著者
中田 行彦
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織学会大会論文集 (ISSN:21868530)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.155-161, 2021 (Released:2021-08-21)
参考文献数
14

The use of EVs is accelerating around the world because CO2 emissions are zero while driving. However, considering the life cycle, the “inconvenient truth” that the decarbonization effect of EV is limited emerges. In addition to analyzing the organizational behavior of companies toward this “inconvenient truth,” the “inconvenient truth” were examined and considered new issues. The CO2 emissions seen from the life cycle of the automobile were estimated from the standpoint of a third party using published data. As a result, it was verified that “the decarbonization effect of EV is limited.” The most important issue is that “EVs need to significantly reduce CO2 during storage battery manufacturing.” For that purpose, it is necessary to improve the manufacturing process, materials, and structure of Lithium-Ion Battery (LIB). In addition, “promoting renewable energy” is an essential condition for decarbonization in all industries and products. In order to achieve decarbonization, it is essential to face the “inconvenient truth” and challenge and overcome it.
著者
中田 行彦
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.34-37, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

イノベーションの創出のためにはリスクマネーの供給が必要である。このリスクマネーの供給源の一つが、主に政府の出資等により設置されたのが「官民ファンド」である。その一つである産業革新機構が、出資し3社の中小型液晶事業を統合しジャパンディスプレイ(JDI)が設立された。しかし、JDIは頓挫し、当初も技術流失防止の目論見から外れ、台中連合の金融支援で生き残ろうとしている。「官民ファンド」は、JDIの事例のほか、シャープへの出資、ルネサスの経営陣交代、産業革新機構の組織脱皮等で失敗を繰り返している。これらの事例から「官民ファンド」の功罪を分析した。
著者
小林 和也 中田 行彦
出版者
京都大学数理解析研究所
雑誌
数理解析研究所講究録 (ISSN:18802818)
巻号頁・発行日
no.2032, pp.34-37, 2017-06

本稿では、SNS(ソーシャルネットワークサービス)の流行を記述する数理モデルのダイナミクスを考察する。SNSの流行モデルは、SIR型感染症モデルを基に、非線形な常微分方程式で定式化されており、その解挙動も類似なものとなっている。解の極限が満たす方程式(最終規模方程式)を導出する。この最終規模方程式を解析すると、最初期にSNSの利用や参加に消極的な人口の数が少ないほど、最終的にSNSの利用を止めたユーザー数は多くなることが示される。
著者
中田 行彦
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.93-96, 2015

不特定多数のクラウド(群集)がイノベーションの中心者となる新しいイノベーションを、「クラウドイノベーション」と名づけて提案した。「クラウドファンディング」,「クラウドソーシング」等を活用することによりイノベーションを促進できる。今回は、世界最大のクラウドファンディング「キックスターター」の事例を分析した。キックスターターにおいて、2014年に22252プロジェクトが資金を得た。技術分野は、1124件と全体件数の5.0%であるが、125百万ドルと出資総額529百万ドルの23%を占める。技術分野は1件あたり11万ドルと1件あたり出資額が大きくイノベーション促進に寄与している。クラウドファンディングは、長所は多いが課題もある。