著者
仲山 慶 池田 踏青 黒川 大輔 北條 裕也 宇野 誠一
出版者
日本環境毒性学会
雑誌
環境毒性学会誌 (ISSN:13440667)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-9, 2022-02-22 (Released:2022-02-22)
参考文献数
24

The present study tested the early life stage toxicity of 3,5-dichlorophenol (3,5-DCP) on grass puffer, Takifugu niphobles, in order to evaluate its potential use as a marine fish model. The pufferfish embryos at 1-day post fertilization (dpf) were exposed to serially diluted 3,5-DCP at 20°C or 25°C until 14- or 10-dpf, respectively. Exposure to 3,5-DCP caused inhibition of pigmentation, of swimming, and of yolk absorption. The EC50 of morphological abnormality and the LC50 at the end of test were 0.97 and 1.4 mg/L at 25°C. The EC50 and LC50 values estimated at 20°C (0.75 and 0.79 mg/L, respectively) were generally similar to those at 25°C. The sensitivity to 3,5-DCP in the grass puffer was equivalent to those observed in other marine fish species. Because of the ease of handling and observation of embryos, and the high hatching and survival rates, we consider the grass puffer to be an ideal model for early-life stage toxicity testing.
著者
鈴木 剛 仲山 慶 前川 文彦 Tue Nguyen Minh 木村 栄輝 道中 智恵子 松神 秀徳 橋本 俊次
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.470-481, 2018-12-31 (Released:2019-12-05)
参考文献数
37

臭素系ダイオキシン類は,POPs 条約の規制対象物質ではないが,対象であるダイオキシン類と同様の特性を示すため,リスク管理の必要性が国際的に共有されている。国内では,環境省による臭素化ダイオキシン類の排出実態調査が実施され,臭素系難燃剤の decaBDE を使用する施設や含有製品を取り扱う施設で,ダイオキシン類の排出基準や作業環境基準を超過する値で検出されることが明らかにされた。臭素化ダイオキシン類の排出は,2017 年に decaBDE が POPs 条約上の廃絶対象物質となったことに伴い,動脈側で減少することが予測されるが,静脈側で含有製品の再資源化や廃棄を通じた排出が当面継続する見込みであり,引き続きその実態把握が必要である。DecaBDE の代替物使用の臭素系ダイオキシン類の排出への影響についても,今後の排出実態調査や関連研究で明らかにされることが期待される。また,臭素化ダイオキシン類の適切なリスク管理には,WHO と UNEP の専門家会合が指摘しているとおり,魚類・哺乳類毒性試験に基づく TEF を補完していく必要がある。
著者
仲山 慶
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は,魚類を対象として感染症の発症を主要なエンドポイントとした免疫毒性評価手法を確立し,下水処理水中に含まれる医薬品等の感染症の発症リスクへの寄与を明らかにすることを目的としている。平成29年度は,免疫毒性の評価対象物質をスクリーニングするために,愛媛県内の下水処理場の処理水を隔週で採取し,81種類の医薬品および生活関連化学物質(PPCPs)を通年モニタリングした。その結果,解熱鎮痛消炎剤や高脂血症治療剤,潰瘍治療剤,抗ヒスタミン剤,一部の抗菌剤が高頻度かつ比較的高濃度で検出された。また,先の若手研究(B)(26740030)で構築した感染・暴露試験法のスループットを向上させるため,先の試験では魚体重10g程度のコイを用いていたところを,1 g程度のコイを使用し,試験のスモールスケール化を図った。1 mg/Lのデキサメタゾンの存在下で,コイに3.8 × 10の2乗~4乗CFU/mLのAeromonas salmonicidaを浸漬感染させたところ,感染後17日目に30~40%の個体が死亡した。一方,感染のみの非暴露区では0~10%のへい死率となり,本試験で使用したサイズのコイであっても,デキサメタゾンの免疫抑制作用が検出可能であった。試験法の改良により,試験水量が従来法の40%程度で試験の実施が可能となった。以上の結果から,スモールスケール化した試験系で,比較的検出濃度の高かった非ステロイド系抗炎症薬の免疫毒性評価を実施することとした。
著者
田辺 信介 岩田 久人 高菅 卓三 高橋 真 仲山 慶 滝上 英孝 磯部 友彦 鈴木 剛
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

POPs候補物質(有機臭素系難燃剤など)に注目し、途上地域を中心にその分析法の開発、広域汚染の実態解明、廃棄物投棄場等汚染源の解析、生物蓄積の特徴、バイオアッセイ等による影響評価、過去の汚染の復元と将来予測のサブテーマに取り組み、環境改善やリスク軽減のための科学的根拠を国際社会に提示するとともに、当該研究分野においてアジアの広域にまたがる包括的な情報を蓄積することに成功した。