著者
八賀 洋介
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.120-140, 2008-03-31 (Released:2017-06-28)

近年では変動的行動のスケジュール研究が盛んに行われている。興味深い現象として、変動性の高い行動は強化頻度減少や消去に対して変動性の変化を起こしにくいことが指摘されている。しかし、スケジュール効果を検討する以前に"変動性がオペラントである、条件づけられる、強化可能である"などといわれる場合、その抽象性のために何を言わんとしているのかが曖昧である。本稿では行動変動性を強化する際に実際に何が行われているのかを明らかにすることと、併せて最近の本領域の研究動向を展望することを目的とする。分析の軸を与えるために2つの予備的検討を行う。始めに行動分析学におけるオペラントと変動性の概念の用法を確認し、次に変動性強化で使用される手続きを検討する。それらの検討から本領域で使用される分化強化の対象を明確にする。そのもとで、オペラントとしての変動性をめぐる先行研究を概説し、行動変動性と分化強化の関係を論じる。変動的行動のスケジュール研究の下では、変動性次元が分化強化対象として存在するのではなく、むしろ、変動的行動の内部パラメータとして存在していることを指摘する。