著者
藤永 洋 高橋 宏三 嶋田 豊
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.146-150, 2009-06-30 (Released:2016-03-31)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Japanese Oriental (Kampo) medicine has been widely used to treat fibromyalgia. In Kampo medicine, the determination of therapy is based on “Sho” (diagnosis of Kampo medicine). However there have not been sufficient studies of the “Sho” in fibromyalgia. We therefore investigated the “Sho” in fibromyalgia by assessing the “Sho” in 27 patients with fibromyalgia: 20 females and 7 males, mean age 52.9±15.6 (27 to 89). The result showed 3 patients with “Jissho” (hyperfunction of body energy), 15 patients with “Kyojitsukansho” (medium of hyperfunction/hypofunction of body energy) and 9 patients with “Kyosho” (hypofunction of body energy). All patients showed “Kikyo” (deficiency of “Ki” (vital energy)), “Kiutsu” (insufficient circulation of “Ki” and “Ki” stasis in an organism)”, and “Oketsu” (insufficient blood-circulation and blood stasis). The “Oketsu” score of the 15 patients using Terasawa’s criteria were 27.0~67.0, mean score 43.5±10.1. Nine of the 15 patients showed severe “Oketsu”, which was indicated by a total score of more than 40 points. This finding indicated an intimate correlation with fibromyalgia and“Oketsu”.Several reports showed the presence of abnormal microcirculation in fibromyalgia. Abnormal microcirculation is considered to be related to “Oketsu”. Therefore, we considered that “Oketsu” is an important pathological condition to investigate and treat with fibromyalgia.

63 0 0 0 巻頭言 成仏

著者
高橋 宏志
出版者
有斐閣
雑誌
法学教室 (ISSN:03892220)
巻号頁・発行日
no.307, 2006-04
著者
磯部 稔 Uyakul D. 高橋 宏幸 後藤 俊夫
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.31, pp.396-403, 1989-09-17

Lampteroflavin (1), a riboflavin α-D-riboside was isolated in extraordinary small amount from the luminous mushroom, Lampteromyces japonicus (Fig 1), which was available only two weeks in a year. Extraction method was improved to utilize only alive gills under aeration instead of using the whole body (Fig 3), and the method was established as Scheme 1. It's structure has been elucidated by chromatographic and spectroscopic analyses(1). It's fluorescence spectrum was identical to the bioluminescence spectrum of the mushroom, having maximum at 524nm (Fig 2). We concluded that 1 was responsible to the bioluminescence mechanism as the light emitter, since 1 was only the fluorescent constituent in fresh gills. Previous report that illudin S (lampterol) or ergosta-4,6,8(14),22-tetraen-3-one(2) could be the emitter is thus unlikely judging from the weak fluorescent intensity and the different maximum wavelength from that of mush-room bioluminescence. Lampteroflavin (Table 1) was hydrolyzed with dil. mineral acid to give riboflavin and D-ribose. Riboflavin was identified by HPLC, ^1H NMR, UV, Fluorescence and FAB mass spectrometry. D-ribose was acetylated and then confirmed by ^1H NMR, CD and tandem mass spectrometry. Riboflavin and D-ribose was connected together with α-glycosidic linkage which was determined by ^<13>C NMR of the anomeric carbon (δ=103.2ppm)(3), NOSEY spectrum (H-1" being close to H-3" and H-5') and ^1H NMR pattern of anomeric proton. The total structure of lampteroflavin was confirmed through its chemical synthesis.
著者
中下 俊哉 江口 有一郎 高橋 宏和 大座 紀子 桑代 卓也 河口 康典 黒木 茂高 尾崎 岩太 水田 敏彦 小野 尚文 江口 尚久 藤本 一眞
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.483-484, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
3

COBAS TaqMan HBV Test (real-time PCR method) is a new method to detect HBV-DNA with higher sensitivity and broader range of quantification than conventional methods. We evaluated HBV-DNA load by COBAS TaqMan HBV Test in comparison with Amplicor HBV Monitor Test in chronic hepatitis B patients undergoing administration of nucleoside analogue. Forty chronic hepatitis B patients were recruited. In 33 patients with less than 2.6 logcopy/mL by Amplicor HBV Monitor, Taq Man HBV Test showed less than 1.8 logcopy/mL of HBV-DNA and no amplified reaction signal in 22 patients, whereas amplified reaction signal was detected in 11 patients (33.3%). COBAS TaqMan HBV Test is more sensitive and preferable for evaluation of HBV viral load in anti viral therapy.
著者
塩谷 雄二 嶋田 豊 松田 治巳 高橋 宏三 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.823-831, 1995-04-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

駆〓血生薬であるサフランの薬理学的作用を明らかにする目的で, まず投与前に性成熟期の12人の健常女性の月経期, 卵胞期, 黄体期で11-dehydro TXB2, 血小板凝集能, 血液粘度, 血液生化学の検査を行った。月経期では卵胞期または黄体期に比べ, 血液粘度, 血小板凝集能, 11-dehydro TXB2 の上昇と平均赤血球容積 (MCV) の増加を認めた。このことから血液粘度を昇させる要因としてMCVの増加による赤血球変形能の低下が考えられた。月経期では子宮内膜の PGE2 が最高値を示すことから, MCVの増加に PGE2 が関与していることが推測された。次いで6例の対照群には白湯を投与し (約4週間), 他の6例にはサフラン振り出し液を投与し (約4週間), これらの指標の変化を比較検討した。サフランは月経期においてMCVと血液粘度を明らかに低下させたことから, 血液粘度の低下の要因にはMCVの減少による赤血球変形能の改善が関与しているものと考えられた。また血中エストロゲンが低値の卵胞期において11-dehydro TXB2を低下させた。〓血病態においては全血粘度が上昇していること, 血小板のトロンボキサン合成が亢進していることが報告されているが, サフランはこれらの指標に対し明らかな作用を持つことから, 駆〓血作用を有することが健常の性成熟女性で示された。
著者
藤澤 隆一 高橋 宏明 大関 京子 田中 由美子 奥住 捷子 増田 道明
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.183-188, 2014 (Released:2014-08-05)
参考文献数
8

医療現場における手袋の使用は,接触感染防止の対策上有効かつ簡便な方法として奨励されている.一方,手袋は手の汚染を完全に防止するものではなく,不適切な使用により微生物の伝搬につながる可能性がある.本研究では,医療現場において日常的に使用する手袋着用の手指衛生教育を目的とした新たな実習を試みた.2008~2011年度に微生物学実習を受講した医学部学生を対象とした.手袋着用前の手指の汚染除去法の違いにより,学生を4群に分けた.それぞれ手指の汚染除去を行った後,手袋を装着し30分間作業を行った.手袋装着前および作業前後の手指雑菌をスタンプ法にて採取・培養し,手指の衛生状態を評価した.コロニー数の集計結果から,手袋着用前の手洗い・手指消毒により,手袋装着作業時の手指雑菌数が有意に減少した.芽胞形成菌では,クロルヘキシジングルコン酸塩スクラブを用いた手洗いが擦式アルコール製剤による手指消毒よりも優れていた.また,手袋を外した後の手指消毒は効果的であることが示された.実習の対象となる学生は年度により異なるが,得られた結果に年度間のバラツキは認められなかった.この方法は,手袋使用時の手指消毒のタイミングとその効果が視覚的に得られ,手指衛生に関する実践的な認識に寄与すると考えられた.
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
川島 由次 仲田 正 高橋 宏 KAWASHIMA Yoshitsugu NAKADA Tadashi TAKAHASHI Hiroshi 琉球大学農学部畜産学科 Department of Animal Science College of Agriculture University of the Ryukyus
出版者
南方資源利用技術研究会
雑誌
南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical resources technologists (ISSN:09129588)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.13-22, 1985-03-30

カビバラは南米原産の草食性げっ歯類である.その体長は100~130cm,体高が50~60cm,体重は40~60kgにも達し,げっ歯類では最大の種である.消化器系の特徴は,歯の形態が植物食によく適応し,盲腸の発達がきわめてよいことである.妊娠期間は約150日間,産子数は平均5頭で,出産は2年間で3回可能である,乳頭数は5対が基本数である.カピバラの繁殖率はウシと比較して約6倍高い値が得られている.本種は早熟なので1年半でと殺が可能である.1日増体量は54g,枝肉歩どまりは51%なので,その産肉効率をウシと比べると3.4倍高い値を示している.肉は焼き肉が美味であるが,ソーセージ類・燻製品などにも加工されている.皮革は水にぬれて乾いても堅くならない特色をもっている.カピバラは穀類に依存しないで,ホテイアオイや湿地性の植物で飼育可能な省エネルギー動物であり,将来の有望な食肉資源である.The capybara is a South American herbivorous rodent. It is the largest living rodent, as the length of the head and body, the body height and the body weight are 100-130 cm, 50-60 cm and 40-60 kg, respectively. As the characteristics of the digestive sysem, it is found that the dentition is specially suited to grind the feed and the cecum shows a marked development The duration of pregnancy averages about 130 days. The size of litter averages 5 youngs. Three parturitions for two years in a capybara are possible. There are five pairs of ventral mammae. The capybara is about six times as efficient as the cattle in its productive performance. It reaches early at sexual maturity, and the early maturity makes it possible to slaughter within 1.5 years. It achieves a growth rate of about 54g per day. Carcass yield is 51%. A comparison of the productive efficiency of the capybara and the cattle has shown that the capybara is 3.4 times as efficient as the cattle. The meat has a good taste and is used for the production of sausages and smoked meat. As its hide has the property of stretching in one direction only, and is, therefore, much sought after by leather makers. The capybara feeds mainly on grasses and sometimes eats aquatic plants such as the water hyacinth. It appears that the capybara may become an indigenous source of meat, which enables to be produced at comparatively low costs because it does not eat grains.
著者
持田 浩治 香田 啓貴 北條 賢 高橋 宏司 須山 巨基 伊澤 栄一 井原 泰雄
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.177, 2020 (Released:2020-12-24)
参考文献数
139

試行錯誤をともなう個体学習に比べ、他者やその産出物(例えば音声や匂いなど)の観察を基盤とする社会学習は、学習効率が高く、獲得された行動が集団内に迅速に伝わる。また社会学習の存在は、昆虫類などの無脊椎動物から霊長類まで幅広く知られており、近年、キイロショウジョウバエが学習モデルとして導入されたことで、その神経生理基盤や遺伝基盤が解明される日が急速に近づいている。しかしながら、社会学習やそれにともなう集団内での行動伝播が生態学的現象に与える影響は、ほとんど明らかになっていない。とりわけ、種間交渉を通して、社会学習が他種や種間関係、生態系に与える影響について、ほとんど議論されていない。そこで本総説は、昆虫類、魚類、両生類、爬虫類、鳥類における社会学習の実証研究を紹介し、その課題を取りあげる。また実証研究として紹介した社会学習に関する三つのテーマについて、数理モデルを取り入れた理論研究を紹介する。これらを通して、生態学的現象における社会学習の役割とその重要性を理解し、当該分野の今後の発展に貢献することができれば幸いである。
著者
谷 賢治 高橋 宏 加藤 清 松永 敬一郎 坂本 洋 成田 雅弘 千場 純 進藤 邦彦 伊藤 章 福島 孝吉
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.280-285, 1983-03-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
17

風疹に続発する中枢神経系合併症のうち, 脳炎を併発した成人の一例を報告し, 本邦の報告例11例の文献的考察を加え, 小児の風疹脳炎と比較検討し報告した.[症例] 22歳男性.主訴は嘔吐と意識消失. 家族歴と既往歴に特記事項なし. 現病歴は体幹部の粟粒大の発疹, 発熱と頭痛が初発症状, 3日後に症状消失, 第7病日に主訴出現し入院. 意識レベルは100で神経学的な病的反射と髄膜刺激症状はなし, 末梢血で白血球増多と核の左方移動, 血清の風疹抗体価はHI512倍, CRP (±) とIgA増加. 検尿で蛋白 (+), 糖 (2+), 沈渣は赤血球やや多数/1視野, 白血球18~20/1視野. 腰椎穿刺で初圧75mm水柱, 細胞数189/3 (顆粒球59/3, リンパ球130/3), 蛋白94mg/dl, 脳波はθ波のslowing. 第8病日の意識レベルは3で項部硬直出現. 第9病日の血清風疹抗体価4,096倍, 第11病日の意識は明瞭, 第12病日に項部硬直消失. 第14病日の血清風疹抗体価8,192倍, 第27病日は2,048倍と低下.[自験例を含む本邦の成人風疹脳炎12症例と小児風疹脳炎の比較] 発疹出現から脳炎症状出現までの日数, 臨床症状, 髄液所見で成人の風疹脳炎と小児の風疹脳炎に差は見られないが, 初発症状で小児例に嘔気, 嘔吐と痙李が見られるのに成人例では認められない事や, 予後で小児例に死亡する例が有るが成人例では無い事が異なる.
著者
内藤 昌 大野 耕嗣 高橋 宏之
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.181, pp.75-82,86, 1971-03-30 (Released:2017-08-22)

This paper deals with the particulars of the Fushimi-castle that met with the rise and fall by the men then in power. And the writer devides this term into five parts by the use of new historical materials. That is; The Ist period ; The residence at Shigetsu for the retreat of Hideyoshi Toyotomi. The 2nd period; From the construction of the castle at Shigetsu by Hedeyoshi Toyotomi to the collapse by the earthquake. The 3rd period ; From the reconstruction of the castle at Mt. Kohata by Hideyoshi Toyotomi to the fall of the castle. The 4th period ; The construction of the castle at Mt. Kohata by Iyeyasu Tokugawa. The 5th period ; From the repair of the castle by Hidetada Tokugawa to the destruction of it by Iyemitsu Tokugawa.
著者
井上 啓子 清水 和栄 平賀 恵子 吉川 妙子 梅村 聡美 大瀧 香織 高橋 恵理香 徳永 千賀 古田 久美子 若山 真規子 水野 晴代 松村 香里 高井 千佳 加藤 静香 宇野 千晴 出口 香菜子 榊原 知世 高橋 宏 伊藤 恭彦
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.493-501, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
20

維持血液透析患者のprotein-energy wasting (PEW) の実態とPEWとの関連因子を検討した. 透析導入後6か月以上409例の合併症, 身体計測値, 血液検査, 食事摂取量を調査. 国際腎疾患栄養代謝学会による区分に従いPEWを判定し, Logistic回帰分析により関連因子を求めた. 年齢64±11歳, 透析歴8 (3~14) 年, 高血圧合併74.3%, BMI 21.1±3.4kg/m2, 血清Alb 3.7±0.3g/dL, エネルギー30±6kcal/kg IBW, たんぱく質1.01±0.22g/kg IBWであった. PEWは3項目以上該当17.1%, 年齢, 透析歴, 高血圧がPEWとの独立した背景因子であった. 食品群別摂取量との関連は, 肉類, 魚介類, 砂糖類摂取量が独立因子となった. さらにROC解析によるカットオフ値 (肉類46.7g, 魚介類41.7g, 砂糖類9.0g) 未満の摂取のオッズ比は肉類2.74 (95%CI 1.55-4.85, p=0.001), 魚介類2.04 (95%CI 1.16-3.61, p=0.014), 砂糖類1.88 (95%CI 1.05-3.37, p=0.033) であった. 通院患者の17.1%がPEWであり, 肉類, 魚介類, 砂糖類の摂取不足とPEW発症との関連が示唆された.
著者
定本 久世 高橋 宏暢
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.131-134, 2012-09-20 (Released:2012-10-17)
参考文献数
11

本技術ノートでは,次世代シーケンサーを用いた非モデル動物の全トランスクリプトーム解析について説明する。これまで,非モデル動物のように参照となるゲノムDNA情報がない場合,次世代シーケンサーの配列データを貼り合わせて長い配列情報を得ることが難しかった。また,代表機種であるIllumina社シーケンサーでは,他社機種に比べて安価で大量の配列データが得られるものの,シーケンスデータの配列長が短い。これら技術,費用の両問題により,次世代シーケンサーによる非モデル動物のトランスクリプトーム解析はなかなか進んでこなかった。最近になり,トランスクリプトームデータ解析に特化した,参照配列を必要としない配列貼り合わせ(de novo assembly)プログラムが複数発表されている。我々は,Illumina社シーケンサーとこれらのプログラムを用いて非モデル動物組織のde novoシーケンス,トランスクリプトーム解析を行い,良好な結果を得た。これらの結果を含めて一連のde novoトランスクリプトーム解析手法を紹介したい。
著者
中務 哲郎 高橋 宏幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

古代ギリシア・ローマ喜劇と狂言はまったく異なる文化伝統の中で生成発展したが、同時代に材をとり、滑稽な言葉・しぐさ・趣向を用いて笑いの劇を目指すという共通点をもつ。両ジャンルに共通して現れる仲裁人のモチーフ、仕方話の趣向等がいかなる社会制度から生まれたかを考察することにより、両ジャンルの特性を解明した。と同時に、芝居(企み、変装)の意義と効果、虚と実のすり替え、等を具体的な作品に即して分析することにより、喜劇的なるものの本質が両ジャンルに共通することも明らかにした。
著者
田中 篤 高橋 宏樹 根津 佐江子 上野 義之 菊池 健太郎 渋谷 明隆 大平 弘正 銭谷 幹男 Lorenzo Montali Pietro Invernizzi 滝川 一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.51-59, 2009 (Released:2009-03-02)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

疲労は原発性胆汁性肝硬変(PBC)患者の主要症状の一つとされており,近年欧米では臨床上の重要な問題としてPBC患者の疲労に関する報告が相次いでいるが,日本人PBC患者における疲労症状の実態は不明である.われわれは疲労症状の評価尺度として頻用されるFisk Fatigue Severity Score(FFSS)の日本語版をback translation法によって作成し,日本人PBC患者166名を対象としてその妥当性を統計学的に検証した.クロンバックのα係数は0.900を超えており,評価尺度の内的整合性は良好であった.SF-36との間にも高い相関が存在し,ことに疲労と関係の深い「活力」「日常役割機能(身体)」との間に最も強い相関がみられた.主因子法による探索的因子分析ではphysical, cognitive, socio-relational, socio-emotionalと推定される4因子が抽出され,これらによって結果全体の66%が説明可能であった.以上より今回作成した日本語版FFSSの妥当性が検証された.今後これを用いて日本人PBC患者の疲労症状について詳細に検討する予定である.
著者
佐久間 絢 上田 朝美 池田 敏明 玉井 謙次 高橋 宏行 佐藤 智行
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.323-327, 2022-07-15 (Released:2022-08-27)
参考文献数
12

心臓外科手術の術中・術後に急性硬膜下血腫を発症した3症例を経験した.発症要因として,既報で論じられているヘパリン化や凝固能異常,マンニトールによる脳容積減少に加えて,術中の手技も発症の一要因としてなり得たのではないかと考察した.今回経験した1症例では,術中のBIS値の急激な低下が早期診断の一助となったが,心臓外科手術後の脳神経障害は,術中や術後の鎮静薬,鎮痛薬の影響で早期発見が困難である場合が多い.人工心肺を用いた心臓外科手術では特に高齢者において急性硬膜下血腫が発症し得ることを念頭に置き,術中に頭部に加わる外力を最小限にすることや,術後に定期的な中枢神経評価を行うことが重要である.
著者
増田 安政 小川 勇 山田 満 西村 仁三 高橋 宏
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.526-530, 1969 (Released:2011-10-19)
参考文献数
14

We investigated the effect of sulphur spring in bathing and its oral use on fasting blood sugar and alimentary hyperglycemia of 24 healthy adults. Mood sugar were measured by Somogy-Nelson's method and following results were obtained.When the temperature of hot spring water was maintained at 40°C, very few cases revealed the increase of blood sugar immediately after bathing, but on the other hand when it was maintained at 43-44°C, more than half of the cases increased, as the time passes by, however, the blood sugar values in the both groups showed the trend toward decrease and no remarkable differences between were noted.While apparent decrease of blood sugar by drinking tap water was not observed after one hour, by drinking of sulphur spring water 6 cases revealed the decrease, and further after 2 hours in the former no influence was found except only one case, but in the latter 8 cases showed apparently the decrease of blood sugar.No significant differences of blood sugar levels were observed between both groups, one administered glucose dissolved in tap water and the other supplied that dissolved in hot spring water orally.When took a bath after drinking of glucose solution, after 2 hours blood sugar showed same level or decreased, but after 3 hours almost all cases decreased as compared with the value before bathing.Those blood sugar lowering effect was supposed to be due to the action of gas such as sulphureted hydrogen through skin and further in its inhalation and further more due tö the thermal stimulus in bathing.

3 0 0 0 標本調査法

著者
鈴木達三 高橋宏一著
出版者
朝倉書店
巻号頁・発行日
1998