著者
鈕 龍 [マツ]本 真佑 佐伯 幸郎 中村 匡秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.110, pp.73-78, 2014-06-19

近年,センサ技術や無線技術の飛躍的な進歩に伴い,屋内測位システム(Indoor Positioning System,IPS)の研究が盛んである.また,屋内位置情報を用いた屋内ロケーションアウェアサービス(Indoor Location-Aware Service,InLAS)に注目が集まり,いくつの実用化事例も登場している.しかしながら,現状では,IPSとInLASが密結合しているため,InLASが複雑化し開発効率が低下してしまう.先行研究で,IPSで得られる屋内位置情報をその目的や用途,推定手段に依存せずに,中立的に表現するためのデータモデルData Model for Indoor Location(DM4InL)を提案している.本研究では,DM4InLを基づいて,InLASのための屋内ロケーション問い合わせサービス(Indoor Location Query Services,ILQS)の実現を目指し,ILQSのAPIを検討する.これらのAPIを利用することで,InLASの開発者はIPSの詳細な実装を知らなくても屋内情報を取得することができ,効率的なInLAS開発を実現できる.
著者
増田 哲也 渡邉 雄一 松本 真佑 佐伯 幸郎 中村 匡秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.479, pp.89-94, 2014-02-28

従来多くのコンテキストアウェアサービスでは,表現可能なコンテキストが現在の状況に限定されていた.そこで我々は先行研究において,ホームネットワークシステム(HNS)に蓄積された住宅ログを活用することで,過去の状況も考慮したより高度なコンテキストを表現する手法を提案している.この先行研究では,住宅ログを用いたコンテキスト(ログコンテキスト)の定義と活用について提案を行っているが,具体的なシステムの実装にはいたっていない.そこで本研究では,実際のHNS環境(CS27-HNS)で蓄積している環境センサの値とそのログに対象を絞り,それらを利用した環境ログコンテキストを取得するシステムを設計・実装する.実装においては,ログコンテキストをできるだけ容易に作成・管理できるように,システムをアプリケーション,ログコンテキスト,ログクエリ,DB接続の4つのレイヤで構成した.また実装したシステムを利用して, CS27-HNSにおいて実用的な環境ログコンテキスト「昨日より5℃以上寒い」「ここ数年で最も寒い」を定義し,システムを通して実際に取得できることを確認した.
著者
井垣 宏 福安 直樹 佐伯 幸郎 柗本 真佑 楠本 真二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.701-713, 2015-02-15

ソフトウェア開発教育の一環として,ScrumやXPといったアジャイルソフトウェア開発を採り入れたチームによるソフトウェア開発演習を実施する大学が増加しつつある.一方で,演習によるアジャイルソフトウェア開発教育には複数の課題が存在する.代表的なアジャイル開発フレームワークの1つとして知られるScrumでは,プロジェクトを検査し,自己組織的にプロジェクトの状況に適応し続けることが求められる.しかしながら,チームでの開発経験が少ない受講生には,プロジェクトの状況がどうであるかを検査すること自体が困難である.また,受講生によるチーム開発では,担当するタスクの種類や量が偏りがちである.我々はこれらの課題の解決を目指し,チケット駆動開発と呼ばれる開発手法とScrumフレームワークを組み合わせることにより,プロジェクトを定量的に評価する枠組みを構築した.実際に我々のプロジェクト定量評価の枠組みを用いてチームによるソフトウェア開発演習を実施し,複数の定量評価基準に基づいて,チームごとのプロジェクト評価を実施した.The universities which teach agile software development, such as Scrum and XP are increasing in number. On the other hand, there are some problems in agile software development exercise. The Scrum known as one of the leading agile software development framework requires inspection and adaptation of projects. However, it is difficult for students with few team software development experiences to inspect their projects. Moreover, the kind and quantity of the tasks which each student takes charge of tend to become imbalanced. In this paper, we propose a framework which combines a ticket management system and the Scrum for quantitative evaluation in team software development exercise. We conducted practical software development exercise with using our framework as a case study.
著者
井垣 宏 福安 直樹 佐伯 幸郎 柗本 真佑
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1266-1269, 2013-11-15

ソフトウェア開発を伴うPBLでは,コンパイラや統合開発環境,版管理システムといった演習環境の導入,保守に関する課題と開発プロセスを受講生に如何に重視させるかという課題が存在する.我々は演習環境をクラウド化(PBL as a Service)することで,演習環境の導入コストの削減と受講生のモニタリングを実現した.クラウド化された演習環境を前提とすることで,プロジェクトにおけるプロセスの定量的評価尺度の策定が可能となり,プロセスを重視したPBLを実施できるようになった.