- 著者
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赤木 泰文
小笠原 悟司
竹本 真紹
藤田 英明
佐藤 之彦
市川 修
深尾 正
数乗 有
- 出版者
- 東京工業大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2000
現在,高エネルギー加速器研究機構が中心になって計画を進めている大型ハドロン計画(JHL : Japan Hadron Facility)の50GeV陽子加速器には55MWの高性能・大容量の電磁石電源が必要となる。この電磁石電源は,電磁石電流が0〜5kA,有効電力が+55MW〜-55MW,周期約4秒で激しく変動する。しかも陽子加速器はひとたび実験に入ると,昼夜を問わず2,3週間の連続運転が行われる。このような連続した激しい電力変動は,周囲の配電系統だけでなく上位の電力系統に種々の障害を引き起こす恐れがあるため,電力変動の抑制を目的とした電力補償装置の設置が必要不可欠となる。本研究では,加速器電磁石電源の電力変動を抑制する交流励磁フライホイール発電機システムの開発を目的としている。具体的には理論解析とコンピュータシミュレーションをベースに,7.5kW実験システムを設計・製作し,交流励磁フライホイール発電機システムの有効性を実証しようとするものである。本研究の成果は,以下のように要約することができる。1.立型フライホイール発電機を設計した。次に,交流励磁用PWMコンバータ・インバータを設計・製作し,7.5kW実験システムの基礎特性を評価した。2.交流励磁フライホイール発電システムの新しい制御法として,交流電動機ベクトル制御と非干渉制御を融合した制御法を開発し,その有効性を実験によって確認した。3.交流励磁フライホイール発電機の直流偏磁現象を実験的に検討し,直流偏磁を抑制する新しい制御法を開発した。さらに,その有効性を実験によって確認した。