著者
久野 和子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.296-313, 2011

本稿は,日本の学校図書館について,アメリカで注目されている「場としての図書館」研究を導入し,実証的な検討を行った初めての試みである。学校図書館という場を包括的,多元的に考察することによって,子どもたちの学びや学校生活の中で果たすべき場としての学校図書館の役割と機能の一端を示すことを目的とする。先行研究として塩見の「ひろば」論などをふまえた上で,オールデンバーグの「第三の場」を主要な概念的枠組みとして採用し,検討する。そして,学校図書館が「第三の場」の空間を包摂しうることを実証的に明らかにした上で,その教育的意義を,ボルノウの教育論,パットナムの社会関係資本論,生涯学習論に基づいて提示する。
著者
久野 和子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.296-313, 2011-11-01 (Released:2017-05-24)
被引用文献数
1

本稿は,日本の学校図書館について,アメリカで注目されている「場としての図書館」研究を導入し,実証的な検討を行った初めての試みである。学校図書館という場を包括的,多元的に考察することによって,子どもたちの学びや学校生活の中で果たすべき場としての学校図書館の役割と機能の一端を示すことを目的とする。先行研究として塩見の「ひろば」論などをふまえた上で,オールデンバーグの「第三の場」を主要な概念的枠組みとして採用し,検討する。そして,学校図書館が「第三の場」の空間を包摂しうることを実証的に明らかにした上で,その教育的意義を,ボルノウの教育論,パットナムの社会関係資本論,生涯学習論に基づいて提示する。
著者
久野 和子 川崎 良孝 吉田 右子
出版者
神戸女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、21世紀に入って評価が高まっている「場としての図書館」の価値とその展開を歴史的、実証的に解明している。すなわち、欧米の学際的、先進的な「場としての図書館」の先行研究と国内外における公立図書館、学校図書館、児童図書館における広範な実地調査、資料収集に基づいた統合的な研究である。これからの日本の図書館は、利用者の情報交流、生涯学習、市民活動、社会関係資本、豊かな日常生活を効果的に創出・支援できる「第三の場」となるべきことを提言した。
著者
川崎 良孝 吉田 右子 小林 卓 三浦 太郎 呑海 沙織 安里 のり子 久野 和子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は19世紀中葉から21世紀にいたる図書館の歴史的展開を、新たな視点で解明している。「サービスの提供」という基本的価値に、1960年代から「資料や情報へのアクセスの保障」と「図書館記録の秘密性の保護」という価値が加わり、これらの3つの価値は思想的、実践的に20世紀末に向けて深められていった。しかし21世紀に入り、「アクセスの保障」と「秘密性の保護」という価値は、社会や技術の変化を受けて揺らぐとともに、それらを意識した図書館の理論や実践が生まれている。本研究は広範な一次資料の発掘や実践の研究を通じて、こうした歴史的展開を実証的に解明し、一般図式を提供した。
著者
久野 和子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.268-285, 2014-11-01

「場としての図書館」研究は,「利用者の生活」という下からの視点と,現在学術的,社会的に注目されている「場」という研究課題を得たことによって,学際的な新しい研究方法と批判的な解釈を展開することとなった。本稿は,同研究の研究意義,研究方法,特色について,具体的な概念や研究例をあげて検討し,その高い学術的価値を明らかにする。方法論として,人文地理学,カルチュラル・スタディーズ,エスノグラフィー,批判的実証主義,そして研究の枠組みとして,「第三の場」「社会関係資本」などを取り上げる。
著者
久野 和子
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.268-285, 2014

「場としての図書館」研究は,「利用者の生活」という下からの視点と,現在学術的,社会的に注目されている「場」という研究課題を得たことによって,学際的な新しい研究方法と批判的な解釈を展開することとなった。本稿は,同研究の研究意義,研究方法,特色について,具体的な概念や研究例をあげて検討し,その高い学術的価値を明らかにする。方法論として,人文地理学,カルチュラル・スタディーズ,エスノグラフィー,批判的実証主義,そして研究の枠組みとして,「第三の場」「社会関係資本」などを取り上げる。