著者
東原 良恵 今 一義 長田 太郎 渡辺 純夫 北條 麻理子 永原 章仁 廣田 喬司 里村 恵美 赤澤 陽一 野村 収 上山 浩也 稲見 義宏
出版者
消化器心身医学研究会
雑誌
消化器心身医学 (ISSN:13408844)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.20-22, 2014

60歳台男性,1年前に会社を退職。3ヵ月前からの咽頭違和感と食欲不振,体重減少(10kg)を主訴に受診。各種検査で異常はなく,器質的疾患が否定され,機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia:FD)と診断。FDに対する治療を行うも症状改善せず,メンタルクリニックを受診。検査により身体的な異常がないにも関わらず,重篤な身体的疾患が存在することへの頑固なとらわれが強く,身体疾患や異常が存在しないことを頑なに拒否することから心気症が疑われた。その後,うつ病の中でも抑うつが目立たず身体性症状が前景に立つ仮面うつ病と診断された。抗うつ薬を中心とした薬物精神療法を行い,改善傾向がみられたが副作用のため治療の継続が困難であり,その後の治療に難渋した。体重減少が進行したため治療継続の必要性があると判断し,精神科病院へ転院となった。消化器症状を主訴に発症し,診断と治療に難渋した仮面うつ病を経験したので報告する。
著者
東原 良恵 北條 麻理子 永原 章仁 廣田 喬司 里村 恵美 赤澤 陽一 野村 収 上山 浩也 稲見 義宏 今 一義 長田 太郎 渡辺 純夫
出版者
消化器心身医学研究会
雑誌
消化器心身医学 (ISSN:13408844)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.20-22, 2014 (Released:2014-09-01)
参考文献数
12

60歳台男性,1年前に会社を退職。3ヵ月前からの咽頭違和感と食欲不振,体重減少(10kg)を主訴に受診。各種検査で異常はなく,器質的疾患が否定され,機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia:FD)と診断。FDに対する治療を行うも症状改善せず,メンタルクリニックを受診。検査により身体的な異常がないにも関わらず,重篤な身体的疾患が存在することへの頑固なとらわれが強く,身体疾患や異常が存在しないことを頑なに拒否することから心気症が疑われた。その後,うつ病の中でも抑うつが目立たず身体性症状が前景に立つ仮面うつ病と診断された。抗うつ薬を中心とした薬物精神療法を行い,改善傾向がみられたが副作用のため治療の継続が困難であり,その後の治療に難渋した。体重減少が進行したため治療継続の必要性があると判断し,精神科病院へ転院となった。消化器症状を主訴に発症し,診断と治療に難渋した仮面うつ病を経験したので報告する。
著者
川久保 嘉昭 竹井 謙之 泉 光輔 山科 俊平 今 一義 榎本 信行 鈴木 聡子 池嶋 健一 大久保 裕直 佐藤 信紘
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.73-81, 2007-03-31
参考文献数
27

目的: 肝星細胞は肝障害が継続すると筋線維芽細胞様細胞に形質転換し,コラーゲンをはじめ,細胞外マトリクスを過剰産生し,肝線維化機序の中心的な役割を果たす.このため,活性化した星細胞に細胞死を誘導することができれば,肝線維化抑制につながると期待される.グリオトキシンは活性化した星細胞にアポトーシスを引き起こすことが知られているが,その分子機序は明らかではない.一方,inverse genomicsの手法は,ランダムな切断配列をもつリボザイムライブラリーを導入し,細胞の表現型・性質を変化させる刺激を与えた際,変化が起こらなかった細胞からリボザイムを単離し,その塩基配列を知ることで表現型変化に関わる機能遺伝子を同定することが可能である.われわれはこの手法を用いてグリオトキシンによる星細胞のアポトーシスに関わる遺伝子の探索を行った.対象・方法: 株化星細胞であるHSC-T6にリボザイムライブラリーを搭載したプラスミドをトランスフェクションし,48時間後にグリオトキシン(1.5μM)を培養液に添加して24時間培養後,生存細胞からプラスミドを回収した.このグリオトキシンによるセレクションを3回繰り返した後にリボザイムを単離してシークエンス解析を行い,その配列情報をもとにアポトーシス関連遺伝子の検索をデータベース上にて行った.結果: われわれは20の星細胞アポトーシスに関わる候補遺伝子の配列を得た.その中の1配列は,カスパーゼ7に相補性を有していた.同配列を持つリボザイムをHSC-T6に導入したところ細胞はグリオトキシンによるアポトーシスの誘導に抵抗性を示した.結論: 以上の結果によりグリオトキシンによるアポトーシスの誘導にはカスパーゼ7が関与していることが示唆された.またinverse genomicsによるアプローチは,肝星細胞のアポトーシスに関わる機能遺伝子の探索に有用であることが示唆された.
著者
赤澤 陽一 上山 浩也 永原 章仁 中川 裕太 松本 紘平 稲見 義宏 松本 健史 今 一義 八尾 隆史 渡辺 純夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.111, no.10, pp.1968-1975, 2014-10-05 (Released:2014-10-05)
参考文献数
22

66歳女性.上部消化管内視鏡で体上部後壁に17 mm大の胃粘膜下腫瘍(SMT)を認め,PET-CTで体下部大弯に別病変として30 mm大のFDGの集積を認めた.CT gastrography(CTG)では上記検査で指摘し得なかった8 mm大のSMTをさらに診断できた.病理組織診断ではGIST,神経鞘腫,壊死組織とそれぞれ異なる組織像であった.CTGが胃SMT診断に有用であった貴重な症例であったため報告する.
著者
川久保 嘉昭 竹井 謙之 泉 光輔 山科 俊平 今 一義 榎本 信行 鈴木 聡子 池嶋 健一 大久保 裕直 佐藤 信紘
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.73-81, 2007

目的: 肝星細胞は肝障害が継続すると筋線維芽細胞様細胞に形質転換し, コラーゲンをはじめ, 細胞外マトリクスを過剰産生し, 肝線維化機序の中心的な役割を果たす. このため, 活性化した星細胞に細胞死を誘導することができれば, 肝線維化抑制につながると期待される. グリオトキシンは活性化した星細胞にアポトーシスを引き起こすことが知られているが, その分子機序は明らかではない. 一方, inverse genomicsの手法は, ランダムな切断配列をもつリボザイムライブラリーを導入し, 細胞の表現型・性質を変化させる刺激を与えた際, 変化が起こらなかった細胞からリボザイムを単離し, その塩基配列を知ることで表現型変化に関わる機能遺伝子を同定することが可能である. われわれはこの手法を用いてグリオトキシンによる星細胞のアポトーシスに関わる遺伝子の探索を行った.対象・方法: 株化星細胞であるHSC-T6にリボザイムライブラリーを搭載したプラスミドをトランスフェクションし, 48時間後にグリオトキシン (1.5μM) を培養液に添加して24時間培養後, 生存細胞からプラスミドを回収した. このグリオトキシンによるセレクションを3回繰り返した後にリボザイムを単離してシークエンス解析を行い, その配列情報をもとにアポトーシス関連遺伝子の検索をデータベース上にて行った.結果: われわれは20の星細胞アポトーシスに関わる候補遺伝子の配列を得た. その中の1配列は, カスパーゼ7に相補性を有していた. 同配列を持つリボザイムをHSC-T6に導入したところ細胞はグリオトキシンによるアポトーシスの誘導に抵抗性を示した.結論: 以上の結果によりグリオトキシンによるアポトーシスの誘導にはカスパーゼ7が関与していることが示唆された. またinverse genomicsによるアプローチは, 肝星細胞のアポトーシスに関わる機能遺伝子の探索に有用であることが示唆された.
著者
今 一義
出版者
順天堂大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

平成18年度の研究では、インスリン抵抗性のモデルマウスであるKK-A^yマウスを用いて、アセトアミノフェン誘導肝障害がインスリン抵抗性マウスで増悪し、肝細胞におけるROSの産生増強がその増悪メカニズムに深く関与していることを示した。そこで、今年度ではアセトアミノフェン肝障害増悪メカニズムの詳細な解析と、肝細胞の脂肪沈着とアセトアミノフェン肝障害増悪の関連についての研究を行った。in vivoの検討では、KK-A^yマウスの肝臓ではアセトアミノフェン処置後のJNK-2の活性化が著明に亢進しており、肝細胞壊死の亢進に関与したことが明らかになった。肝細胞の脂肪沈着については遊離脂肪酸の影響に注目し、初代培養肝細胞に遊離脂肪酸を添加してROSの産生メカニズムに対する影響を調べた。その結果、遊離脂肪酸によって前処置を行うと肝細胞の細胞質内に脂肪滴が沈着し、tert-butyl hydroperoxide添加による肝細胞壊死およびROS産生が増悪した。今回の研究により薬物性肝障害の発症・増悪におけるインスリン抵抗性の関与とそのメカニズムの一端が解明され、ひいては薬物性肝障害の発症予防・早期治療におけるターゲットとしてインスリン抵抗性に伴うシグナルの変化が重要であることが示された。また、肝細胞脂肪沈着によるROS産生刺激に対する感受性の亢進は非アルコール性脂肪性肝炎の発症・進展にも関与している可能性があり、メタボリックシンドローム関連の肝障害全般のメカニズム解明にも関連しうる結果と考えられた。