- 著者
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元 ナミ
- 出版者
- 記録管理学会
- 雑誌
- レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
- 巻号頁・発行日
- no.65, pp.79-99, 2013-11-30
近年、記録管理の重要性が社会的に大きな反響を及ぼしている中、日本では2011年4月から「公文書等の管理に関する法律」が施行され、国の行政機関や独立行政法人等において公文書管理が規定された。この法律により、地方の公文書管理について努力義務が規定された。しかし、公文書館運営については、地方によってその設立背景や経緯、根拠となる法律、管理・運営主体、主に受け入れる資料などが異なる場合が多く、法律的な設置義務も定められていない。地方自治体ごとに公文書館が設立されている状況でもないため、地方の公文書や歴史資料の保存は将来を保障できないといえる。そこで地方自治体に「記録館(Records Center)」が定着していく韓国における公文書管理と地方公文書館の設立・運営の現状と事例を紹介し、そのうえ日本の地方公文書館の現状と比べながら、両国の地方公文書館設置・運営の持続的な発展を図るための望ましいあり方を探る。