著者
糸川 嘉則 井上 喜久子 名取 恭子 岡崎 公彦 藤原 元典
出版者
THE VITAMIN SOCIETY OF JAPAN
雑誌
THE JOURNAL OF VITAMINOLOGY (ISSN:00225398)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.159-164, 1972-09-10 (Released:2010-02-26)
参考文献数
22
被引用文献数
8 9

Six groups of Wistar rats were used to demonstrate effects of magnesium deficiencies on thiamine metabolism. Group I was fed both a thiamine and magnesium deficient diet, Group II a thiamine deficient and magnesium sufficient diet, Group III a thiamine adequate and magnesium deficient diet, Group IV a thiamine adequate and magnesium sufficient diet (control), Group V an excess thiamine and magnesium deficient diet and Group VI an excess thiamine and magnesium sufficient diet. Animals were sacrificed after four weeks and magnesium, thiamine and transketolase activities were determined in various tissues.Magnesium concentration in blood cells, plasma and bone decreased markedly in the thiamine supplemented-magnesium deficient groups (Group III and V) compared to that in the group deficient in both thiamine and magnesium (Group I). This finding suggests that the thiamine deficiency inhibited utilization of magnesium. Thiamine content of the sciatic nerve, liver and kidney of the magnesium deficient rats were lower than in the magnesium sufficient rats. This suggests that magnesium plays a considerable role in the maintenance of thiamine in tissues. No decrease of thiamine was detected in the central nervous system of magnesium deficient rats. Tissue transketolase activity decreased markedly in thiamine deficient and thiamine-magnesium deficient rats (Group I and II). Addition of thiamine pyrophosphate to tissue homogenates of thiamine deficient rats (Group II) resulted in recovery of transketolase activity, however this phenomenon did not occur when rats were also deficient in magnesium (Group I).
著者
橋詰 直孝 小林 修平 井上 喜久子 香川 芳子 川原 貴 赤岡 家雄
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
プリン・ピリミジン代謝 (ISSN:09162836)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.93-98, 1992

血清尿酸値が一過性に上昇する運動性高尿酸が激しい運動を継続すると恒久的な高尿酸血症に進行するか否かを検討する目的で長距離・マラソンランナー11名(男性,年齢20~42才)を対象に,オーバートレーニングに近い月間走り込み大会前(9月30日),直後(11月1日)2週問後(11月15日),4週間後(11月29日)の血清尿酸値を測定した.<BR>走行距離は大会前の(9月)1日9.4±2.0km,大会中(10月1~31日)1日23.2±2.5kmで大会前の約2.5倍走り込んでいる.大会2週間後1日10.4±1.5km,大会4週間後1日9.1±1.8km である.摂取エネルギーは大会前1日2893±21kcal,大会中では1日3528.1±164.5kcalで,大会前の約1.2倍摂取している.それが大会後も続いている.それにもかかわらず体重の増加は認めなかった.このことは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがとれているためである.血清尿酸値は大会直前6,1±0.2mg/dl,大会直後5.6±0.2mg/dl,大会2週間後5.4±0.3mg/dl,大会4週間後5.3±0.4mg/dlで大会前値に対して大会直後や大会後は有意に低下していた.<BR>これらの結果より,運動に見合ったエネルギーを摂取した場合,体重の増加がなく消費エネルギーとのバランスがとれていれば激しい運動を継続的に行っても恒久的な高尿酸血症に進行しないばかりか,かえって尿酸が低下することが考えられた.
著者
橋詰 直孝 小林 修平 井上 喜久子 香川 芳子 川原 貴 赤岡 家雄
出版者
一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
雑誌
プリン・ピリミジン代謝 (ISSN:09162836)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.93-98, 1992 (Released:2012-11-27)
参考文献数
13

血清尿酸値が一過性に上昇する運動性高尿酸が激しい運動を継続すると恒久的な高尿酸血症に進行するか否かを検討する目的で長距離・マラソンランナー11名(男性,年齢20~42才)を対象に,オーバートレーニングに近い月間走り込み大会前(9月30日),直後(11月1日)2週問後(11月15日),4週間後(11月29日)の血清尿酸値を測定した.走行距離は大会前の(9月)1日9.4±2.0km,大会中(10月1~31日)1日23.2±2.5kmで大会前の約2.5倍走り込んでいる.大会2週間後1日10.4±1.5km,大会4週間後1日9.1±1.8km である.摂取エネルギーは大会前1日2893±21kcal,大会中では1日3528.1±164.5kcalで,大会前の約1.2倍摂取している.それが大会後も続いている.それにもかかわらず体重の増加は認めなかった.このことは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがとれているためである.血清尿酸値は大会直前6,1±0.2mg/dl,大会直後5.6±0.2mg/dl,大会2週間後5.4±0.3mg/dl,大会4週間後5.3±0.4mg/dlで大会前値に対して大会直後や大会後は有意に低下していた.これらの結果より,運動に見合ったエネルギーを摂取した場合,体重の増加がなく消費エネルギーとのバランスがとれていれば激しい運動を継続的に行っても恒久的な高尿酸血症に進行しないばかりか,かえって尿酸が低下することが考えられた.
著者
長谷川 いずみ 井上 喜久子 石井 恵子 樋口 満
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.59-66, 2000-04-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

高校スピードスケート部に所属する男子選手8人のビタミンB1及びビタミンB2の栄養状態を評価するために, ビタミンB1及びビタミンB2の摂取量調査と, 血液によるビタミンB1及びビタミンB2の栄養状態の指標を, 1年半の間に4回 (シーズンオフ, シーズンにそれぞれ2回ずつ) 分析した。いずれの調査においても, 1日当たりの平均ビタミンB1摂取量 (1.6~2.5mg) はビタミンB1の所要量 (生活活動強度III: やや重い) を上回っていたが, 数人の男子選手はその所要量レベル (1.3mg/日) よりも低かった。何人かの選手はTDP添加効果でみると不十分なビタミンB1栄養状態であり, スピードスケートのシーズン中はその割合が増加してくる傾向がみられた。平均のビタミンB2摂取量 (1.9~2.3mg) は, どの調査でもその所要量レベル (1.8mg/日) を上回っていたが, 何人かの選手の摂取量は所要量より低かった。シーズン中は2人の選手がFAD添加効果でみると, 不適切なビタミンB2を栄養状態であった。これらの結果は, 若いスポーツ選手が良好な血中ビタミンB1及びビタミンB2栄養状態を保持するためには, ビタミンB1及びビタミンB2をそれぞれの所要量よりも多く摂取する必要があることを示唆している。また, 若い選手のビタミンB1及びビタミンB2栄養状態を改善するためには, 個人対応の食事指導が重要であると考えられた。
著者
関根 豊子 高橋 裕子 井上 喜久子 樋口 満
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.79-86, 2001-04-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
32
被引用文献数
1

本研究では, 大学女子テニス選手及び一般学生を対象に, 水溶性ビタミン (VB1, VB2, VC) の摂取状況調査と栄養状態の評価を行った。テニス選手サプリメント摂取者は, 非摂取者, 一般学生よりも有意に多くエネルギーを摂取していた。サプリメントを摂取していないテニス選手, 一般学生ともに, VB1を「第六次改定日本人の栄養所要量-食事摂取基準-」の基準量以上摂取していたが, TDP (チアミン2リン酸) 添加効果は境界域の値を示した。テニス選手サプリメント非摂取者の摂取量(mg/1,000kcal) とTDP添加効果の間には, 有意な負の相関がみられた。得られた回帰直線から, TDP添加効果が正常基準範囲の上限値 (18%) に相当する摂取量を求めると0.60mgであった。テニス選手サプリメント非摂取者, 一般学生ともに, VB2を「第六次改定日本人の栄養所要量-食事摂取基準-」の基準量以上摂取しており, FAD (フラビンアデニン2ヌクレオチド) 添加効果は正常基準範囲の値を示した。また, テニス選手サプリメント摂取者は, VB1, VB2ともに基準量を大きく上回った摂取量で, それらの栄養状態も良好であった。VCの摂取量は, テニス選手サプリメント摂取者, 非摂取者とも「第六次改定日本人の栄養所要量-食事摂取基準-」の基準量以上であったが, 一般学生は基準量をやや下回っていた。全対象者ともに血漿VC濃度は基準範囲であった。