著者
上坂 敏之 遠藤 智 前田 壮志 古川 一 八木 繁幸 中澄 博行
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.92, no.9, pp.253-259, 2019-09-20 (Released:2019-10-11)
参考文献数
12
被引用文献数
2

農業分野に応用可能な蛍光色素として,ベンゾトリアゾール系青色蛍光色素が対応する5-カルボキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールから合成した。この蛍光色素をポリカーボネートに含有させ押出成形機で青紫蛍光フィルムを作製した。その蛍光特性は,蛍光主波長が410 nm,蛍光量子収率74%の高効率な発光を示し,優れた耐光性も示した。この蛍光フィルムは,太陽光の下で紫外光を青紫光に波長変換することができることを分光放射光量計の測定で示した。この青紫蛍光フィルムをトマト栽培に使用することで,トマト果実のリコピン含量が著しく増加することを見いだした。また,このリコピン含量の増加は,果皮表面の色彩測定でも明らかになり,対照区(フィルムの無)の完熟トマトと比較して,色差△a*値で2~6増加することがわかった。
著者
小滝 豊美 八木 繁実
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.285-290, 1987-11-25 (Released:2009-02-12)
参考文献数
20
被引用文献数
17 23

チャバネアオカメムシPlautia stali SCOTT成虫の休眠発育がどのように進行するかを明らかにするため,20°Cの恒温条件下で日長転換を行い産卵の開始および体色の変化を観察した。成虫期に日長を長日(15L-9D)から短日(12L-12D)へ転換すると産卵の抑制および体色の褐色化が認められ,逆の転換により産卵の誘起および体色の緑色化が観察されたことから,本種は成虫期にも光周期に対する感受性を有することが示された。短日から長日への転換では長い期間短日条件下に置かれた区ほど転換後早く産卵する傾向が示され,羽化後日齢の経過に伴ってしだいに休眠発育が進行することが明らかになった。また,褐色個体の緑色化は休眠発育がある程度進行した段階で引き起こされる現象であると推察された。
著者
中澄 博行 八木 繁幸
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 : JOURNAL OF Synthetic Organic Chemistry JAPAN (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.477-487, 2008-05-01
参考文献数
52
被引用文献数
2

Novel bis-squaraine dyes have been synthesized in which two squaraine moieties are conjuga-tively linked by a methine group, thiophene, oligothiophene or arene spacer. New unsymmetrical squarylium dyes have been also prepared by condensation of mono-substituted squaric acid (semi-squaraine acid) with heterocyclic compounds with active methyl group or arylamines. These dyes exhibit large and intense absorption in the near-infrared region, and the X-ray structural analyses of these dyes show a planar structure. Semi-squaraine acids are key precursors for the synthesis of unsymmetrical squarylium dyes, and exhibited their absorption maxima at the shorter wavelength. Applications of squarylium dyes to photoconductive materials, photovoltatic devices, biological and environmental analysis are described. A Ca2+ ion-induced allostreic assem-bling of the squarylium dimmer was confirming by ESI-MS measurement showing the formation of metallo supramolecular complexes, that is the H-aggregate composed of at least three units.
著者
辻元 英孝 八木 繁幸 井川 茂 飛鳥 穂高 前田 壮志 中澄 博行 櫻井 芳昭
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.207-214, 2010-05-20
参考文献数
34
被引用文献数
5

溶液塗布法による高分子電界発光素子(PLED)の開発を目的として,りん光性ビスシクロメタル化イリジウム(III)錯体,ビス[2-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジナト-<i>N</i>,<i>C</i><sup>2</sup>&rsquo;]イリジウム(III)(2,2,6,6-テトラメチルヘプタン-3,5-ジオナート-<i>O</i>,<i>O</i>)(<b>1</b>)およびビス[2-(ジベンゾ[<i>b</i>,<i>d</i>]フラン-4-イル)キノリナト-<i>N</i>,<i>C</i><sup>3</sup>&rsquo;]イリジウム(III)[1,3-ビス(3,4-ジブトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオナート-<i>O</i>,<i>O</i>](<b>2</b>)を新規合成した。錯体<b>1</b>はトルエン溶液中において,発光極大波長475 nmおよび507 nm,発光量子収率0.91を有する青緑色発光を示した。また,錯体<b>2</b>は,発光極大波長610 nm,発光量子収率0.77を有する赤色発光を示した。これらのりん光材料を発光ドーパントとし,ポリビニルカルバゾール(PVCz)をホストポリマーとするPLEDを作製した(素子構造:ITO(150 nm)/PEDOT:PSS(40 nm)/PVCz:PBD:<b>1</b>(or <b>2</b>)(100 nm)/CsF(1.0 nm)/Al(250 nm))。錯体<b>1</b>および錯体<b>2</b>を発光ドーパントとするPLEDは,それぞれ溶液中と同様な青緑色および赤色の電界発光を示した。これらの結果から,共ドーパントして錯体<b>1</b>と錯体<b>2</b>を組み合わせることによって白色発光が得られる可能性が示された。実際,ポリビニルカルバゾール層中に錯体<b>1</b>と錯体<b>2</b>の両方を含むPLEDを作製し組成比を調整したところ,PVCz:PBD:<b>1</b>:<b>2</b>=10:3.0:1.2:0.012(wt/wt/wt/wt)の比においてCIE色度座標(0.364,0.378)(@13 V)の白色発光を得た。この白色PLEDは,最大発光輝度4200 cd m<sup>&minus;2</sup>(@13 V),最大電流効率4.9 cd A<sup>&minus;1</sup>(@7.0 V),最大電力効率2.4 lm W<sup>&minus;1</sup>(@6.0 V),最大外部量子効率2.4%(@7.0 V)の素子特性を示した。
著者
八木 繁雄
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.155-164_1, 1930-05-20 (Released:2011-10-14)
参考文献数
27

Labyrinth inflammation owing to the experimental injuries in the round or the oval window of the rabbit, displays the pathological changes as following: viz.—1) The intenestity of the pathological changes in the labyrinth is observed to be in the following order: I. cochlea, 2. sacculus, 3. utriculus, 4. semicircular canal.2) Inflammation in the scala tympani caused by the injury in the round window shows that the charges of the lower windings are greater than those of upper windings, and in the scala vestibuli the changes of the upper windings are greater than the lower ones.3) Inflammation caused by the injury in the oval window, shows the changes of the reverse order in intensity to the 2) case.
著者
八木繁樹著
出版者
緑蔭書房
巻号頁・発行日
1987