- 著者
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二宮 皓
石井 明
森泉 豊栄
江藤 一洋
長谷川 淳
谷口 吉弘
木村 裕
- 出版者
- 広島大学
- 雑誌
- 特別研究促進費
- 巻号頁・発行日
- 2001
本研究はポスト留学生10万人計画において、どのような留学生施策を講ずるべきかについて、諸外国における動向も参考にしながら、調査研究を行ってきたものである。途上国支援、途上国の人材育成支援、あるいは平和・親善友好の増進、などの留学生政策目標をレビューし、本研究では、わが国の国際競争力、とりわけ大学の国際競争力や研究力を著しく改善するための留学生政策・施策のあり方を中心とする研究とすることとした。そこで優れた大学において大学院を担当する教授を文橡とし、そうした観点から「優れた留学生」の特性(能力・資質)や属性に関する意見を調査し、どうすれば「優れた留学生」をひきつけることができるか、について研究してきた。また大学院で学ぶ留学生自身の優秀性に関する自己評価などに関する調査を行った。その結果、わが国も、留学生政策・施策を「戦略的」に構想する必要があり、ある意味でODA型留学生交流の推進に加えて、ODAを超えたわが国の国際競争力を高める留学生交流のための特別な施策を講ずる必要があることを明らかにしている。また同時に「質の高い留学生受入れ」という観点から留学生の満足度を規定する要因についての分析も行い、顧客ニーズに応える質の高い留学生受入れ施策のあり方を研究してきた。こうした成果をまとめて報告書で公開すると同時に、平成15年12月6日には、東京で「21世紀の留学生戦略シンポジウム」を開催し(200名以上の参加者)、中央教育審議会留学生部会中間報告を基礎とする基調講演をお願いし、パネルディスカッションとして、21世紀の留学生戦略について討議を行った。そうした一連の研究や成果の公開活動をふまえて、「21の提言」として留学生施策における戦略的方策に対する総合的な提言を行った。主としてODA事業や高等教育における留学生施策の意義や役割をふまえた提言、留学生の生活支援や教育・研究活動に関する提言、教育の貿易という観点からみた留学生施策の戦略に関する提言などを行った。