著者
五十嵐 弘樹 沼田 靖 田中 裕之
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.235, 2015 (Released:2015-10-20)

現在、食品廃棄物の再利用を進めるために付加価値のある物を抽出、生産する検討がなされている。糖は食品廃棄物中に多く含まれており、化粧品の原料や機能性を持つ糖を抽出、回収する試みが行われている。そのプロセスにおいて抽出物の定量分析をその場で行う必要がある。糖の分析には高速液体クロマトグラフィーが用いられている。しかし、この方法では糖の種類により異なるカラムを選択する必要がある。そこで、その場でも適応できるより簡便な糖の定量分析法の開発が望まれる。その方法としてラマン分光法に着目した。本研究では、同一分子量の糖の定量分析を確認するためにグルコースとその立体異性体であるガラクトース、及びマンノースの同定と定量を行った。得られたラマンスペクトルは各単糖によって異なっていた。また、得られたピークから作成した各単糖の検量線は良好な直線性を示し、ラマン分光法による定量が可能であると考えられる。
著者
石崎 廣 五十嵐 弘道 荒井 頼子 蒲地 政文 石川 洋一 齊藤 誠一
出版者
Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University
雑誌
Memoirs of the Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University (ISSN:24353361)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.1-31, 2021-12

When a histogram-based method for front detection was applied to the sea surface temperature (SST) and chlorophyll-a (CHL) data by ‘Himawari’ and ‘Shikisai’ (GCOM-C) satellite, the obtained frontal patterns were scale-selective, corresponding to the window scales (W). On this basis, the optimum initial smoothing condition as the data preprocessing was searched for, that maximizes the frontal edge point detection rate to the given W. As the smoothing filter, the median filter (MF) and the Gaussian filter (GF) were used solely or co-used. As the result, it was found that the frontal edge point detection rate was maximized when the original data were smoothed until the scale of about a half of W, that is, when the disturbances with the scales less than about a half of W were removed, for the low-latitude SST data of ‘Himawari’ with the co-use of MF and GF. Namely, the optimum smoothing scale (D) that maximizes the frontal edge point detection rate is roughly proportional to W. The mean values (Rm) of the ratio of D to W (R=D/W), averaged over the practical range of W for various data and regions, fall in a range 0.3 < Rm < 0.5.
著者
渡辺 哲郎 五十嵐 弘 松本 邦臣 関 誠夫 間瀬 定明 関沢 泰治
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.291-296, 1977-08-20
被引用文献数
11

新規なタイプのイネいもち病防除剤につき研究したところ有効なプロベナゾール(オリゼメート^[○!R], 3-allyloxy-1, 2-benzisothiazole-1, 1-dioxide)を水銀, 燐, 塩素を含まない物質として見いだした.本物質は400ppm液としてイネに散布することにより予防的効力を発揮する.またイネの根を経由する適用法であるところの土壌処理, 土壌灌注, 薬液への浸根あるいは水面施用のいずれによっても有効であった.とくに興味あることは根を通じての施用法の場合に10アール当たり200g以下というかなり少ない薬量で十分な薬効を発揮することである.このことは本物質がこれらの施用法による利用にきわめて適しているものと考えられた.これに反し母核である1, 2-benzisothiazole-1, 1-dioxideは散布法あるいは灌注法においてプロベナゾールよりはるかに劣り, 誘導体としたことによる有利性が認められた.なお, プロベナゾールの数種作物の生育に対する悪影響は各種施用ルートにより試験されたが, 実用上の薬量ではまったく認められなかった.
著者
坪井 誠司 園田 朗 華房 康憲 石川 洋一 長谷 英昭 齋藤 秀亮 佐藤 孝子 福田 和代 田中 克彦 五十嵐 弘道 丸山 正 今脇 資郎
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
JAMSTEC Report of Research and Development (ISSN:18801153)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.43-51, 2014 (Released:2014-11-18)
参考文献数
13
被引用文献数
1

2009年の海洋研究開発機構第2期中期計画開始に伴って新設された地球情報研究センター(DrC)は,海洋研究開発機構の研究調査船等で取得された様々な海洋地球観測データおよび生物や岩石試料等のサンプルの公開・流通を実施してきた.これらのデータ・サンプルについては,2007年に制定された「データ・サンプルの取り扱いに関する基本方針」が,その取り扱いの基本となっている.本稿では,データ・サンプルの公開状況を概観し,第2期中期計画期間に構築されてきた,これらのデータ・サンプルを管理・公開するためのDrCのデータベースシステムの中から,JAMSTEC航海・潜航データ探索システム,深海映像・画像アーカイブス,および海洋生物多様性情報システム(BISMaL)を紹介する.さらに,教育・社会経済分野等のニーズに対応するための取り組みについて解説する.
著者
笹原 健夫 五十嵐 弘
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.495-498, 1989-12-01
被引用文献数
2

澱粉無添加区および澱粉を10,20,30,83,167gを加えた6区の還元状態の異なる土壌におけるイネの3生態種の平均出芽率および初期生長の差異を検討した.3生態種の平均出芽率および初期生長とも土壌がある程度還元状態になった状態(20g澱粉添加区)で最大値を示し,還元がさらに進行するように澱粉を加えた区で減少した.20g澱粉添加区で,どの生態種の平均出芽率および初期生長も高い値を示したのは,2-5%の酸素分圧でイネの出芽率が高まること(野口,1937;VLAMIS and DAVIS,1943)と関係していると推察される.どの澱粉添加区でも,日本型品種はインド型およびジャワ型品種よりも高い平均出芽率を示した.なお,ジャワ型品種は日本型品種およびインド型品種の中間の平均出芽率を示した.ジャワ型船種およびインド型品種より日本型品種の還元抵抗性が高いのは,日本型品種が長期にわたって水苗代の還元土壌へ播種されてきたことに対する適応によると推察した.異なる還元土壌での草丈の変動は,生態種間で差異がみられなかった.