspond to measures of person similarity. By improved parameter learning method called Entire Triplet Loss, all possible triplets in the mini-batch are taken into account to update network parameters at once. This simple change of parameter updating method significantly improves network training, enabling the embeddings to be further discriminative. Experimental results show that proposed model achieves new state of the art identification rate on iLIDS-VID dataset and PRID-2011 dataset with 78.3%, 83.9% at rank 1, respectively.
著者
青木 義満 河内 まき子 持丸 正明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.83, pp.73-78, 2009-06-08

我々に身近な製品の多くは,携帯電話やマウス,カメラ等に代表されるようにその多くが手で操作するインタフェースを備えている.このことから,特に"手"に着目し,手の機能のあり得る個人差を再現した上で,製品との相互作用を模擬して操作性を仮想評価できるコンピュータ上の手モデル(Digital Hand)技術への期待は大きい.この仮想評価においては,実際の手寸法計測データに基づき様々な大きさの手を自動生成する技術,及びモノをどのように掴もうとしているかを把握する技術(把持姿勢推定)が重要である.従来,前者は専門家による直接計測や高価な計測装置を用いてデータ収集を行っており,多くの手部寸法データを得るには多大な労力を要した.また,把持姿勢の推定については,モノや手に多くのマーカを付加してモーションキャプチャで手の姿勢と各関節の曲がり方などを計測する方法があるが,装置が大がかりで高価であり,データの取得が容易でなかった.本論文では,これらの課題を解決すべく,画像計測によって手軽に手部寸法を簡単に得ることのできる手部寸法画像計測システム,及び多眼カメラとDigital Handモデルを用いたモデルベースの把持姿勢推定手法を提案する.手部寸法画像計測システムにおいては,汎用のイメージスキャナを用いて平面的な手部寸法を計測し,手の厚みや周囲長といった立体的な寸法を,画像計測結果と実寸法データベースを用いた回帰分析により推定する.提案システムの概要と寸法計測精度について述べる.また,手部寸法データから構築したDigital Hand Modelと多眼カメラによる画像計測によって把持姿勢を推定する試みについて紹介し,将来的な展望を述べる.