著者
川島 由次 仲田 正 高橋 宏 KAWASHIMA Yoshitsugu NAKADA Tadashi TAKAHASHI Hiroshi 琉球大学農学部畜産学科 Department of Animal Science College of Agriculture University of the Ryukyus
出版者
南方資源利用技術研究会
雑誌
南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical resources technologists (ISSN:09129588)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.13-22, 1985-03-30

カビバラは南米原産の草食性げっ歯類である.その体長は100~130cm,体高が50~60cm,体重は40~60kgにも達し,げっ歯類では最大の種である.消化器系の特徴は,歯の形態が植物食によく適応し,盲腸の発達がきわめてよいことである.妊娠期間は約150日間,産子数は平均5頭で,出産は2年間で3回可能である,乳頭数は5対が基本数である.カピバラの繁殖率はウシと比較して約6倍高い値が得られている.本種は早熟なので1年半でと殺が可能である.1日増体量は54g,枝肉歩どまりは51%なので,その産肉効率をウシと比べると3.4倍高い値を示している.肉は焼き肉が美味であるが,ソーセージ類・燻製品などにも加工されている.皮革は水にぬれて乾いても堅くならない特色をもっている.カピバラは穀類に依存しないで,ホテイアオイや湿地性の植物で飼育可能な省エネルギー動物であり,将来の有望な食肉資源である.The capybara is a South American herbivorous rodent. It is the largest living rodent, as the length of the head and body, the body height and the body weight are 100-130 cm, 50-60 cm and 40-60 kg, respectively. As the characteristics of the digestive sysem, it is found that the dentition is specially suited to grind the feed and the cecum shows a marked development The duration of pregnancy averages about 130 days. The size of litter averages 5 youngs. Three parturitions for two years in a capybara are possible. There are five pairs of ventral mammae. The capybara is about six times as efficient as the cattle in its productive performance. It reaches early at sexual maturity, and the early maturity makes it possible to slaughter within 1.5 years. It achieves a growth rate of about 54g per day. Carcass yield is 51%. A comparison of the productive efficiency of the capybara and the cattle has shown that the capybara is 3.4 times as efficient as the cattle. The meat has a good taste and is used for the production of sausages and smoked meat. As its hide has the property of stretching in one direction only, and is, therefore, much sought after by leather makers. The capybara feeds mainly on grasses and sometimes eats aquatic plants such as the water hyacinth. It appears that the capybara may become an indigenous source of meat, which enables to be produced at comparatively low costs because it does not eat grains.
著者
石橋 治 阿波根 彩子 中村 正治 盛根 信也 平良 勝也 小倉 剛 仲地 学 川島 由次 仲田 正
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.35-41, 2006 (Released:2018-05-04)
参考文献数
43
被引用文献数
1 3

沖縄島北部において捕獲されたジャワマングース(Herpestes javanicus)133頭およびクマネズミ(Rattus rattus)54頭のレプトスピラ(Leptospira spp.)の保有調査を実施した。その結果,ジャワマングースにおけるレプトスピラの分離率は30.1%であり,クマネズミでは20.4%であった。ジャワマングースから分離したレプトスピラは,抗血清を用いた凝集試験およびflaB遺伝子配列に基づく種の同定により,33株がLeptospira sp.血清群Hebdomadis,内14株はL. interrogans,5株がL. sp.血清型Javanicaおよび2株がL. interrogans血清群Autumnalisと推定された。これまでにも沖縄島のジャワマングースから血清型HebdomadisとAutumnalisは分離されているが,血清型Javanicaを分離したのは今回が初めてである。クマネズミから分離されたレプトスピラは,11株すべてがLeptospira sp.血清型Javanica,内1株がLeptospira borgpetersenii血清型Javanicaと推定された。沖縄島北部のヒトにおける抗体調査では,血清群Hebdomadisに対する抗体の保有率が高く,また,近年この地域から血清型Hebdomadisに感染した事例が報告されている。これらのことから,沖縄島北部において,ジャワマングースがヒトへのレプトスピラの感染環の一端をになっていることが示唆され,クマネズミはマングースへのレプトスピラ媒介動物であることが推察された。
著者
大友 朗紀 仲田 正利
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.549-552, 2016-10-01 (Released:2016-10-01)

ATIS(技術情報サービス協会)は設立35周年を迎えました。会員は、製造業の親会社を持ち知的財産情報や科学技術情報などの分野において情報サービスの提供等を事業とする正会員、特許等データベースを提供する賛助会員および特別賛助会員で構成されています。現在、44社が参加しています。本稿では、ATISの発展とその活動内容について紹介します。