著者
長嶺 章子 石井 恵子 石井 博子 石橋 葉子 糸日谷 章子 柴辻 純子 水村 明子 山中 和穂
出版者
学校法人 植草学園短期大学
雑誌
植草学園短期大学紀要 (ISSN:18847811)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.29-43, 2019 (Released:2019-03-28)

本稿は、短期大学保育者養成課程1年生のピアノの授業(保育の表現技術Ⅰ(音楽表現))を対象に試み た、習熟度別指導の実践報告である。この授業は必修科目であり、1クラス約50名の学生に対し、8名の教 員による個別指導を実践している。履修者の習熟度は、初学者から長期間にわたって学習している者まで多 様である。以前は、各グループ内に多様な習熟度の学生が混在するグループ編成を採用していた。この編成 においては指導時間の公平性や学習者心理への影響等において課題があった。そこで本実践では、習熟度が 同程度の学生によるグループ編成を試みた。その結果、指導時間の不平等が是正され、各自の習熟度に適し た内容で指導することが可能となった。さらに、学修上の配慮を必要とする学生に対し、より適した支援を することも可能となった。
著者
池上 幸江 大澤 佐江子 石井 恵子 本田 節子 永山 スミ子 山口 迪夫
出版者
Japanese Association for Dietary Fiber Research
雑誌
日本食物繊維研究会誌 (ISSN:13431994)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.67-74, 1998-12-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
21

本研究では,とうもろこし水溶性食物繊維(CSD)の血圧に対する影響を中高年男女と高血圧自然発症ラット(SHR)について検討した。用いたCSDは食物繊維含量が83.6%であった。 人に対するCSDの影響は,平均年齢60歳の18人の対象者に4週間,毎食59のCSDを湯又は茶に溶いて摂取させた。対象者は,収縮期血圧140mmHg以上と以下の2群に分けた。6名の軽度高血圧群では,CSDの摂取によって,収縮期血圧と拡張期血圧ともに有意に低下した。正常群では,収縮期,拡張期の血圧に対する影響は明確ではなかった。対象者の血漿脂質とインスリン値には有意な影響は見られなかった。また,軽度高血圧,正常両群ともに,血糖値は正常であった。 SHRラットには,5%CSD溶液を飲料水として投与し,コントロール群は蒸留水を投与し,固形飼料を投与して10週間飼育した。その結果,飼育開始1週目より,水投与群より5%CSD群の血圧の上昇は有意に抑制された。体重,肝臓などの臓器重量は両群に差はなかったが,消化管重量は有意に重く,脂肪組織は有意に小さかった。血清脂質,血糖値,インスリンには有意な影響はなかった。 これらの結果より,とうもろこしより精製した水溶性食物繊維には高血圧状態の改善の可能性が示されたが,臨床的な有効性については,その作用機構も含めてさらに検討が必要である。
著者
長谷川 いずみ 井上 喜久子 石井 恵子 樋口 満
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.59-66, 2000-04-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

高校スピードスケート部に所属する男子選手8人のビタミンB1及びビタミンB2の栄養状態を評価するために, ビタミンB1及びビタミンB2の摂取量調査と, 血液によるビタミンB1及びビタミンB2の栄養状態の指標を, 1年半の間に4回 (シーズンオフ, シーズンにそれぞれ2回ずつ) 分析した。いずれの調査においても, 1日当たりの平均ビタミンB1摂取量 (1.6~2.5mg) はビタミンB1の所要量 (生活活動強度III: やや重い) を上回っていたが, 数人の男子選手はその所要量レベル (1.3mg/日) よりも低かった。何人かの選手はTDP添加効果でみると不十分なビタミンB1栄養状態であり, スピードスケートのシーズン中はその割合が増加してくる傾向がみられた。平均のビタミンB2摂取量 (1.9~2.3mg) は, どの調査でもその所要量レベル (1.8mg/日) を上回っていたが, 何人かの選手の摂取量は所要量より低かった。シーズン中は2人の選手がFAD添加効果でみると, 不適切なビタミンB2を栄養状態であった。これらの結果は, 若いスポーツ選手が良好な血中ビタミンB1及びビタミンB2栄養状態を保持するためには, ビタミンB1及びビタミンB2をそれぞれの所要量よりも多く摂取する必要があることを示唆している。また, 若い選手のビタミンB1及びビタミンB2栄養状態を改善するためには, 個人対応の食事指導が重要であると考えられた。