著者
佐々木 銀河
出版者
筑波大学 (University of Tsukuba)
巻号頁・発行日
2016

この博士論文は全文公表に適さないやむを得ない事由があり要約のみを公表していましたが、解消したため、令和元(2019)年5月21日に全文を公表しました
著者
青木 真純 佐々木 銀河 真名瀬 陽平 五味 洋一 中島 範子 岡崎 慎治 竹田 一則
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.133-143, 2019 (Released:2020-12-03)
参考文献数
21

ノートを取ることの困難さを主訴とした大学生1名に対し,ノートを取るための方略生成と精緻化のプロセスを支援することで方略変容が生じるか,またそれがノートの内容にどのような影響を及ぼすかを検討した。支援開始前に心理教育的アセスメントを行ったところ,言語的な知識や,聴覚的短期記憶は保たれているものの,注意の向け方の独特さや,全体の見えにくさ,ワーキングメモリの弱さ,視覚的短期記憶の弱さ,注意の切り替えの難しさといった認知特性が想定され,これらがノートを取ることの困難さに関連した背景要因として考えられた。これらをふまえ,支援の中では,対象者に友人のノートと自分のノートを比較させ,方略を生成することを促し,言語化させた。その結果,対象者は多くの情報を記載するための方略や情報の取捨選択を行うための方略を生成し実行した。それによってノートに書かれた情報の不足を補うことが一定程度可能となった。
著者
青木 真純 佐々木 銀河 真名瀬 陽平 五味 洋一 中島 範子 岡崎 慎治 竹田 一則
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.133-143, 2020

ノートを取ることの困難さを主訴とした大学生1名に対し,ノートを取るための方略生成と精緻化のプロセスを支援することで方略変容が生じるか,またそれがノートの内容にどのような影響を及ぼすかを検討した。支援開始前に心理教育的アセスメントを行ったところ,言語的な知識や,聴覚的短期記憶は保たれているものの,注意の向け方の独特さや,全体の見えにくさ,ワーキングメモリの弱さ,視覚的短期記憶の弱さ,注意の切り替えの難しさといった認知特性が想定され,これらがノートを取ることの困難さに関連した背景要因として考えられた。これらをふまえ,支援の中では,対象者に友人のノートと自分のノートを比較させ,方略を生成することを促し,言語化させた。その結果,対象者は多くの情報を記載するための方略や情報の取捨選択を行うための方略を生成し実行した。それによってノートに書かれた情報の不足を補うことが一定程度可能となった。
著者
藁科 遼 野呂 文行 佐々木 銀河
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.91-102, 2021-03-31 (Released:2021-09-30)
参考文献数
15

本研究では、障害学生向けインターンシップを実施している企業の担当者を対象に、インターンシップ実施のプロセスとその要因を明らかにすることで企業での障害学生向けインターンシップ促進に向けた基礎資料を得ることを目的とした。修正版グラウンデット・セオリーを用いて分析した結果、社内資源・理念が整っており、障害学生受入が社内への還元に繋がるといったプロセスを支える力が障害学生向けインターンシップ導入・継続の促進要因となることが示された。一方で、企業と大学での連携の難しさ、就労支援領域の課題から生じたインターンシップを躊躇させる要因といった自社外での課題が障害学生向けインターンシップ導入の阻害要因や実施する上での負担のひとつとなることが示唆された。今後、障害学生向けインターンシップが広がるために企業と大学が密接に連携をとること、支援体制を整えること、障害者雇用に対する意識変革をすることが重要である。
著者
大石 智子 佐々木 銀河 野呂 文行
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.81-90, 2017-03-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
11

本研究では、自閉スペクトラム症幼児1名に対して、モーラリズムタッピングを用いて物品名称の音声模倣指導を行い、介入手続きの各構成要素が正確なモーラ単位での音声模倣に及ぼす効果を検討することを目的とした。また、命名スキルにも刺激性制御が転移するかを検討した。発音のアセスメントを行った後で、モーラリズムの音声提示、指導者によるタッピングモデル提示および対象児によるタッピングのガイダンスを継時的に導入した。結果、指導者が音声モデルを提示するよりも、指導者と対象児が音声モデルのモーラに合わせてカードをタッピングする方が正確なモーラ単位での音声模倣および命名スキルの促進に有効であった。この結果について、音声表出における弁別刺激の明瞭化や刺激性制御の転移の観点から議論した。
著者
青木 真純 佐々木 銀河 中島 範子 岡崎 慎治 竹田 一則
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.165-175, 2020-11-30 (Released:2021-05-25)
参考文献数
35

ASD、ADHDのある大学生に対してDN-CAS認知評価システムを年齢外適用し、知能のPASSモデルに基づく神経心理学的な認知特性ならびに「プランニング」の下位検査遂行中の使用方略の特徴を明らかとすることを目的とした。その結果、ADHD群は「注意」の得点が定型発達学生(TD)群と比べて低く、ADHD群の中核症状である注意制御の困難さを反映したものと考えられた。また、使用方略の特徴について、ADHD群、ASD群ともに「プランニング」の標準得点はTD群との差がみられなかったが、ADHD群では報告方略数が少なく、かつ方略得点が低いことから、方略を意識化して選択し、使用するようなセルフモニタリングの弱さが推察された。また、ASD群では、方略数には差がみられなかったものの、方略得点が低かったことから、TD群の多くが使用する方略とは異なる方略を使用した学生が多かったことを示すものと推察された。
著者
佐々木 銀河 青木 真純 五味 洋一 野呂 文行
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.221-230, 2017-03-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
12

本研究では、自閉スペクトラム症のある大学生1 名に対して行動契約法を導入し、学生による自主学習が促進されるかを検討した。初回来談時のアセスメントの結果をもとに支援計画を立案した。まず、自主学習時において取り組む問題数を設定する目標設定を行った。その後、目標を書面化し、対応する強化子の提供等を明記した行動契約法を導入した。行動契約法の後で、再び目標設定のみによる自主学習の促進効果を評価した。その結果、目標設定のみでは自主学習は促進せず、行動契約法によって自主学習が促進されることが示された。この結果について、行動契約法で設定される強化子の設定・管理および障害学生支援としての意義について検討した。
著者
末富 真弓 五味 洋一 佐々木 銀河 中島 範子 末吉 彩香 杉江 征 名川 勝 竹田 一則
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.163-172, 2019-03-31 (Released:2019-10-01)
参考文献数
14

高等教育機関において発達障害学生数は年々増加しており、進路・就職に関する課題も様々検討されるようになった。発達障害学生の就職支援を考える際には、発達障害学生特有の課題を理解し、個々の障害特性に応じ包括的に検討することが重要となる。しかしながら、専門性も求められるため、学内リソースだけではなく学外の支援機関や各種プログラムなどとの連携も支援の柱となる。そこで、本研究では、発達障害学生を対象に学外リソースを活用した模擬職場体験を中核とする「就職準備講座」プログラムを開発・提供し、その効果について検討した。結果、2016年度及び2017年度の本プログラムに参加した学生12名より協力が得られ、就職に対する準備性の向上、及び障害特性のアセスメント機能についての効果があったことが考察された。
著者
佐々木 銀河 青木 真純 五味 洋一 竹田 一則
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.247-256, 2018

<p>大学の障害学生支援部署で修学支援を受ける発達障害のある学生9名を対象に、学生による修学支援の効果評価を予備的に実施した。研究の目的は、修学支援の効果を肯定的に評価した学生および修学支援の効果が見られなかった学生の特徴を明らかにすることであった。各学生に対して支援開始前(4~6月)および支援を行った後(翌年1~3月)において修学支援の効果に関するアンケートへの回答を依頼した。その結果、修学支援の後にアンケート得点の有意な増加が見られた。修学支援の効果を肯定的に評価した学生の特徴として「音声の聞き取り」や「時間管理」に関する課題を有していたことが明らかとなった。一方で、支援の効果が見られなかった学生では「講義の出席」に関する課題を有していた。今後は、講義に出席すること自体に困難を有する学生への修学支援のあり方について検討すること、修学支援の効果評価における信頼性や妥当性を向上させることが課題として挙げられた。</p>