著者
渡辺 誠
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.19-46, 1966-04-10 (Released:2008-02-26)
参考文献数
74

1. In the Jomon Period, Neolithic culture of Japan, 495 fish-hooks have been recovered from 77 sites, of which 430 are one-piece hooks, and 65 two-piece hooks. However, no composite hook has ever been found.2. One-piece hooks are classified into six types: (1) non-barbed; (2) out-barbed; (3) in-barbed; (4) both-barbed; (5) stem-barbed; (6) anker-type, and of these hooks non-barbed and out-barbed are most popular. In other words, it may well be said that these six types can be classified into two groups such as non-barbed (Type 1) and barbed (Type 2-6). In general, it can be said that the former, taking the form of medium size (3-5 cm.), has been found throughout the Jomon Period and widely distributed. The latter, however, has made a remarkable progress since the later phase of the Stage 3 (i, e. Jomon Period is divided into five stages), and includes many large-sized specimens beside the medium-sized ones. At the same time, it must be remembered that the increase of the absolute quantity has become more conspicuous, though its distribution is comparatively limited.3. Two-piece hooks are classified into six types (A-F). Unfortunately, we are obliged to make a study of mainly Types A, E and F because of the lack of the specimens of the other types. Type A found during the Stage 1 comprises chiefly the medium-sized two-piece hooks which are similar to the non-barbed type of one-piece hook in their size, and Type E and F consist of large- or remarkably large-sized specimens. Hence it can be said that Types E and F are a sort of form that promoted progressively the tendency to make larger fish-hooks like the barbed type of one-piece hook.4. A study of fish bones found in the shell mounds provides us with information that fish-hooks were mainly used for the capture of such fishes as Pagrosomus unicolor (QUOY & GAIMARD), Euthynnus pelamys (LINNÉ) and Thynnus thynnus (LINNE), though the last is rare. It seems safe to suppose that the fish-hooks of medium size might correspond to the use of the capture of Pagrosomus unicolor, and those of large size to Thynnus thynnus: in particular the latter seems to have been bartered as a major materials.5. It may be explained that the phenomenon that fishery by angling, which had been developed since the later phase of the Stage 3, was more positively selecting fishing places in the Stage 5 indicates the appearance or development of a group of houses specializing in the fishery.6. 96.6 per cent of fish-hooks are made of deer antler, and the Types E and F of two-piece hook are of ideal perfection of technical development which has succeded in meeting the demand of mass production of the large-sized fish-hooks within the restriction of the material-antler. However, this restriction of the material seems to have been dissolved by the diffusion of Yayoi culture in the succeeding period.7. Such a technical development was made along the Pacific coast of northeast Honshu, where the sign of this advance had been recognized in the later phase of the Stage 3, and especially in this coast the Bay of Sendai must have played a leading part in making a remarkable progress.8. From the extensive point of view, the sites containing the fish-hooks are concentrated along the Pacific coast of central and northeast Honshu, and are very rare in the prefecture bordering the Japan Sea and in southern Honshu and Hokkaido. It is noteworthy that the areas of heaviest concentration of the sites from which the fish-hooks have been recovered corresponds to the areas where the Jomon culture most flourished.
著者
吉本 洋子 渡辺 誠
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.27-85, 1994-11-01 (Released:2009-02-16)
参考文献数
280

従来人面把手とよばれていたものは,実際には把手としては機能せず,宗教的機能をもった装飾と考えられる。本稿は,その宗教的機能を解明するための基礎的研究として,それらの時期的・地理的分布を明らかにすることを目的にしている。そのために機能の違いを想定して煮沸用の深鉢形土器に限定し,他の器種と区別した。その分布は北海道から岐阜県にかけての東日本に集中し,293遺跡より443例出土していることが判明した。人面装飾付土器が主体で94%を占め,土偶装飾付土器は少ない。人面装飾付土器は形態上4類に分類される。I類は胴部に,II類は口縁部に,III類は口縁部上に人面装飾がみられる。そしてIV類はIII類がさらに発達して大型化・立体化したもので,顕著に把手状を呈するようになる。それらのうち始めに出現したのはII類で,縄文時代前期前葉である。中期初頭にはIII類の発達が著しく,中期前半にはIV類が発達し,併せてI類や土偶装飾付土器もみられるようになる。しかし中期後半には急速にIV類などが減少し,もとのII・III類のみになる。地域的にみても,IV類は主に長野県・山梨県・東京都に集中している。時期的にも地理的にも勝坂式文化圏に相当し,同文化圏の代表的な遺物である。IV類の特徴である大型化などについて,それを客観的に理解できるように顔面サイズの測定を行った。その結果I~III類とIV類との大小2群に分かれることが判明した。しかし正確にはIV類にも大小2群が含まれていて,共存している。そのサイズは,高さ・幅とも13cmが目安である。その顔が成人女性であることは,耳飾りをつけていることから明らかである。そのうえ出産を表現した例さえある。また頭上や向かいあって男性を示すマムシとセットをなすことがあり,性的結合によって生じる新しい命としての食べ物を,神と共に食べた宗教的な行事を示唆している。そのうえその直後に,けがれを恐れて底を抜いたことを証明するような埋設例もみられるのである。時期的・地理的分布状態の正確な把握を基礎として,原日本文化である縄文文化の精神世界を実証的に明らかにしていきたい。
著者
吉本 洋子 渡辺 誠
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.6, no.8, pp.51-85, 1999-10-09 (Released:2009-02-16)
参考文献数
116
被引用文献数
1

筆者達は1994年刊行の本誌第1号において,人面・土偶装飾付土器のうち主流である深鉢形土器の場合について集成し,分類・分布・機能などの基礎的研究を行った。その後釣手土器・香爐形土器・注口土器,および関連する器形についても検討し,縄文人の死と再生の観念がさまざまな形をとって表現されていることが明確になってきた。そしてそれらの時期的・地理的分布範囲はすべて深鉢形土器のなかに包括されることが確定的になってきたため,深鉢の分布範囲についての基礎的研究は絶えず検討を加えておく必要性があると考え,その後5年間の増加資料を集成した。人面・土偶装飾付土器は,1994年では443例であったが,今回約36%増加し601例となった。しかし北海道西南部から岐阜県までという範囲には変化はみられず,四季の変化のもっとも顕著な落葉広葉樹林帯を背景としていることが確定的になった。その範囲内にあっては,山梨・福島県に増加率が高く,前者は特に最盛期のIV類の中心地であることをよく示している。また後者は隣接地域も含め,従来一般的に意識されている中部地方ばかりが,人面・土偶装飾付深鉢形土器の分布域ではないことを明示している。時期的にも,縄文中期前半に典型的な類が発達することには変化はないが,従来断片的であった前期の例が増加したことは,獣面把手から人面把手へ発展したという見方の成立し難いことが明確になった。そしてそのなかには炉内で五徳状に毎日火にかけられていた,機能的にも重要な例も含まれている。逆に後・晩期の例も増加し,弥生時代の人面・土偶装飾付深鉢や壷形土器への連続性も,一段と明らかになってきた。機能的には,足形の把手状装飾が新潟・福島県から青森県にかけてみられ,そのうえ福島県ではそれと人面とが同一個体のなかにセットでみられるものも出土し,女神の身体から食べ物が生み出される様子が一段と明確になってきた。
著者
北本 勝ひこ 三宅 優 渡辺 誠衛 中村 欽一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.53-58, 1985-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

白米の胚芽残存率と, それを用いて仕込んだ清酒のアミノ酸度との間に, 高度な負の相関が認められたので, それを確認するために胚芽単独に添加した仕込を行い, その効果を確認した。胚芽添加仕込により得られた清酒は, 次のような成分的特徴を持っていた。1. アミノ酸度, 総窒素, OD260, OD280, 酸度等は胚芽の添加量に応じて減少した。特にアミノ酸度は対照の50%となった。2. 各アミノ酸のうち, オルニチン, トリプトファン, プロリンを除いてすべて減少したが, 顕著な減少を示したアミノ酸のなかに高級アルコールの生成に関与するバリン, ロイシン, イソロイシン等のアミノ酸の減少が含まれ, それに相応する高級アルコールが増加した。3. 有機酸のうち, 清酒にとって好ましくない酢酸, ピルビン酸の減少が顕著だった。終りに, 御校閲頂いた醸造試験所所長, 佐藤信博士および第6研究室室長, 吉沢淑博士に感謝いたします。
著者
遠藤 康男 只野 武 中村 雅典 田端 孝義 渡辺 誠
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

遠藤らの研究成果に基づく仮説“筋肉疲労が筋肉組織からサイトカインのinterleukin(IL-1)を遊離させ,この因子が筋肉組織にヒスタミン合成酵素のHDCを誘導し、持続的なヒスタミンの産生をもたらし,顎関節症などにおける筋肉痛を引き起こすのではないか?"を検討し,以下の結果を得た.(1)マウスの大腿四頭筋と咬筋を電気刺激すると,刺激の強さに比例してHDC活性が増加する.(2)強制歩行(筋肉運動)により、大腿四頭筋のHDC活性は歩行時間に比例して増加する.(3)筋肉でのHDC誘導に肥満細胞(ヒスタミン貯蔵細胞)は関与しない.(4)抗ヒスタミン剤のクロルフェニラミン(CP,ヒスタミンH1受容体の遮断薬)と,これまで臨床的に使用されてきた消炎鎮痛薬(プロスタグランジン合成阻害薬)のフルルビプロフェン(FB)について,顎関節症患者への臨床効果を比較した.CPでは,肩こりや頭痛などの併発症状の改善も含め,約80%の患者に対し改善効果が認められ,一方,FBでは改善効果は約40%であり,副作用の胃障害のため,投与中止のケースも生じた.CPでは,副作用はよく知られている眠気だけであった.(5)IL-1をマウスに注射すると,種々の組織でヒスタミン合成酵素のHDCが誘導されるが,大腿四頭筋および咬筋においてもHDCが誘導される.IL-1による筋肉でのHDC誘導は,電気刺激や運動の場合よりも速やかに起こり,IL-1は1μg/kgの微量の用量でHDCを誘導する.(6)マクロファージや血管内皮細胞は免疫学的刺激により,IL-1を産生することが知られる.筆者らは筋肉疲労もIL-1の産生をもたらすのではないかと予測し,IL-1の抗体とmicro ELIZA systemを用いて,血清中のIL-1の測定を試みたが,検出出来なかった.そこで,筋肉組織について,組織化学的にIL-1の検出を試みた.その結果,筋肉組織にはIL-1のβ型が存在し,毛細血管にも分布するが大部分は筋肉細胞のミトコンドリアに分布し,非運動時にも存在することを発見した.IL-1βは不活性な前駆体として合成され,酵素のプロセシングにより活性型に交換され細胞外に遊離されると言われる.従って,この発見は上記の仮説を補強する。しかし,非運動時の筋肉ミトコンドリアでの存在は予想外の発見である.(7)従来より疲労物質と考えられてきた乳酸が筋肉のHDC活性を調節する可能性は少ないものと思われる.(8)運動による筋肉でのHDC誘導の程度は,性差や年齢差,トレーニングの有無,マウス系統の違いなどで異なる.高齢マウスでは高いHDCの活性が誘導され,また,トレーニングはHDC活性の誘導を抑制する.以上の結果より筋肉疲労について次のメカニズムが想定されるに至った,IL-1β前駆体(血管内皮細胞および筋肉ミトコンドリアに分布)→運動に伴うミトコンドリア活性化/プロセシング酵素の活性化→活性型IL-1βの遊離→IL-1βによる血管内皮細胞の刺激→血管内皮細胞におけるHDCの誘導→ヒスタミン産生と放出→細胞脈の拡張,血管透過性亢進,筋肉痛(警告反応)→血液・筋肉細胞間の物質交換亢進/休息→疲労回復.また,本研究において,抗ヒスタミン剤は顎関節症の治療に有効な手段となることが示唆され,さらに,筋肉ミトコンドリアでのIL-1βの発見は,IL-1βによる筋肉細胞の調節という新たな研究の展開をもたらした.
著者
渡辺 誠治
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.175, pp.88-99, 2020-04-25 (Released:2022-04-26)
参考文献数
7

非情物の存在を表す日本語の最も基本的な文の形式に「~ニ ~ガ アル」がある。しかし,現実の言語使用では「アル」の使用に制限が見られ,むしろ「V テイル」が用いられるケースが少なくない。日本語教育の観点から言えば,存在 (表現) は極めて重要な表現の一つであり,「アル」「V テイル」はともに基本的な学習項目であるが,その使い分けの条件は十分に明らかにされていない。 本稿の目的は,非情物の存在を表す「(存在場所) ニ (存在物) ガ{アル/V テイル}」という形の文における「アル」と「V テイル」の使い分けの条件を明らかにすることである。本稿では用例の分析に基づき「移動過程」「意志性」「一体性」という3つの条件が「アル」と「V テイル」の使い分けに強く関与していることを主張する。
著者
前田 保夫 山下 勝年 松島 義章 渡辺 誠
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.213-222, 1983-11-30 (Released:2009-08-21)
参考文献数
20
被引用文献数
5 6

A large shell mound called Mazukari shell-mound (YAMASHITA, 1978) was found in 1978 to be buried 12m under the ground surface, at Utsumi Town in the south part of the Chita Peninsula, Aichi Prefecture in Central Japan.Several hundred pieces of Kozanji-type pottery (the middle Earliest Stage of Jomon Age) are included in the collected remains. Tegillara granosa, dated at 8, 330±260y.B.P. (GaK-7950) occurred with these potteries. Many kinds of fossil shells, foraminifers as well as Akahoya Tephra (about 6, 300y.B.P.) were found in the Mazukari shell mound. These features and the 14C dating suggest that the sediments were formed by Jomon Transgression.There are Hayashinomine shell-mound, Shimizunoue shell-mound, Otofukudani remains and Shimobessho are near the Mazukari shell-mound. The following sea-level changes since 9, 000y.B.P. are deduced from the elevation of these remains and the upper limit of marine the sediments.ca. 9, 000y.B.P. ca-14mca. 7, 000y.B.P. ca+1mca. 6, 000y.B.P. ca+4.5-5.0mca. 4, 500y.B.P. ca+1mca. 3, 000y.B.P. ca+2m
著者
吉本 洋子 渡辺 誠
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.12, no.19, pp.73-94, 2005-05-20 (Released:2009-02-16)
参考文献数
64

筆者達は1994年刊行の本誌第1号,および1999年の第8号において,人面・土偶装飾付深鉢形土器について集成と追補を行い,分類・分布・機能などの基礎的研究を行った。さらに今回追補2としてその後の増加資料を検討した。人面・土偶装飾付深鉢形土器は,1994年までは443例であったが,1999年では601例となり,今回では750例となつた。平均して毎年約30例ずつ増加しているのであるが,1999年と今回の内容を検討すると,増加傾向には大きな変化はみられず,基礎的研究は終了できるようになったと考えられる。分布においては北海道西南部から岐阜県までという範囲に変化はみられないが,その間の秋田県・富山県などの空白地帯が埋まり,落葉広葉樹林帯の分布と一致していることが一段と明確になった。時期的にも,縄文中期前半に典型的な類が発達することには変化はないが,前期の例が増加している。後氷期の温暖化が進み,日本列島の現状の森林帯が回復した時期もまた縄文前期である。四季の移り変わりのもっとも顕著な落葉広葉樹林帯と,人面・土偶装飾付土器の分布が一致することは,その機能を考える上できわめて重要である。冬期に弱まった自然の力の回復を,死の代償として豊かさを求める女神像に重ね合わせる,縄文宗教の形成を強く示唆している。基礎的研究の上にこれらの研究を本格化させる段階に入ったと言えるであろう。
著者
土屋 和雄 渡辺 誠治 山田 克彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.58, no.549, pp.1366-1370, 1992-05-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

This paper deals with a mathematical model of the mechanics of rigid bodies connected by rotary joints. The method is based on the Lagrangian formulation. The kinetic energy is written in terms of the angular velocities. The expression for the kinetic energy has a homogeneous quadratic form in the angular velocity, the coefficient matrix of which is given by the products of triangular matrices. The equations of motion are derived from the Lagrange's equations for the quasi-coordinates, the angular velocities of the bodies. The equations of motion become recursive forms due to the structure of the expression of the kinetic energy of the system. The algorithm of the inverse dynamics, which follows from the equations of motion, becomes also a recursive form like the algorithm based on the Newton-Euler equations of motion. Since the algorithm is based on the Lagrangian formulation, it can be extended to more complex systems that include flexible bodies, the constraints of which limit the motion of the systems, and so on.
著者
佐藤 信晴 杉山 和雄 渡辺 誠 シャクルトン ジョン
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.48-49, 1999

The purpose is to understand structue of hole line up and find feature and relation among each categories.Audio products were classified in 3 categories. As a result ithas become clear distribution map is almost same.But each categories have own features.
著者
渡辺 誠一
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 教育科學 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.369-379, 2001-02-15

本稿は,リチャード・マルカスタ一の教育論の考察を通して,イングランドの後期ヒューマニストの教育論の特微とその背景,およびその教育史的意義を明らかにすることを課題としたものである。 マルカスターの教育論の主たる特徴は,前期ヒューマニストが古典語を重視したのに対し,彼らは母国語(英語)教育を重視したことである。その理由・背景は,宗教改革による福音主義の浸透に加え,ナショナリズム,英語の普及・標準化,国語意識の目覚めなどがある。 また, もう一つの特徴は,身体の訓練の必要性・重要性を唱えたことである。この主張の理由.背景は,彼が,身体を「肉(fresh)」と捉える観念的・教条的な見方から脱却し,身体と精神の関係を善悪や喜怒哀楽の「協同者(copartner)」とみたからである。 マルカスターの教育論は,前期ヒューマニストの教育論の古典主義を超えて,ラトケやコメニウスの母国語重視の教育や国民教育の構想,さらにロックの健全な身体と健全な精神を結びつけた教育論につながる位置にある。 Summary : This paper's aim is to study on Richard Mulcaster's thought conceming education. He was one of the humanists at the later English Renaissance. He was the headmaster of Meacant Taylors' School from 1561 to 1581, and St Paul's School from l596 to 1608. One of his main opinions is to make much of teaching English. The causes of the opinion are the spread of evangelicalism as the result of the Reformation, nationalism, popularizatin and standardization of English, and becoming conscious of mother tongue. Another proposition is to encourage training body. The reason is that he thought the soul and the body being copartners in good and ill, in sweet and sour, in mirth and mourning, and having generally a common sympathy and a mutual feeling in all passions. Mulcaster's thought concerning mother tongue was taken over by Wolfgang Ratke (1592-1635) and Jan Amos Comenius (1592-1670). And another propositin of training body was taken over by John Locke ( 1632-1704).
著者
林部 林平 渡辺 誠一 伊藤 秀明
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.23-28, 2002 (Released:2003-03-28)
参考文献数
9

The authors produced a driving circuit for resistive humidity sensor using the timer IC and applied it to the thermo-hygrometer. This paper describes as follows: (1) a simple driving circuit using the timer IC was produced and the theoretical equation of its oscillating frequency was derived. (2) relative humidity as low as 10 %RH could be measured using the driving circuit for resistive humidity sensor. (3) the measurement error of the thermo-hygrometer using the driving circuit was achieved within ± 3 %RH above 30 %RH.
著者
渡辺 誠衛 大野 剛 田口 隆信
出版者
秋田県総合食品研究所
雑誌
秋田県総合食品研究所報告 (ISSN:13453491)
巻号頁・発行日
no.9, pp.20-26, 2007
被引用文献数
4

「色は琥珀色、香りは果実・花様で、さわやかな酸味のファッショナブルでリーズナブルな日本酒」をコンセプトに、アルコール4?5%の新タイプの清酒の開発を目的とした。果実・花様の香りはρフルオロフェニルアラニン(FPA)耐性株からβフェネチルアルコール・酢酸βフェネチル高生産株を分離し、ほのかなバラ様の香りを付与した。さらに、その酵母からレプリカ法により、アルコール感受性酵母から低アルコール生成酵母を分離した。さわやかな酸味は、清酒製造場から分離した優良乳酸菌を利用し、琥珀色は85℃で処理した焙煎麹を用いた。また、トランスグルコシターゼ酵素を用いることにより、非発酵性オリゴ糖の含有量を高め、味にふくらみを付与することができた。試作品は、ほぼ目標の成分と酒質となり、新しいタイプの清酒の1つの製造方法として提示することができた。
著者
内田 靖 雫 稔弘 山本 俊 赤木 収二 渡辺 誠 木下 芳一
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.322-326, 1999-05-25 (Released:2010-02-22)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

症例は74歳男性, 無職. 平成6年11月23日, 発熱と肝機能異常にて当院内科に入院. 原因は特定されず約2週間後に自然に解熱し, 退院となった. 平成7年3月中旬から再び同症状が出現したため, 4月5日再入院. 38℃台の発熱が持続したが, 検査所見ではCRP強陽性, 中等度の肝機能異常を認める以外に著変なく, 肝炎ウイルスおよび他のウイルスマーカーも全て陰性であった. この際初めて, 平成6年9月から初回入院迄, および退院後から再入院迄, 健康食品であるクロレラ製剤の服用が明らかとなった. そのため同製剤の服用中止にて経過観察し, 解熱および肝機能の改善が認められた. 同製剤に対するリンパ球刺激試験は陽性であり, 臨床経過から偶然の再投与による肝機能障害と考えられた. 以上から, クロレラ製剤による薬物性肝障害と診断した. 解熱後施行した腹腔鏡検査所見および肝組織像も薬物性肝障害に矛盾しないものであった.