著者
今川 真治 小土井 貴子
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
no.65, pp.249-256, 2016-12-22

Advertising sign of the restaurants contains many information on it, for example, daily bargain products or recommendation of the house etc. The characters (fonts) used in the signboards may also transfer some information to the consumer. The aim of this study was to investigate a question that "what kind of restaurants image does the characters on the signboards conjure up?" Field survey showed that the fonts on the signboards can be divided into seven types as Mincho, Kaku-Gothic (block), Maru-Gothic (round-edge block), Kaisho, Gyosho, Kantei-ryu, and Reisho. All types of restaurants use Mincho and Kaku-Gothic fonts on the signboards. Mincho has common and uncute image, and Kaku-Gothic contains festive and accessible image. These two fonts may be used because they have the common touch for ordinary people. In fact, Mincho font conjures up the image of all seven types of restaurants (okonomiyaki shop, curry shop, ordinary, cafe, Italian restaurant, Chinese restaurant and ramen shop). On the other hand, Kaku-Gothic conjures up the images of shops other than cafe and Italian restaurants, but the percentage of questionee those who imagined other five types of restaurants was high. Each font may have unique latent potential to conjure up some kind of restaurant or food.
著者
今川 真治 中道 正之 大芝 宣昭 金澤 忠博 糸魚川 直祐 中道 正之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

サル社会の中では、ケンカなどの敵対的行動をしながらも毛づくろいなどの親和的行動も行われる。これら2種の行動は、社会の中で他の個体と共存していくための不可欠な行動である。順位関係が比較的厳しいマカク属のサル類を対象として、この敵対的行動と親和的行動の関係が調べられた。野外で生息するニホンザル集団の場合には、生後4年間を通して、オスの子ザルが親しく付き合う同性の個体は一定であり、「仲間関係における恒常性」が認められた。敵対的行動に基づいて明らかとなったこれらの個体の間の順位は、その母ザルの順位関係とほとんど同じであった。親しく付き合う個体は互いに、順位が隣り合うか、近い個体であった。メスの子ザルの間でも、オスの子ザルと同様の傾向が確認できた。しかし、オスとメスの異性間における仲間関係の恒常性は認められなかった。ケージ内で飼育されている準成体、成体の親和的行動と敵対的行動の頻度を、ケージ内に止まり木が多数設置されて豊かな環境と止まり木の少ない乏しい環境で比較した。予想に反して、豊かな環境内では敵対的行動も親和的行動も生起頻度は少なかった。他方、乏しい環境ではどちらの行動の生起頻度も高くなった。この事実は、止まり木が少なく、互いに好ましい場所にサルが集まり、局所的に過密になり敵対的行動が多くなりやすいが、同時に、敵対的行動が生起した後の仲直り行動や、過密による心的緊張を低下させるための親和的行動が比較的頻繁に生起したためと考えられる。これらの事実は、環境条件に即して、サルが社会的緊張を軽減する行動を行っていることを意味している。
著者
藤井 志保 村上 かおり 鈴木 明子 今川 真治 権田 あずさ 中山 芙充子 広兼 睦
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.42, pp.165-174, 2014-03-24

家庭科教員免許取得を目指している大学3年生を対象に,内容「A家族・家庭と子どもの成長(1)(2)(3)」と内容「C衣生活・住生活と自立(3)ア布を用いた物の製作,生活を豊かにするための工夫」を関連づけて学習するための題材を構想させ,大学での教職および教科関連科目の学びや教育実習での体験に基づいて適切な教材の選択やそれを用いた題材構想がどの程度可能になっているのかをとらえた。さらにその構想を教材構成力の下位能力からとらえ分析することを試み,学生自身による自己評価と,教科教育,教科内容(保育学,被服学)及び教育実習担当者の三者4名による客観的評価から教材構成力の実態を明らかにすることを目的とした。その結果,題材目標や構想の表現の未熟さや,取り上げる教材の偏り,すなわち教材構成の視点の狭さは感じられたが,15名の学生は,何らかの形で内容Aと内容C(3)を関連づけた題材の流れを構想できていた。教材構成力の向上を図るカリキュラムの改善に向けて,教科目標を意識した専門科学の内容の再構造化の必要性があることが示唆された。
著者
正保 正惠 田丸 尚美 平田 道憲 今川 真治
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.62, pp.130, 2010

<B>【目的】</B>2008年度の福山市保健所3歳児健診時のアンケートより、育児不安の高低と育児リフレッシュとの関連等がみられた。本研究は,福山市において,このような育児ストレス・不安をもつ親たちのために、実験的に母親同士のコミュニケーションとリフレッシュ、母子分離体験とを同時に得ることができるオリジナルのプログラムを設計し、効果を検討することを目的とする。<BR><B>【方法】</B>(1)アンケート結果に基づき、プログラムを設計、実施。(2)その際、_丸1_毎回の振り返りをKJ法で分析。_丸2_全8回のうち第1回目に2009年度版と同様のアンケート調査を行い、最終回にもう一度同じ内容のものを実施し、その変化を見る。_丸3_最終回にインタビュー調査を実施し、内的な変化を聴きとる。<BR><B>【結果】</B>(1)全8回のうち、最初の2回はアンケート結果に基づく講義や自己紹介、参加者中心プログラムについての理解、続く5回は、短い講話のあと2人が各自自由にリフレッシュタイムを取り、残った3人の親で5人の子どもを見守り、最終回にアンケート等を実施。(2)KJ法の分類では、講話よりもリフレッシュに対する感想が多く、貴重な体験であったとの記述があった。(3)_丸1_育児不安値が2008年度の中央値よりも高い母親が多く参加していた。_丸2_プレ・ポストの結果の得られた母親8名のうち、比較的高かった4名の育児不安値が下がり、低かった4名が上がるという結果になった。_丸3_個別にみると母子分離体験がうまくいき母子ともに自信を持った親子と、逆に参加によるタイムプレッシャなどの負担増や分離場面で問題が顕在化した親子が出てきた。_丸4_インタビューでは、ほぼ全員から育児の大変さが語られ、プログラムには肯定的であったが個性に配慮した改良が必要である。
著者
今川 真治
出版者
広島大学大学院教育学研究科
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第二部, 文化教育開発関連領域 (ISSN:13465554)
巻号頁・発行日
no.66, pp.213-222, 2017

The purpose of this study is to analyze the effect of communication between university students and their parents concerning relationships and marriage on their future view of marriage. The subjects were 189 university students (82 males and 107 females), and 12 were from single-parent households.Male students showed stronger traditional marriage views than female students. Both male and female students emphasized that the "personality" of their future mate was important, as was "value alignment" between themselves and that person. Only male students valued the "appearance" of their future partner, while female students valued other features such as their partner's "jobs", "educational background", "economic power", "having experienced living alone", "compatibility with her parents", and "her compatibility with her partner's family". There is a qualitative difference between male and female students in communication with the opposite-sex parent and a quantitative difference in communication with the same-sex parent. Male students equate themselves with their fathers, and the marriage view of the fathers had an effect on students' views of marriage. Regarding the relationship between the university students and their parents on their view of marriage, male students' marriage perspectives are directly influenced by communication with both their fathers and mothers, while female students' views of marriage are not only affected by the communication itself but by the relationship between the parents.本論文は,平成28年度広島大学教育学部卒業生湯池華子の卒業研究の収集データをもとに作成したものである。
著者
平田 道憲 今川 真治 正保 正惠 田丸 尚美 八重樫 牧子
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

(1) 「子育て共同化」プログラム実施のための国内,国外のアンケート調査を実施し,「子育て共同化」プログラムに関する母親のニーズを明らかにした。(2) 国内・国外の先行事例を研究した。(3) 「子育て共同化」プログラムを試行し,参加者の育児不安の変化やニーズを明らかにした。(4) 父親の子育て参加のためのワークショップを実施した。(5) 「子育て共同化」プログラムの行政・民間機関との連携についての研究が今後の課題である。
著者
今川 真治
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は, 幼児・児童・生徒および学生を受け入れているグループホームや高齢者福祉施設において, これら若年者との交流が, 入居している認知症高齢者にどのような影響を与えうるのかを,高齢者の行動を分析することによって検証することを目的とした。若年者の適度で穏やかな関わりかけは, 認知症高齢者に肯定的な感情を惹起したと思われたが, 認知症度が重度である場合には, 交流に対する忌避的な行動が生起しやすかった。
著者
南 徹弘 日野林 俊彦 安田 純 今川 真治 小島 康生
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

幼児の社会的相互交渉他児との社会的相互交渉と言語的コミュニケーションスキルの関連を検討するために19名の4歳齢幼稚園児を対象とした観察を実施した。幼児の発話量には個入差が大きかったものの、概ね、女児は男児よりも肯定的発話を示し、否定的発話は男児に頻繁にみられた。また、スキルレベルの低い児は、より単独で過ごすことが多く、より活動的で、遊び集団への仲間入りを頻繁に試みていた。しかしながら、その試みは他児から必ずしも受け入れられず、他児からの拒否や無視を受けることが多かった。一方スキルレベルの高い児は遊びを方向付ける発話が多くみられ、遊び集団から離脱しても他児の追従を受けることが頻繁であった。すなわち、言語コミュニケーションスキルの高低が幼児の行動としてあらわれ、ひいては仲間関係に影響を及ぼすことが示された。そこで、実際にいざこざが生起した際に彼らがどのような行動を示すのか、また、いざこざに関わっていない他児がどのように関与するのかを保育園において5歳齢児を対象とした観察を実施した。その結果、男児のいざこざおよびいざこざへの介入には社会的関係に直接影響を受けず、女児のいざこざは彼らの社会的関係を反映した傾向があることが示された。保育士のしつけ行動幼児が逸脱的な行動を示した際に保育士がどのように介入しているのかについて、保育園3歳齢児と担当保育士を対象とした観察を行った。食事場面等においては保育士は児の行動を方向付けるようなしつけを頻繁に行っていたが、自由遊び場面においては児の自主性に任せるようなしつけ行動を示した。また、効果的なしつけの存在が認められたものの、保育士は必ずしもそのようなしつけを用いず、児が自身で考えられるような機会を用意していることが示唆された。