著者
中山 祥嗣 磯部 友彦 岩井 美幸 小林 弥生 小栗 朋子 竹内 文乃
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.156-163, 2018 (Released:2018-05-31)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

In this review, we present an initial plan for exposure assessment in the Japan Environment and Children’s Study (JECS) by focusing on a biomonitoring technique and discuss the challenges encountered when using the biomonitoring technique for exposure measurements. JECS registered 103,099 pregnant mothers and has been following children born to them. Various biological samples were collected from mothers during pregnancy (blood and urine), at birth (blood and hair) and at check-up one month after birth (breast milk). Samples were also collected from children at birth (cord blood) and at check-up one month after birth (hair and blood spot). Those samples will be used to assess maternal and foetal exposures to chemical substances. Measurement reliability, i.e., intraclass correlation coefficient (ICC), and attenuation bias related to low ICCs should be taken into consideration when using the biomonitoring results. Along with the biomonitoring technique, simulation models, pharmacokinetic (PK) models and exposomics techniques are under development in JECS. New analytical techniques include deciduous teeth measurements and -omics analyses. In particular, PK models and sensor technologies are one of the most important methodologies for future JECS exposure analyses. Statistical methods for examining the effects of intercorrelated multiple exposures as well as nondetection data should also be explored.
著者
磯部 友彦 秋山 哲男 佐藤 克志 園田 眞理子 吉田 浩 畑農 鋭矢
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.バリアフリー化のための設備投資を考慮した簡便な経済モデルを構築し、効率性の基準によって最適なバリアフリー化水準を明らかにした。効率性基準で考えた場合でも、およそ半分程度の社会資本をバリアフリー化することが効率的である。2.コンピュータ・シミュレーションの方法により、移動障壁の程度、集団に含まれている高齢者の割合の多寡別に移動時間を計測し、バリアーの移動時間増加に与える効果を測定した。その結果から、政策的にバリアフリー事業を推進するべき程度について、30%が一つの転換点であることがわかった。3.バリアフリー環境整備による影響・効果を一つの土俵上で評価するために、SDモデルを作成し、(1)障害者・高齢者、(2)介助者、(3)商業施設などの事業者、(4)一般市民、(5)行政の各セクターに分けて、その挙動確認のためのシミュレーションを実行した。4.実際の駅前商店街の商店および商店街通りで実態把握調査、利用者実験を実施した。それを元に商店および商店街のユニバーサルデザインに関する整備条件の把握、整備方法の提案、整備に関する費用対効果の検討を行った。5.鉄道駅内での昇降装置の設置が完了した駅で、利用実態調査・利用者に対してアンケート調査を実施した。エレベーターは、高齢者や移動制約者など本当にバリアフリー整備を必要としている人に対する効果が非常に高いこと、エスカレーターは、設置場所や昇降方向によって違いがあるが、一般の利用者には段差解消として効果は高いが、車椅子使用者や視覚障害者にとっては効果はあまりないことがわかった。6.ユニバーサルデザインをめざした新しい交通システムの適用性の研究を行った。過疎地域の公共交通の現状、及び高齢者の特性を踏まえ、ダイヤの最適化を図り、ドアツードア性を高めてしかも料金を安くするシステムを考案した。その結果、市民の利用は予約の手間を除いて、概ね好評であった。
著者
磯部 友彦 中田 典秀 間藤 ゆき枝 西山 肇 熊田 英峰 高田 秀重
出版者
Japan Society for Environmental Chemistry
雑誌
環境化学 (ISSN:09172408)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.621-625, 2002-09-26 (Released:2010-05-31)
参考文献数
13
被引用文献数
7 7

プラスチック製の食器等について, 油脂性食品疑似溶媒であるn-ヘプタンを用いた溶出試験を行なった。50種の製品の分析から, 16試料で有意にノニルフェノールが溶出し, そのうち5試料で特に高濃度 (21~2485ng/cm2) で検出された。ポリスチレンおよびポリプロピレン製品からの溶出が最も大きかったものの, 検出量には大きな変動が認められ, その変動には明確な傾向は認められなかった。今後さらに密で広範囲な調査を行ない, プラスチック製食器に起因する内分泌撹乱化学物質の人体への曝露量を評価すると共に, リスクを軽減するための施策を講じる必要があると思われる。
著者
田辺 信介 岩田 久人 高菅 卓三 高橋 真 仲山 慶 滝上 英孝 磯部 友彦 鈴木 剛
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

POPs候補物質(有機臭素系難燃剤など)に注目し、途上地域を中心にその分析法の開発、広域汚染の実態解明、廃棄物投棄場等汚染源の解析、生物蓄積の特徴、バイオアッセイ等による影響評価、過去の汚染の復元と将来予測のサブテーマに取り組み、環境改善やリスク軽減のための科学的根拠を国際社会に提示するとともに、当該研究分野においてアジアの広域にまたがる包括的な情報を蓄積することに成功した。