著者
佐々木 孝輔 林 勇吾 井上 智雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.53, pp.1-8, 2014-03-06

プログラミング学習手法の 1 つに,コーディングを行う Driver と,Driver に対してアドバイス等を行う Navigator の役割に分かれて作業を進めるペアプログラミングがある.このペアプログラミングにおける学習者の行動および会話と,学習の成否については関係性があることが報告されている.本研究では分散同期環境を想定した,テキストチャットを用いるペアプログラミング支援システムを開発するため,音声対話における行動および会話と学習の成否についての関係性がテキスト対話においても認められるかを検証する実験を行った.その結果,Driver が課題において発生するエラーを解決するために要する時間が長くなるほど,2 者のテキスト対話後における Driver のコーディング動作の頻度,および両者によるチャットの頻度が減少することが判明した.また本研究では,この結果を生かしたシステム開発の指針についても言及する.
著者
井上 智雄
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2010-2012
著者
武川 直樹 木村 直樹 井上 智雄 湯浅 将英
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

人が共に食事をする「共食」を例題に会話コミュニケーションを分析し,日常的コミュニケーションの相互行為の仕組みを明らかにし,共食支援システムを実現する研究を実施した.共食評価用会話コーパスを作成し,書き起こしたデータから共食中の会話の順番交替,食事動作の構造を解明した.たとえば,聞き手は会話への関与の度合いに応じて摂食タイミングを調整しコミュニケーションの構築に寄与していることを明らかにした.また,人と共食をするエージェントSurrogate Diner,ビデオメッセージを通じて疑似的に非同期な共食をするKIZUNAシステムを開発した.共食コミュニケーションに改善効果があることを明らかにした.
著者
北原 圭吾 丸山 祐太 井上 智雄 重野 寛 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.49, pp.37-42, 2005-05-26
被引用文献数
2

近年,協調学習を支援する様々な研究が行われている.本稿では,小学校で行なわれている野外学習に注目し,中でも教室における復習作業が重要であると考え,実世界指向インタフェースを用いて効果的な野外学習の復習支援を行う手法を提案する.時空間情報を保持したデータを用い,動植物の成長を示すデータやその周辺のデータを効果的に提示する手法を実装した.また協調学習を行なう上では,効率的なデータの受け渡し手法が必要であると考え,そのための機能についても実装した.We focused on collaborative learning in a classroom using spatio-tempral contents, which is typically conduted after outdoor class in an elementary school. We propose and implemented a tangible collaborative learning support system that uses spatio-temporal contents. Temporal data sequence that shows growth of a plant and geographic data collection are presented by the system. Moreover, we implemented methods for exchanging contents on the system that are thought to be suitable for face-to-face collaborative learning.
著者
井上 智雄 瓶子 和幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.1962-1971, 2008-06-15

近年,インタラクティブな広告や対象者に合わせた情報提示手法が研究されている.しかし,従来の研究では対象者の属性情報の獲得が容易ではなく,嗜好情報の登録や専用機器の携帯が必要であるなど利用者の負担をともなっている.そこで我々は,利用者の負担をなくしながらも有効な広告を提示するシステムとして,複数人の関係に基づく適応的広告システムGAS(Group-adaptive Advertisement System)を提案・開発した.本システムの特長は,複数人の間の対人距離からその関係を判別し,それに応じて適切な広告を提示する点にある.評価実験から,対人距離情報などから75%程度の精度で対人関係が判別できることが分かり,また,複数人の関係に基づく広告が,そうでない広告と比べて有効であることが認められた.
著者
渡辺 晃一郎 竹内 達史 井上 智雄 岡田 謙一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.2755-2764, 2008-12-01
被引用文献数
3

近年,協調作業・協調学習支援の分野において,対面環境における支援に関する研究が行われてきている.また一方で,テーブルトップインタフェースやタンジブルインタフェースといった実世界指向のインタフェースに関する研究も行われている.そこで我々は,テーブルトップ環境においてディジタルデータや実物体を効率良く扱えるようにするため,電子情報と実物体の両方の操作者を識別できる環境を構築した.複数のユーザが参加するような対面環境において,電子情報だけでなく,それぞれの実物体がもつ情報に関しても操作しているユーザに合わせた表示ができるようになり,情報の共有がしやすくなる.また,各ユーザの作業を区別することができるので,それぞれのユーザの操作履歴を取得・活用することができ,ユーザ同士が作業・意識の共有をしながら協調作業を進めることができる.本論文においては岩石学を学習するアプリケーションを実装するとともにいくつかの機能を実現し,評価実験を行うことで本システムの有用性を確認した.