著者
井上 拓 森山 孝男 小松 秀昭 中谷 登志男
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.47, no.SIG7(ACS14), pp.105-113, 2006-05-15

データを値の順番に並べ直すソート処理は多くのソフトウェアで使用される最も基本的な操作の1 つであり,ソート処理の高速化は多くのワークロードの性能向上に寄与する.ソート処理は基本的な操作であるため,古くから多くのアルゴリズムが提案されているが,近年の高性能な汎用プロセッサのSIMD 命令を用いて高速にソートを行うことのできるアルゴリズムはこれまで提案されていない.そこで本研究ではPowerPC アーキテクチャが持つSIMD 命令セットであるVMX を使用して,並列に処理を行うとともに分岐予測ミスの影響をなくすことで高速にソート処理を行うことのできるアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムを実装し,PowerPC 970FX プロセッサ上で評価を行い,クイックソートと比較して最大で5.6 倍の性能向上が得られることを示した.
著者
古屋 敬士 越村 俊一 日野 亮太 太田 雄策 井上 拓也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_307-I_312, 2016

今日の地震・津波観測網の充実や計算機演算性能の向上により,実際に起きた津波に対して,沿岸部到達前に浸水被害予測を行うリアルタイム津波シミュレーションが達成されている.一方,即時的に推定された断層パラメータによる津波予測には,津波波源モデルの不確実性が十分に考慮されず,予測以上の津波被害が生じる恐れがある.それを防ぐには,即時的に得られた地震情報から起こりうる最悪の津波シナリオを瞬時に予測する必要がある.本研究では地震発生直後に得られる緊急地震速報から,最悪の津波シナリオを即時推定する二段階多数津波シナリオ解析手法を構築し,その精度検証を行った.その結果,本研究で提案した手法により,緊急地震速報発表から3分程度以内で,起こりうる観測点最大津波高を平均97%の精度で推定可能であることが分かった.
著者
井上拓哉 山本邦雄 乃万司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-8, 2014-07-28

本稿では,広域での経路案内において事前に経路全体を確認したいユーザに向け,曲がる場所など経路案内する上で重要なところを拡大しつつ,重要でないところは簡略化して経路全体を示す案内地図作成システムを提案する.提案システムの特徴は,重要地点周辺を拡大した部分地図を抽出し,それらを画像として上手く貼り付け,いわば,コラージュのように組み合わせて経路全体を表示する点にある.提案システムの開発により,案内地図が上手く作成できるかを検証した.
著者
雨宮 昭一 井上 拓也 斎藤 義則 帯刀 治 熊沢 紀之 河野 直践
出版者
茨城大学
雑誌
地域連携推進研究費
巻号頁・発行日
2000

この研究の目的は、東海村臨界事故を地域社会における原子力事故危機管理の問題として総合研究するとともに、地域社会の学校教育や市民教育で活用されるべき原子力事故防災教材を開発することである。そこで参加メンバー各自が意思決定・影響評価・損害軽減・被害救済の4グループに分かれるとともに、人文社会系のメンバーはおもに総合研究を、また自然科学系のメンバーはおもに教材作成を担当した。またこの研究は、東海村および常陽地域研究センターと連携して実施された。人文社会系の研究実績としては、(1)茨城大学地域総合研究所を地域住民にとっての原子力事故情報データベースとするために、各種機関がまとめた臨界事故関連資料、海外諸国の地方政府が作成した原子力防災マニュアルなど、原子力事故や原子力問題に関する各種資料を収集した。また(2)東海村を初めとする11市町村の住民を対象にアンケート調査を実施し、原子力事故防災に関する住民の意識を分析した。そして(3)メンバー各自が、基本的には別掲した論題で、個別研究のための資料の収集・集計・分析を実施し、報告を作成した。自然科学系の研究実績としては、(1)学生や一般市民への防災意識の浸透を目的として、臨界事故の要因とその影響に関する考察、JCO事故以上の事故が起こった場合の化学的処理の方法、屋内退避や避難が必要な事故が起こった場合の対応などにつき、全4巻(各巻30分〜40分程度)の防災ビデオを作成した。また(2)一般市民や学生を対象に、「原子力施設と地域社会」と題する公開講座を実施した。また(3)モスクワ大学化学部との情報交換・研究交流を実施し、放射性物質拡散防止のための化学処理方法をはじめてわが国の土壌で試験検討した。そしてメンバー各自が、基本的には別掲のテーマ・分担に従って、個別研究のための資料の収集・集計・分析を実施し、報告を作成した。
著者
井上 拓 森山 孝男 小松 秀昭 中谷 登志男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.105-113, 2006-05-15

データを値の順番に並べ直すソート処理は多くのソフトウェアで使用される最も基本的な操作の1 つであり,ソート処理の高速化は多くのワークロードの性能向上に寄与する.ソート処理は基本的な操作であるため,古くから多くのアルゴリズムが提案されているが,近年の高性能な汎用プロセッサのSIMD 命令を用いて高速にソートを行うことのできるアルゴリズムはこれまで提案されていない.そこで本研究ではPowerPC アーキテクチャが持つSIMD 命令セットであるVMX を使用して,並列に処理を行うとともに分岐予測ミスの影響をなくすことで高速にソート処理を行うことのできるアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムを実装し,PowerPC 970FX プロセッサ上で評価を行い,クイックソートと比較して最大で5.6 倍の性能向上が得られることを示した.Sorting is one of the most common operations done by computers and used in variety of software. Sorting is a well-studied problem and hence there are many sorting algorithms and implementations available. However there is no sorting algorithm that effectively exploits SIMD execution units of recent general purpose processors. In this paper, we proposed a novel sorting algorithm for VMX instruction set of the PowerPC architecture. This algorithm divides input data in sorting phase and merges them after sort in order to exploit parallelism of the VMX instruction set. Also it removes stall cycles due to conditional branches by replacingthem with vector minimum and vector maximum instructions. We implemented the algorithm and evaluated the performance on the PowerPC 970FX processor. Our results showed that our new algorithm achieved up to 5.6 times higher performance than quicksort.
著者
井上 拓也 原田 利宣 榎本 雄介 森 典彦
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.11-18, 2002-09-30
被引用文献数
7

商品企画者やデザイナーには,製品の形態要素とイメージとの関係を知識として得たいという要望がある.また,近年,ある結果(例えばイメージ)を成立させるための最も少ないカテゴリー(形態要素)の組み合わせを得ることができるラフ集合(Pawlak,1982)が注目されている.そこで,本研究では自動車のフロントマスクデザインをケーススタディとし,ラフ集合を用いて形態要素とイメージとの関係を明らかにし,デザインコンセプト立案への応用を試みることを目的とした.以下の3つに関して研究を行った.(1)ラフ集合による縮約と数量化理論第II類との推論結果比較を行った.(2)縮約併合アルゴリズムによるデザインシミュレーションを行った.(3)多人数における縮約併合アルゴリズムの開発を行った.その結果,ラフ集合によって得られる縮約やそれら縮約の併合により,デザインコンセプトへ用いることができる知識の獲得が可能であることが考察された.