著者
佐古 和恵 古川 諒 小出 俊夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J100-B, no.11, pp.893-900, 2017-11-01

本論文では,ブロックチェーンを履歴データを管理する台帳モデルとして切り出し,そのモデルの見地に立った際のブロックチェーン技術の分類について論じる.本モデルがブロックチェーン技術の活用を検討するサービスやシステム設計者に対して,ブロックチェーン採用の一助となるべく,各分類に対しての課題や期待されるメリットについて述べる.更に,本モデルに基づいた社会実装に対する考察について,ブロックチェーンを活用した公平性を検証可能なオンラインゲームを一例に論じる.
著者
佐古 和恵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.112-116, 2000-02-25

情報秘匿や認証を目的として研究開発された暗号技術を応用すると, ネットワーク上での公平性を保証したり, プライバシーを保護するといった新しい機能が提供できる.本稿では暗号プロトコルを利用して公平性を保証する電子抽選手法, 投票の秘密を確保しながら不正投票, 不正集計を防止する電子投票手法, 落札値以外の入札値を秘匿したまま落札値が最小であることを保証する電子入札手法について紹介する.電子化に伴うデメリットを解消し, 紙ベースのシステムにはない新機能を提供する暗号プロトコルの研究は, よりよい社会システムの実現に大きく寄与する.
著者
佐古 和恵 米沢 祥子 古川 潤
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.410-416, 2006-04-15

セキュリティのために本人確認がいたるところで行われているが,これは誰がどこで何をしていたかという情報が管理されてしまうことになり,プライバシの問題を引き起こしかねない.そこで,本稿では,セキュリティとプライバシの両立を考慮した匿名認証技術について,グループ署名と呼ばれる暗号プロトコルを中心に紹介する.
著者
佐古 和恵 森 健吾
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1_48-1_57, 2008-07-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

2008 年1 月に開催された暗号と情報セキュリティシンポジウム(通称SCIS) において、恒例のSCIS 論文賞投票が従来の紙投票に加えて電子投票も可能になりました.本稿ではそのネットワーク型電子投票のしくみならびに実施結果について紹介します.
著者
佐古和恵 福島俊一
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.43-52, 2015-01-15

プライバシーフレンドリーなシステムをどう規定するかは,国や社会の在り方に深く関わるものである.これを巡る環境・動向として,企業や消費者の意識,日・米・欧の違い等に目を向けつつ,プライバシーフレンドリーなシステム・社会の実現に向けた課題や提言にも話が及んだ.
著者
佐古 和恵
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J96-A, no.4, pp.139-148, 2013-04-01

IDを使わずにユーザの正当性を認証する匿名認証技術を紹介する.IDをひもづける名寄せによるプライバシー侵害を防止できるとして,実用化に向けたプロジェクトが欧州でスタートし,ISO/IECでは標準化が進められている.匿名認証技術はグループに基づく方式と,それを一般化した属性に基づく方式,そしてブラインド署名に基づく方式の三つに大別される.それぞれを紹介するとともに,匿名認証に特有な無効化についても言及する.