著者
畑江 敬子 中谷 圭子 福留 奈美 島田 淳子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.155-162, 1999-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

旧本人とフランス人の食物に対するおいしさの評価基準の違いを客観的に表すために, 前報のアンケートの結果に基づいて官能検査を行った.パネルは野菜 4 種, パスタ 2 種, 焼き物 3 種, 飯 4 種について, 加熱時間を 5~6 段階に変えた試料の好ましさをそれぞれ評価した.日本人パネルは野菜の緑色を重視し, 加熱時間の短い硬めのものを好んだ.フランス人パネルは加熱時間の長い軟らかめの野菜を好む傾向にあった.焼き物の焦げ色の強いものをフランス人パネルは好む傾向にあった.飯の色とテクスチャーに対する好みは, 日本人パネルとフランス人パネルでは全く異なった.いずれの場合も日本人パネルの好みは特定の試料に集中し, フランス人パネルの好みは広範囲に分布した.
著者
中谷 圭子 松元 文子 桜井 芳人
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.201-206, 1974-06-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
6

前報につづいて醤油が加熱調理食品をかたくする原因を追求するため, 大豆を用いて, 醤油中に含まれる化学成分の影響を調べた.その結果を要約すると, 1) 醤油に含まれる有機酸16種はいずれも, 加熱処理大豆をかたくし, その程度は酸の種類によってことなる.また, アミノ酸の中では酸性アミノ酸のグルタミン酸とアスパラギン酸が大豆をかたくした.一価のイオンの食塩と塩化カリウムは水処理のものよりやわらかく, カルシウム, マグネシウム, 三価の鉄の各塩化物溶液は逆の結果となった.2) 上記のアミノ酸および有機酸0.1モル濃度を含む5g/dl食塩濃度の醤油水で大豆を加熱処理すると, 同醤油水のみで処理した大豆のかたさの約1.5~2倍のかたさを示した.また, 食塩濃度5g/dlの醤油液あるいは同食塩濃度の緩衝液をベースにして, 乳酸, コハク酸および酢酸を溶かした各溶液で加熱処理した大豆は, 前三者の水溶液の場合より, やわらかく, 酸の添加量による影響は小さかった.
著者
中谷 圭子 松元 文子 桜井 芳人
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.195-200, 1974-06-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
14

醤油が加熱調理品をかたくする現象を官能検査と物理的測定 (カードメーター) によって確かめ, その原因を追求した.その結果はつぎのように要約される.1) 醤油水と食塩水とで加熱処理した大豆, 大根およびじゃがいもはいずれも食塩濃度18g/dlまでの範囲で醤油水処理の方が, 食塩水処理のものよりかたくなった.2) 醤油中の主成分 (食塩, アミノ酸および有機酸) の組合わせによって調製した溶液で大豆を加熱処理すると, そのかたさは (アミノ酸+有機酸) 液>有機酸液>アミノ酸液> (食塩+アミノ酸+有機酸) 液>水> (食塩+有機酸) 液>醤油水> (食塩+アミノ酸) 液>食塩水であった。これにより, 加熱調理の際食塩はやわらかくする性質を, また有機酸およびアミノ酸はかたくする性質があり, 有機酸はアミノ酸より大きな影響を与えると考えられる.
著者
谷澤 容子 中谷 圭子 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.375-381, 2002-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

A survey on contemporary daily cooking in France was carried out in Strasbourg (Alsace) to better understand the current diet in France and the constituents used in daily dishes. The results were obtained from 121 French women ranging in age from the 20 s to 60 s. About 70% of the subjects ate bread at breakfast, mostly with both butter and jam. Some ate cereals, biscuits or cakes for breakfast, while coffee was drunk by most of them, and tea by some. Fruit, egg dishes, ham and dairy products were eaten by some subjects, although not very often. Beef, pork and other types of meat were eaten at lunch, almost always accompanied by cooked potatoes. Salad, fruit and dessert were frequently eaten at lunch and dinner, while soup and cheese were more often served at dinner than at lunch. Instead of beef and pork dishes, sausages and ham were usually served at dinner. The average number of dishes was three to four both lunch and dinner. In addition, the number of dishes served at lunch was more than that served at dinner.