著者
八重樫 牧子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.49-59, 1995

前号の論文において, 筆者は, これまでの児童家庭福祉の展開に重要な影響を与えたと思われる「子供の未来21プラン報告書」など三つの報告書を取り上げ, 今後の児童家庭福祉施策の基本方向が明確になってきていることを明らかにし, その基本方向を提示しておいた.本論文では, この基本方向と基本理念について, 考察をおこなった.児童家庭福祉施策の基本方向である「家族全員参画型家庭」, 「福祉コミュニティ」, 「男女参画型社会」を実現するための今後の児童福祉の基本理念は, 「子どもの権利保障」と「地域における子ども家庭支援システムの構築」であることが確認された.
著者
松宮 透高 八重樫 牧子
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.123-136, 2013-02-28

メンタルヘルス問題のある親による虐待事例への支援においては,児童福祉と精神保健福祉連携が不可欠であるが,実際には不十分な状況にある.本研究は,その要因のひとつと考えられる両領域間の相談援助職の認識を明らかにすることを目的として,児童福祉施設および相談機関の相談援助職と精神科医療機関に所属する精神保健福祉士を対象に,当該事例に対する関与実態と認識についての質問紙調査を行った.その結果,当該事例について相談援助職間で認識の差異があることが明らかになった.またその背景には,精神保健福祉士の当該事例への関与機会の乏しさ,相互の領域に関する研修の乏しさなどがみられた.こうした不十分な連携と支援プログラムの乏しさのなかで,児童福祉の相談援助職は強い困難感やストレスを抱きながら当該事例への支援を多く担っていた.研修体制の拡充や適切な人員の配置により,支援環境の整備と両分野における認識の共有を図る必要があるといえる.
著者
松宮 透高 八重樫 牧子
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.123-136, 2013-02-28 (Released:2018-07-20)

メンタルヘルス問題のある親による虐待事例への支援においては,児童福祉と精神保健福祉連携が不可欠であるが,実際には不十分な状況にある.本研究は,その要因のひとつと考えられる両領域間の相談援助職の認識を明らかにすることを目的として,児童福祉施設および相談機関の相談援助職と精神科医療機関に所属する精神保健福祉士を対象に,当該事例に対する関与実態と認識についての質問紙調査を行った.その結果,当該事例について相談援助職間で認識の差異があることが明らかになった.またその背景には,精神保健福祉士の当該事例への関与機会の乏しさ,相互の領域に関する研修の乏しさなどがみられた.こうした不十分な連携と支援プログラムの乏しさのなかで,児童福祉の相談援助職は強い困難感やストレスを抱きながら当該事例への支援を多く担っていた.研修体制の拡充や適切な人員の配置により,支援環境の整備と両分野における認識の共有を図る必要があるといえる.
著者
平田 道憲 今川 真治 正保 正惠 田丸 尚美 八重樫 牧子
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

(1) 「子育て共同化」プログラム実施のための国内,国外のアンケート調査を実施し,「子育て共同化」プログラムに関する母親のニーズを明らかにした。(2) 国内・国外の先行事例を研究した。(3) 「子育て共同化」プログラムを試行し,参加者の育児不安の変化やニーズを明らかにした。(4) 父親の子育て参加のためのワークショップを実施した。(5) 「子育て共同化」プログラムの行政・民間機関との連携についての研究が今後の課題である。