著者
小野 道之 竹内 薫 北村 豊 森川 一也 保富 康宏
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

Human Hepatitis E Virus (HEV)のカプシドタンパク質が自己会合したVirus-like particle (VLP)は、消化耐性と腸管免疫誘導活性を持つ、食べるワクチンとして注目されている。インフルエンザの共通抗原であるM2エピトープを融合したHEVのカプシドを、果実特異的なE8プロモーターの制御下で発現する遺伝子組換え栽培トマト(Solanum lycopersicum cv. マイクロトム x 愛知ファースト)を作出した。遺伝子組換え植物用の特定網室で栽培することにより、各種の動物実験に資するに十分量の果実を収穫した。
著者
保富 康宏 浦野 恵美子
出版者
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

COVID-19は高齢者において重症化することは周知であり、再感染についてもワクチン開発に関連して精査が必要である。このため、有効な動物モデルによる病態や免疫応答の解析が求められている。申請者らはカニクイザルを用いてCOVID-19霊長類モデルを作製することに成功した。霊長類医科学研究センターでは世界的にも極めて貴重な高齢ザルの巨大コロニーを保有している。これら高齢ザルを用いてSARS-CoV-2再感染モデルの検討を行ったところ、初回感染以上に強い肺炎像を示す個体も確認された。本研究では健康若齢個体に加え老齢個体におけるSARS-CoV-2再感染による肺炎の病態の解明を検討する。
著者
小野 道之 竹内 薫 森川 一也 保富 康宏
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

Human Hepatitis E Virus (HEV)のカプシドタンパク質が自己会合したVirus-like particle (VLP)は、消化耐性と腸管免疫誘導活性を持つ、食べるワクチンとして注目されている。インフルエンザの共通抗原であるM2のエピトープを融合したHEVのカプシドを、果実特異的なE8プロモーターの制御下で発現する遺伝子組換えトマト(Solanumlycopersicum cv. Micro-Tom)の作出に成功した。
著者
川合 覚 保富 康宏
出版者
獨協医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

実験用ニホンザル4頭にサルマラリア原虫(Plasmodium coatneyi)を静脈内接種し、感染経過にともなう脳MRI解析および造影灌流強調画像解析を行なった。その結果、いずれの感染個体においても微小出血や梗塞巣、浮腫等の器質変化を疑うMRI所見は認められなかった。また造影灌流強調画像解析では脳血液量(rCBV)、平均通過時間(MTT)および血流量(rCBF)を測定し、感染前と重度発症時の比較を試みた。その結果、前頭部、側頭部、後頭部および小脳において感染前と発症期との間に明確な違いは認められなかった。各感染個体は最終MRI撮像の直後に剖検し、脳の病理組織学的観察をおこなったところ、大脳および小脳血管内に多数の感染赤血球接着像(sequestration)が認められたが、神経細胞の変性や脳組織の器質的変化は認められなかった。これらの結果を総合すると、脳血管内で発生するsequestrationの形成は、脳マラリアにおける中枢神経症状の主要な要因であると思われるが、単純に脳内の虚血性変化や脳の血流障害を誘発するものではないことが明らかとなった。