- 著者
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中西 宣文
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
- 雑誌
- 臨床リウマチ (ISSN:09148760)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.2, pp.106-112, 2012-06-30 (Released:2015-10-02)
- 参考文献数
- 25
結合組織病に合併する肺高血圧症は,病態は多くの点で特発性肺動脈性高血圧症と類似し,このため改訂版肺高血圧症臨床分類(ダナポイント分類)では第1群:肺動脈性高血圧症の項にConnective tissue disease-PAH(CTD-PAH)の名称で分類されている.しかしCTD-PAHは特発性肺動脈性高血圧症に比して予後が不良であることや,本症の肺高血圧の成因には結合組織病自身の病態に加え,左心系疾患による肺高血圧症,肺疾患による肺高血圧症,慢性血栓塞栓性肺高血圧症などの要素を含む極めて複雑な病態を持つことが判明してきた.CTD-PAHの治療には,現在は基本的には特発性肺動脈性高血圧症の治療指針に準じて本症に特異的な治療薬が用いられている.しかしわが国ではこれに加え免疫抑制剤を組み入れた治療指針が提案され,その有効性が検証されつつある.