著者
丸山 総一 田中 司 勝部 泰次 仲西 寿男 貫名 正文
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science) (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1237-1244, 1990-12-15 (Released:2008-02-14)
参考文献数
20
被引用文献数
8 11

1986年5月から1987年4月までの1年間にわたり, 神奈川県の海岸および墓地に棲息するカラスの新鮮糞便500検体より, 高温カンピロバクターの分離を試みると共に, 分離したC. jejuniについてSkirrowの生物型別ならびにPennerの血清型別を行った. 年間を通じて, 海岸のカラスの糞便270検体中169検体 (62.6%), 墓地のカラスの糞便230検体中106検体 (46.1%) から高温カンピロバクターが検出された. 本菌の月別検出率は, 海岸のカラスでは32.0%から85.0%, 墓地のカラスでは20.0%から75.0%であった. 検出された菌種は, 海岸のカラスでは, C. jejuniが150検体から, C. coliが21検体から, C. laridisが14検体から, 墓地のカラスでは, C. jejuniが80検体から, C. coliが12検体から, C. laridisが16検体からそれぞれ検出された. 両地点のカラス由来C. jejuni192株の多く (91.1%) は生物型Iであった. 192株中169株が20の血清型に分類され, 両地点とも血清型2が最も優勢であった.
著者
伊藤 トモ子 牧 ゆかり 藤原 悦子 山本 りえ 下大迫 祐子 井上 悦子 矢部 博樹 永井 謙一 仲西 寿男 神木 照雄
出版者
日本環境感染学会
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.83-86, 1988-05-20 (Released:2010-07-21)
参考文献数
16

院内感染予防のための効果的な手指消毒法を石ケンと流水による手洗い, ベースン法および速乾性擦拭消毒剤 (塩化ベンザルコニウム・アルコールローション) で検討した.ICU病棟における排便介助後に手指細菌数が増加し, 日常看護業務で手指が細菌汚染を受けることが示唆された.石ケンと流水による手洗いでは除菌率42.5%であり, ベースン法では除菌効果を認めなかったのに対し, 塩化ベンザルコニウム・アルコールローションによる擦拭消毒では除菌率93.1%と高く, 前二者にくらべ有意に優れた除菌効果が認められた.また本剤は皮膚刺激性が少なく, 皮膚炎をおこさないことが重要である手指消毒薬としても推奨されるべき方法と考えられた.