著者
藤井 貴允 戸田 晴貴 石川 博隆 木藤 伸宏 佐々木 久登
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.463-468, 2013 (Released:2013-10-08)
参考文献数
20

〔目的〕本研究は,椅子からの立ち上がり動作(Sit-to-Stand, 以下STS)における加齢変化の影響を,個々の筋が発揮する筋活動と関節モーメントの関係から明らかすることを目的とした.〔対象〕対象はすべて女性で,若年者16名,高齢者16名とした.〔方法〕三次元動作解析装置と表面筋電図を用いてSTSを計測し,下肢の関節モーメントと積分筋電図を解析した.〔結果〕膝関節活動が主体であった高齢者は,最大股関節伸展モーメントよりも最大膝関節伸展モーメントの方が大きく,大殿筋下部線維,中殿筋の筋活動は有意に高値を示した.〔結語〕膝関節活動が主体であった高齢者は,股関節伸展モーメントが低下する傾向を示し,大殿筋下部線維・中殿筋の筋活動を高め,持続的に活動し,STSを遂行することが示唆された.
著者
吉村 理 前島 洋 小林 隆司 峯松 亮 佐々木 久登 田中 幸子 金村 尚彦 白濱 勲二 上田 健人 上田 千絵 渡辺 誠 矢田 かおり 宮本 英高 森山 英樹 加藤 浩 河元 岩男
出版者
広島大学大学院保健学研究科
雑誌
広島大学保健学ジャーナル (ISSN:13477323)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.73-77, 2001

頚髄損傷の評価では,頚髄の損傷の程度と損傷高位が重要である.米国脊髄損傷協会は,脊髄損傷の障害の評価法を発表し,脊髄損傷の神経学的および機能的分類のための国際基準として現在国際的に使用されている.しかし可能性に挑戦するリハビリテーションとしては,より詳細な高位分類が必要である.Zancolli分類は頚髄損傷四肢麻痺の上肢機能を細かく分類し,リハビリテーションからみても車椅子ADLが自立する可能性のあるC6を細かく分けているのは有用である.しかしマット上基本動作,移乗・移動などの動作が自立するか否かの判断に重要な肩甲帯筋群の評価がない.従来肘伸展筋である上腕三頭筋はC7髄節筋であるが,Zancolli分類ではC6髄節残存群のサブグループとしているのは混乱をまねく.そこでZancolli分類を改良し,損傷高位別の機能到達目標を決定するための評価表を作成し,ADLが自立する可能性について検討した.改良Zancolli分類でみるとC6BⅡが車椅子ADL自立の境界レベルである.
著者
川口 浩太郎 梶村 政司 門田 正久 金子 文成 佐々木 真 弓削 類 浦辺 幸夫 佐々木 久登 富樫 誠二
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.291-298, 1996-07-31
被引用文献数
1

(社)広島県理学療法士会は,第12回アジア大会組織委員会より依頼を受け,選手村診療所内に理学療法室を設け理学療法サービスを行った。約4週間の開村期間中に延べ541名の理学療法士が参加し,34ケ国の延べ731名の選手が理学療法室を利用した。処方されたスポーツ外傷の内容は筋疲労に対するものが179件(外傷種類別分類の約60%)と圧倒的に多かった。急性外傷後の処置も約27%含まれていた。治療目的は疲労回復,リラクセーション,除痛などが多かった。理学療法の内容はマッサージ,超音波治療,ストレッチングなどの順に多く,総数は1,512件にのぼった。参加した理学療法士の感想では「語学力不足」や「スポーツ理学療法に対する勉強不足」という項目が多くあげられた。これらは,効果をすぐに出すということが期待されるスポーツ選手に対する理学療法を,公用語である英語を用いて行わなければならなかったためであろう。 本大会はわが国における国際的なスポーツ大会で理学療法士の活動が最も大がかりにかつ組織的に行われた最初のものと位置づけられる。