著者
依田 明 深津 千賀子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.239-246,256, 1963-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2 5

子どもの出生順位と性格特性の関係を明らかにするた. にめ, 2人きようだいの親子145組 (子どもは小学校4年~中学校2年に在学) を対象に質問紙によつて調査を行なつた。性格特性に関する (資料は,約50項目の行動に関する記述が, きようだいのどちらによりよくあてはまるかの相対的な判断を求めることによつて得た。その結果つぎのようなことが見出された。1. 長子は自制的, ひかえめ, 親切など, 次子は快活, 甘つたれ, 依存的などの性格特性を持つ。子どもの出生順位によつて親の役割り期待・子どもの役割認知が異なつている結果であることを暗示している。同時にに男子的性格, 女子的性格というものも存在している。2. きょうだいの年令差が2才~4才であるときに, きようだいの性格的差異はもつとも顕著にあらわれる。3. 日常生活において, きようだい同士が固有名詞で呼びあつている場合は, 次子が長子を普通名詞で呼んでいる場合よりも, 性格的差異の現われかたは有意に少ない。
著者
依田 明 飯嶋 一恵
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.117-127, 1981-11-30
被引用文献数
1

出生順位と性格特性との関連について,1963年におこなった調査をもとに,その年代的変化を検討するために,再調査を実施した。2人きょうだいの小学校5年の児童と,その親187組を対象に,質問紙によって調査した。性格特性に関するデータは,51項目の日常生活における行動の記述が,きょうだいのどちらによりあてはまるかという,相対的判断を求めることによって得た。再調査の結果,次のようなことが見出された。(1)長子的性格・次子的性格の存在は,非常に明確に検証された。しかも,1963年調査時の結果と比較して,ほとんど変化がみられず,固定化したものと言える。男子的性格・女子的性格についても,ほぼ同様のことが言える。(2)きょうだいの年齢差が近いほど,長子・次子の性格特性の差異は,はっきりとあらわれない。(3)日常生活において,長子が次子から,きょうだい内の地位をあらわす普通名詞で呼ばれている場合の方が,固有名詞で呼ばれる場合よりも,性格特性の差異が明確にあらわれる。以上,再調査の結果は,ほとんど,20年前の1963年調査と一致している。この事実は,家族やきょうだいに関する文化は,表面的な社会的変動の影響をほとんど受けていないということを示唆している。また,長子と次子の生育環境も,この20年間に,大きな変化はみられないと言える。
著者
浜崎 信行 依田 明
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.187-196, 1985-10-30

われわれはふたりきょうだいを調査対象として,出生順位と性格の関連を検討してきた(1993,1980)。その結果,長子的性格,次子(末子)的性格が明確に存在することが明らかにされた。すなわち,長子は自制的で,ひかえめで,仕ごとがていねいで,話すよりも聞き手であり,めんどうなことを嫌う。それに対して,次子は甘ったれで,親に告げ口をし,おしゃべりで,やきもちやきで,強情で,活動的である。今回は,三人きょうだいを取りあげた。ふたりきょうだいの調査とまったく同じ方法で,出生順位と性格の関連を分析した。調査対象は,主として神奈川県に住む小学校4年生から中学2年生までの児童・生徒とその母親,それぞれ525名である。性格特性に関する資料は,51項目の日常生活における行動の記述が,3人きょうだいの誰にもっともあてはまり,誰にもっともあてはらないかという相対的判断を求めることによって得た。そのほかに,MMPIの性度尺度を参考に作製した性度検査を実施した。主要な結果は,つぎのとおりである。1.長子的性格は6項目,中間子的性格は3項目,末子的性格は9項目抽出された。長子的性格と末子的性格は,従来見出されたものとほぼ同様であった。2.中間子はめんどうくさがらずに仕ごとに取りくむが,よく考えないので失敗も多い。また,気にいらないと黙りこむという特徴を持つ。中間子的性格は,長子的性格,末子的性格にくらべると,あまりはっきりしたものではない。長子と末子の生育環境は,共通性,一般性が高い。つまり,どこの家庭に生まれても,同じような環境で育っている。このような長子や末子にくらべると,中間子の生育環境は多種多様であると考えられる。長子との年齢差,性別構成などの点で,3人きょうだいはふたりきょうだいよりも,はるかに複雑なものなのである。3.姉妹にかこまれた男子の女性度は,他の位置にある男子よりも高い傾向にあった。けれども,兄弟にかこまれた女子の女性度も高い傾向を示した。異性にかこまれて育っても,男子と女子とでは親の役割期待が異っていることを示している。
著者
浜崎 信行 依田 明
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.187-196, 1985-10-30

われわれはふたりきょうだいを調査対象として,出生順位と性格の関連を検討してきた(1993,1980)。その結果,長子的性格,次子(末子)的性格が明確に存在することが明らかにされた。すなわち,長子は自制的で,ひかえめで,仕ごとがていねいで,話すよりも聞き手であり,めんどうなことを嫌う。それに対して,次子は甘ったれで,親に告げ口をし,おしゃべりで,やきもちやきで,強情で,活動的である。今回は,三人きょうだいを取りあげた。ふたりきょうだいの調査とまったく同じ方法で,出生順位と性格の関連を分析した。調査対象は,主として神奈川県に住む小学校4年生から中学2年生までの児童・生徒とその母親,それぞれ525名である。性格特性に関する資料は,51項目の日常生活における行動の記述が,3人きょうだいの誰にもっともあてはまり,誰にもっともあてはらないかという相対的判断を求めることによって得た。そのほかに,MMPIの性度尺度を参考に作製した性度検査を実施した。主要な結果は,つぎのとおりである。1.長子的性格は6項目,中間子的性格は3項目,末子的性格は9項目抽出された。長子的性格と末子的性格は,従来見出されたものとほぼ同様であった。2.中間子はめんどうくさがらずに仕ごとに取りくむが,よく考えないので失敗も多い。また,気にいらないと黙りこむという特徴を持つ。中間子的性格は,長子的性格,末子的性格にくらべると,あまりはっきりしたものではない。長子と末子の生育環境は,共通性,一般性が高い。つまり,どこの家庭に生まれても,同じような環境で育っている。このような長子や末子にくらべると,中間子の生育環境は多種多様であると考えられる。長子との年齢差,性別構成などの点で,3人きょうだいはふたりきょうだいよりも,はるかに複雑なものなのである。3.姉妹にかこまれた男子の女性度は,他の位置にある男子よりも高い傾向にあった。けれども,兄弟にかこまれた女子の女性度も高い傾向を示した。異性にかこまれて育っても,男子と女子とでは親の役割期待が異っていることを示している。
著者
依田 明 繁多 進 斉藤 浩子 青柳 肇 滝本 孝雄 鈴木 乙史 清水 弘司
巻号頁・発行日
1987-03

科学研究費補助金研究成果報告書, 課題番号60301013, 1985年度~1986年度, 総合研究(A)